年別アーカイブ: 2007年

ブログを書く

前回のブログから1ヵ月近く経つ。
この間、何度か書こうとしていた。
書きかけたら携帯が鳴って「お産の方がきはります。」というコール。
書きかけたら睡魔が襲って、2行ほど書いて知らない間に寝てしまったこと。
書きかけたらやはり違うことを書きたくて書き直し、また違うことを書きたくなって、結局その日は止めてしまったこと。
でも、毎日何十人という方が、このブログを開けてくださっている。
その事実は毎日わかっているのだが・・。
すごく楽しみにしてくださっている方もいてくださる。
「うどんとお産」のブログを読んで、お父さんが「記念になりました」と1ヵ月健診のときお礼を言ってくださったり。
去年の4月16日のブログの題が二人四脚で、それが本の題になっていて、自分の出産した日と同じだったので感動しました、とお礼の手紙をいただいたり。
ブログを書くことで、クリニックを知ってほしい、スタッフのいいところをアピールしたい、クリニックの本音を伝えたいなどなどいろんなクリニックの一面を知ってもらう反面、本来のブログ=日記という意味で、私自身を見つめなおして反省や自分への奮い立たせの役目にしたり。
実際、経理や事務的なこと、人事やお給料のこと、そして助産業務、夜の待機、家のこと、子どものこと、などなど、必死で前しか見えず突進していると、フッとブログを書くことで我に返ることがある。もちろん、ブログだけでなく、スタッフにフォローしてもらったり時には喋りこんでストレス発散させてもらったり、友達と全く医療から離れて話したり、いろんなことで私を救ってもらっているのだが・・。
院長の妻として経理はしません、人事もしません、とか、助産業務だけやってたらいいのです、なんて言ってしまったらおしまいかな、と思っている毎日。
院長の妻であり、経営者であり、かつスタッフであり、助産師であり、ちょこっとだけ母をやり、そして、気が利かない仕事のできない私を支えてくれるスタッフや院長、家族がいてくれる限り、体力の続く限り、今の生活をやっていこうと思う。
そしてブログも発信し続けようと思う。
                   eri.hosoda

助産師学校の友人

先日、助産師学校時代の友人と会う機会があった。
助産師学校・・私たちの時代は、つらくて、苦しくて、泣きながら実習を行っていた。本当に本当につらかった。
久しぶりに会って、その頃の思い出を語った。
しかし、彼女は、今、外交官の妻。
来月からご主人と子どもたちと3年間フィリピンの外務省へ赴任することが決まっている。
外交官の奥様の世界は、私たち助産師には想像を絶する世界だった。
お産の経過を推測する私たち。・・彼女は、他の国の外交官の奥様方に、どのように会話するのか考えている。
どうしたら、おっぱいがよく出るか考えている私たち。・・彼女は、どうやって世界の外交官夫妻を接待をするか考えている。
毎日、患者様にどうやってサービスをするか考えている私たち。・・彼女は、日本の代表する身なり、しぐさ、行動を身につけなくては、と考えている。
同じ学校を卒業して、今は全く違う世界。
私は、彼女の生活を尊敬し、絶対私には出来ない世界だとつくづく感じた。
(彼女は、「今の時代に産婦人科を立ち上げていく世界の方が凄いよ」と言ってくれたが。)
夫についていく妻としては、同じ立場であるが、知らない世界に入っていかなくてはならないということは私と全く違う。
そんな彼女は、てっきり助産師の仕事を忘れて今の立場を充実させているのか、と思っていた。
しかし、彼女は、言っていた。
とりあえず、また、お産に立ち会いたい、早く助産師に復帰したい、と。
赤ちゃんの香りを匂いたい、おっぱいのあとの「ガフォッ」というゲップを耳元で聞きたい、と。
私たちが行っているお産の介助、毎日変化する赤ちゃんの匂いや普通に聞いている赤ちゃんのゲップ。
産科から離れてみて初めて、産科でしか感じられない数々に懐かしさを感じるのであろう。
別世界にいる彼女から、改めて教えられ、新しい刺激とリフレッシュをもらった。
いろんな人のお産にめぐり合える場所にいることは、すばらしいことなんだ、ということを。
感謝、感謝。
            eri.hosoda






ゴールデンウイーク

連休も今日で終わり、明日からまた普通の毎日が始まる。
大きな計画もなく毎日過ぎたが、いつも出来ない大掃除をしたり、行ったことのないスーパーに出かけたり、とそれなりに充実していたように思う。
そんな中、昨日ジェットコースターで大きな事故が起こり、一人の女性が亡くなった。たまたま、その時間に、その席に座った確率なんて計り知れないだろうが、不慮の事故、偶然の出来事では済まされない。
平和な毎日であると、このような事故が起こると怖くなる。
その席に、家族が座っていたら・・とか、知り合いがいたら・・と考えると、いたたまれなくなる。
ジェットコースターだけではない。
毎日の生活の中や、道路や建物の中でも、いろんな危険が起こりうる。
医療の中ではどうであろうか。もちろん、確立で言えばゼロとは言い切れない。
産科では、元気に生まれてくれて当たり前の世界。そんな世界にいる産婦人科に携わる私たちは、医師も看護師も助産師も、いつもいつも、母子とも無事にお産を終えられるように気を張り詰めている。
生まれた瞬間元気に泣いてくれる赤ちゃん、感動に包まれている家族、いつもの光景だが、そのとき、スタッフは心から「おめでとう、いいお産だったね」と思い、声をかける。それは、家族だけでなくスタッフも同じく、元気な赤ちゃんの声を待ち、無事お産が終了するよう望んでいるため、計り知れない神経を費やしているから、自然にあふれて出てくる「おめでとう」なのだ。
ジェットコースターの事故の裏には、偶然だけでなく、落ち度があったであろう。
お産や医療は決して、そんなことのないように、24時間365日スタッフ共々さらに気を張り詰めていなくては、と認識した。
そんな思いの中、今日も元気な産声を聞くことが出来た。
                eri.hosoda


10分間で4人

今日は久しぶりに車で買い物へ行った。(といっても、スーパーだが・・。)
週末にいつもと違うスーパーへ出かけることが唯一の気分転換で結構楽しい。
今日は、何だか、私も主人も無性にアイスが食べたかった。
子どもなら親に駄々をこね、「アイス買って~」と言うのであろうが、そんな必要もなく2つ買って帰ることにした。
しかし、道も混んでそうだし、溶けてしまったら困るし、スーパーの窓際にある10組ほどのテーブルといすのあるコーナーで食べて帰ることにした。
1個100円のアイスを食べかけたとき、
「先生~○○です。ご無沙汰しています。こんなに大きくなりました。」
と10月にお産されたお母さんと赤ちゃんとお兄ちゃんが近寄ってきてくれた。
もう、六ヶ月経つらしいが、はっきりお顔と名前を覚えていたので、つい2~3ヶ月前の出産だったかな?と思うくらいだった。
少し話しをして、私たちに「がんばってくださいね。」と逆に励まされてしまった。
「いい大人がこんなところでアイス食べてたら恥ずかしいなあ。外を向いてさっさと食べてしまおうか。」
と、外の方を向いて食べていた。ん?向かいにある美容室を何気なく見ていたら、そこで働く美容師さん見たことがある。
そうだ。三カ月前にお産されたご主人。妊婦健診にも毎回来られてたし、お産も立ち会っておられたので、はっきり覚えている。このスーパーの前の美容室で働いている話を聞いた記憶がよみがえって来た。
やばい(笑)こんなところでアイス食べてるの、何人に見られるのか・・。
そそくさとアイスを食べて車に乗り込んだ。
帰り道、信号で止まっていると、目の前を見たことのある小学生の男の子と目が合った。ん?この男の子会った事ある。そう感じた瞬間、後ろから小さな赤ちゃんを抱いたお母さんが傘をさして歩いてこられた。雨も激しくなってきたので目が合うことなく過ぎていかれたが、間違いなく△△さんだった。お兄ちゃんはなんとなく気づいているらしくジッ~とこちらを見ていた。
そして、細い道に入り、速度を落として車を走らせていると、真横を通る人が
「あっ~!」っというしぐさで通りすぎていかれた。まさしくずっと外来に来られている△□さん。お互い自転車と車で、通りすがりになったが誰かお互いにわかった。
もしかして、気づかないうちにまだ何人かの患者さまに会っているかもしれない。
たった10分間で、4人の方に出会ったのだから・・。
・・・アイス食べてても許してください。
・・・スーパーで30円引きと黄色いシールの張ってあるの買っていても笑わないでください。
恥ずかしいですが、大きくなった赤ちゃんと会えるのがすごく楽しみなので、また、声かけてください。
                     eri.hosoda



今年の桜

五条天神川の桜今年も満開の桜が天神川のほとりに咲き並んでいる。
ゆっくり眺めている時間はないが、たまたま、外回りでクリニックを出たときに満開の桜並木の間に立ってみた。
去年のブログに、確か天神川の桜のことを書いた記憶があり、そのブログを読み返してみた。

 「 来年どんな私があの桜並木を見ているだろうか、 とも思う。
                        
   明日、この桜並木の下を歩きながら、子供の入学式に行く。すべて満開の気分だ。 」

こう書き記している。
私は、去年の私と何か変わったであろうか・・。自分では変わったのかどうなのか解らない。何も変わってない気もする。 
そして、去年中学生になった息子は、はるかに私の背を超えてしまった。
しぐさも、主人と似てきた。
息子だけが1年で成長し、変わったのだろうか。
そうじゃない。
去年生まれた赤ちゃんは、もっともっと成長している。
上手にバイバイが出来る。クリニックに来て、キッズコーナーでおもちゃを触って喜んでいる。上手に歩いている。
若いっていいなあ~って思った。成長するんだから・・。
もう、私も主人も成長や発達はない。(私の体重は成長してるけど・・)
そう考えたら寂しいから、眼に見えた成長がない分、
「楽しいことを増やそう!」つまり「やりたいこと、行きたいところ、食べたいもの、見たいものを増やそう!」と思った。
それが、これからの私たちの成長にしようと思う。
その為にも、若いスタッフからたくさん刺激をもらって、生まれてくる赤ちゃんの1年先2年先を刺激にしてがんばろう~と思う。

来年も桜並木を見て、何を思うか・・楽しみにしておこう。
誰と見てるか・・楽しみにしておこう。

               eri.hosoda