月別アーカイブ: 2008年1月

丸2年

1月19日、細田クリニックの建物の2年目点検が行われた。

そのときほめて頂いた言葉。
建築会社の方からも、設計事務所の方からも、言っていただいた。
「すごくきれいに使ってもらっている」と。
私は、毎日この建物の中にすごしていると、
「汚くなったな~」「最初はこんなジュータンの色じゃなかったな~」と思うことはよくある。
だが、九州から来ていただいた設計士さんは、全国で1年目点検や2年目点検をされているわけであって、比較できるのであろう。きれいでびっくりされていた。
ほめていただいて、改めて、うれしかった。
ほとんど無傷で、未だに来られた方が、「新しいクリニックですね」と言って下さる時がある。そんなときは、いつも、「いいえ、古くなりましたよ~」と答えていたが点検でほめていただいたときは、素直にうれしく思った。
こういう評価は周りからしてもらわないと、そこに日々過ごしている私たちにはあまり感じ取れないものだ。
でも、よく考えたら、スタッフみんなが、建物、というか、建物も、大切にしてくれている。
お産が終わったあとの分娩室、いつも、ピカピカに磨いてくれている。床をモップでふきあげてくれるスタッフ、雑巾で這いつくばって、白衣の裾を捲り上げてふいてくれてるスタッフ、真夜中であっても同じである。お産のあとは、血液や羊水など床や分娩台に、目に見えない汚れとしてたくさんある。掃除は基本であるが、決して、目につかない汚れであろうと、手抜き、「まあ、これくらいでいいか」という考えはない。本当に必死できちんとやってくれる。クリニックの中の小さな傷や故障を見つけてくれると即報告してくれるので、大事にならずに済んでいるのも事実。器具なども大切に使って、移動も細心の注意を払ってくれている。
セクレタリーも日々環境整備には力を入れてくれている。小さいお子様連れの入院部屋はどうしても食べ物の汚れやジュースなどのこぼれは避けられない。また、産科である以上、出血の汚れは仕方ない。そのどんなときも、いろんな手段で、跡形もなく、きれいにしてくれている。
院長は、天気のいい日曜日には、軍手をはめて、外の草むしりや、壁の汚れ落としをやっている。先日も、自らホームセンターで外の天井用のほうきを購入した。これで、駐輪場の天井がきれいにできる・・と、暖かくなる日を待ちわびている。
こうして、毎日培われている思い。
誰しも、汚くて、傷だらけの古いクリニックより、清潔で、ピカピカのクリニックに受診したい。(建物だけではなく中身が1番大切であるのは前提ですが・・)特に、女性の集まる産婦人科は、子供さん連れ、ファミリーで・・も当たり前。多数の方が来られれば汚れや傷みも多くなる。
でも、どんな方が来られても、そして、何年経っても「まだ、新しいクリニックだね」と言ってもらえるようにしたいものだ。
                     eri.hosoda


大震災

今日は大震災が起こって13年。
あの、テレビの画面で映し出される映像は忘れもしないし、くっきり思い出される。
高速道路が横倒し・・民家何軒も連なって押しつぶされている・・速報で「死者○○人」と流れるたびに、増えていき・・。
本当に電車で1時間行けばたどり着く所で起こっているとは思えない光景だった。
もちろん、命を亡くされた方も多いが、その災難の中で、出生した、というニュースもあった。仕事柄か、そのニュースも鮮明に覚えている。
生まれる、ということは、何千年前から、同じである。
まだ、人類が、服を着る習慣がない頃も・・まだ、車もなく、郵便もなく、エッホエッホと籠を担いで走っていた時代も・・
そして、医学がどんなに発達しても、情報がドンドン行き渡っても・・
赤ちゃんは女性の子宮に妊娠し、子宮の中では胎盤から血液と酸素をもらい育っていく。10ヶ月経つとこの世に生まれてくる。
きっと、あと100年経ってもそれだけは変わらないと思う。
どんなに人間社会が変化していっても、変わらないと思う。
だから、13年前の大震災の日でも、生まれてくる赤ちゃんは、何千年もの自然の摂理のまま、生まれてきたのであろう。
もしかすると、今、こうしている間にも、大震災は起こるかもしれない。
何も残らないかもしれないけど、そのとき、「陣痛が来ました」「破水しました」という電話があれば、いやいや、電話は通じないだろうから、直接こられたら、いつものようにお母さんの体から赤ちゃんを迎えてあげなくてはいけない。
無事生まれたら、「おめでとう」を言って上げようと思う。
水がなくても、電気が暗くても、いつものように、いっしょに呼吸法をして、「よかったね~」と言ってあげよう。
生まれてくるということは、何千年も前と変わりないはずだから・・。
震災の真っ只中で生まれてきても、恵まれた環境で生まれてきた赤ちゃんも、生まれてくる赤ちゃんは何も知らない。よく生まれてきたね、お母さんお父さんがんばられましたね、と言ってあげよう。
そういう時も避難場所に逃げられない仕事かな(笑)性格かな(笑)
だから、日ごろ、我が家の子供たちには言いきかせてある。
もし、大震災が来たら、西京極運動公園が避難場所だから行きなさい、私たちは姿は見えなくても、クリニックに向かっているからね・・と。
                              eri.hosoda