月別アーカイブ: 2010年9月

番外編

昨日から、やっと涼しくなり、寒いと感じるほどの気温になった。
人間とは勝手なもので、あんなに「暑い暑い」と言っておきながら、ここまで涼しくなると「寒い・・ここまで寒くならなくてもいいのに・・」と勝手なこと言ってしまいがち。
でも、暑いより、やや肌寒い方が過ごしやすく、食べることも楽しみになり、寝るときも楽になり、短期間で貴重だけど、今くらいの季節はうれしい。
さて、タイトルに出した番外編。
クリニックやお産の話ではなく、院長の話・・。
院長というより、夫の話し・・。
ちんげんさいこの写真は主人の作った料理。
もちろん主人のキッチン作業は休みの日しか無理。
そんなある休日。
私も、平日は夕飯が作れない日もあるので、作れる日はできるだけたくさん、栄養も考えて、日頃作れないものを、かつ翌日のお弁当になるものを(笑)・・と考える。
その日も、殆ど準備ができ、あとは何か緑のものを添えようと、青梗菜を洗って、ざるに置いておいた。食べる直前にごま油で中華風炒め物にしようと思って・・。


そこで、私は、他のことをゴソゴソとやっている間に・・。
主人がひそかに作り上げたのは、青梗菜とベーコンのスープ。
味付けは、牛乳とコンソメと塩コショウかな・・。
簡単で栄養もあって、私もよく作るけれど、横取りされた青梗菜が中華から洋風になっていた。
やや辛めだったけど、充分満足。
その日は、和洋中と品数たっぷりの定食屋のような夕飯になった。

日頃、私のサイドで作ってくれる料理。
味噌汁なんか、私が作るより濃いめの味付けなので、私のよりおいしい。
ハンバーグなんかは、なかなかお店で食べるように硬めにできないから、何回もチャレンジしたくて作ってくれる。
カレーも、私は甘口メインで作るけど、主人は辛口メインなので、それも私の知らない間に作ってくれる。辛口たっぷり入れて・・。
お好み焼きや焼きそばは、私は全くノータッチ。もう少し修行したら、お好み焼き屋さんに転職できるくらい。
いつからか、やり始めた料理もドンドンレパートリーが増えてきた。
主人の友人たちが
「フレンチトーストを作った」とか、「休みの日は僕が食事は作る」、そんな会話に触発されたのか・・。どちらにしても、私にとってはありがたいことだし、贅沢で、うれしいことだ。
こんな光景を見てか、時々息子が「俺にだって、カレーぐらい作れる」
と断言している。
何回も聞くが、いつ息子のカレーが食べられるのか・・。
味噌汁くらいは息子も作るが「俺が作る味噌汁は何でおいしくないんだろうか」と言っているのに、カレーが作れるのか?とひそかに思う。
主人の料理も楽しみだが、こちらも楽しみだ。
数日前テレビで「男の人はドンドン料理をした方がボケ防止によい」と言っていた。料理は、材料や栄養や、出来上がりの時間や盛り付けなど、たくさんのことを考えながらやる作業だからだ。
女は、常に考えているけど、男の人は仕事では使わない脳を使うそうだ。
確かにそう思う・・。
料理より、手術の方が何十倍難しいはずなのに、料理では手間取ることも多々。それは、手術とは違う脳を使っているのだろう。

たまたま驚いた、青梗菜が化けていたこと。
思い出したので、書いてみた。
eri.hosoda

あるお昼時間

クリニックでは、平日のお昼ご飯は、お母さんみんな一つのお部屋で食べていただくことになっています。
土日は、面会の方も多く、ばらばらになりがちなので、平日のみ。
かつ、お産直後や体調の悪い日はお部屋で食べていただくことはできます。
さて、その、みんな集まって食べるランチは、お昼ご飯の楽しみだけでなく、
他のお母さん方とのコミュニケーションの場。
数週間前のお昼のこと。
お産ラッシュの真っ最中で、お昼ごはんを食べるために、新生児室には多くの赤ちゃんが預けられていました。
預かった12時過ぎはみんなおとなしく睡眠タイム・・。
12時半くらいになると、数名泣き出し、そのあと数分ごとにみんな泣き出す状態。
「もう、1時間経つから、お母さんもお迎えに来てくれるでしょう・・」と待つことに。
根気よく待ち、ハッと気付けば、2時前・・。
きっと、楽しく話しに花が咲いているんでしょうけど・・。
泣きつかれて寝てしまった赤ちゃんもいるけれど、やはりお迎えに来てもらうために、他のスタッフに声をかけてもらいました。
「そろそろおっぱいに来て下さぁ~い」って。
それから、1分も経たないうちにお母さんみんなで赤ちゃんのお迎えに来てくれました。
そのときのお母さん、みんな素敵な笑顔です。
楽しそうです。
一人ずつ赤ちゃんをお母さんにお渡ししながら、
「楽しいところごめんね・・。でも、もうみんな大泣きだから・・。
 ・・・・で、何話してたの?」
と聞くと、
「IHの話しで盛り上がってちゃって・・(笑)」
話の内容は、無茶苦茶主婦!
「や~ん、私も話しに参加したかったわ・・」と言えば
「IHいいですよ・・。お湯もすぐに沸くし、電気代もそんなに変わらないし・・。」
そこで、また主婦の話し。
いやいや、おっぱい上げてください・・と笑いながらの光景でした。
お母さんたちは、年齢もバラバラ。初産婦さん、二人めさん、三人めさん、
前日にお産された人もあれば、翌日には退院の人も・・。
はじめまして、の人もあれば、同じ日に出産し、すでに何回か顔を合わせている人も・・。
それでも、みんな笑顔で話し、ほんの少しの時間でもリラックスできて・・。
そして、また、授乳に入り・・。
要するに・・母である前に、主婦でもあり、そして、女・・。
ちょっとした時間が、息抜きだったりするものです。
スタッフ同士もそう・・。スタッフとお母さん同士もそう・・。
たくさん話しが弾むそんな時間も大切だと思います。
私も、友人と8時間ぶっ通しでペチャクチャ話すことで、ストレスが消えていくのがわかります。
そのあと、お互いの夫に
「何をそんなに話すことあるの!8時間なんて仕事の時間といっしょやん!」
と言われますが、いやいや、あと数時間は余裕で話し続ける自信あります。
eri.hosoda

健康

クリニックでお産をされる方は、基本的に合併症がほとんどなく、
大きな異常のない元気な方。
働くスタッフも元気はつらつ。
家族も、風邪1つひかず、子どもも小学生から皆勤賞。
そんな環境の中でも、時々、健康のありがたさを感じる事実がある。
昨日、主人の7年後輩の産婦人科の先生が亡くなられた。
脳出血・・。全く意識が戻らず、そのままだったとか。
その連絡をもらってから、しみじみとその先生から頂いた年賀状を出してみた。
まだ、幼稚園も行かない小さなお子さんとの家族写真の年賀状。
来年も再来年も、続くはずだっただろうに・・。
「今、〇〇先生より、7年長く生きさせてもらっている。大切にしなあかんな。」と二人で語った。
本当にそうだ。生きている以上、誰も予測しないことが起きる。
だから、「今」を大切にしなくてはいけない。毎日が「今」。生まれてきてから今までずっとず~と。そして、これから、おじいさんおばあさんになってもずっと・・。
自分だけでなく、毎日生まれてくるベビーも、同じ条件で、形さえ違えど同じ幸せをもらって生まれてきたはず。
大切に大切に生きていってほしい、と、今日の沐浴をしながら感じた。


そして、数年前にもらった1枚の手紙を出して読み返した。
主人の同級生が癌で亡くなられて、その数日後に家族から送られてきた、手紙。
主人あてに「・・・略・・・あなたは、私のように、途中で倒れてはいけません。這ってでも、前に進むんだよ・・・略・・・」
本当に、重いことば。
主人に無理をしろ・・ってことではありません。
最後まで寿命を全うしてね・・ってことです。
生活のほとんどが仕事。自分を追い込むだけでなく、年老いた親も子供も大きな犠牲を被ってくれています。
いえ、犠牲とは思わず、むしろ支えてくれています。
これから先もきっとそうでしょう。
でも、心も体も健康であってこそやっていけること。
今日、スタッフの一人と亡くなったドクターの話をしていたら、
「二人とも健康でいてくださいよ~。絶対に・・。」と言ってくれました。
心に染み込ませて、がんばれる気力を感じました。
スタッフ、家族、両親、友達・・、すべてに感謝です。
eri.hosoda