月別アーカイブ: 2014年6月

気分を変えて

最近のニュース、殺人、セクハラ、嫌な話ばかりです。
身近でも、浮き立つ話はなく、あ~そうなんだ・・・と考え込んでしまうことばかり。
年齢的にそうなのでしょうが、友人と話す時も、親の介護のことや身近な人が病気になった話・・。
仕事中は、笑えることも多いし、家族に不幸があったわけでもなく、平穏な毎日なんですが、こう毎回毎回、ニュースやワイドショーが暗いと、不安になってきます。

歩道を歩いていても、車が突進してきて死んでしまう。
公園を歩いていても、ピックで襲い掛かられる。
現実なんです。

細田クリニックでお産されたママさんとスーパーで出会い、少し立ち話。
まさか、自分の周りには起こらない事件と思っていても、いつ、自分の目の前に起こるかわからないよね・・と、走り回る子供を眺めながら、お話ししました。

母親教室でいつも、命の重さ、大切さ、というお話をします。
生まれてきて、大きくなってきたら、みんなで守ってあげなくてはいけない、大切な大切な命。
なのに、命を物のように扱う人が増えている、今の日本。
スーパーにも、コンビニにも売ってないし、1億円払っても、命は買えない。
命の重さ、とよく言うけれど、命の重さは、秤では測れません。重量でない重さ。
それを教えなくてはいけない、親の役目は責任重大です。
生まれたとき、(いつか、道で殺されるかも・・)とか、(歩道で無謀な車にはねられるだろう・・)、なんて、誰も考えていません。
まさか、人の命を殺傷する卑劣な人間になるだろう、自らの命を絶つ人になるだろう、とも、思ってないはず。
何が幸せかわからないけれど、みんな、与えられた家族で与えられた生き方を想像して、過ごしているのです。
なんだか、嫌ですね。

笑って過ごしたい。

そう思いながら、インターネットを触っていると、ある動画を見つけました。
内容は、暗いかも。明るく喜びとは全くかけ離れていますが、歌の流れと、命の生かされている奇跡を感じ、ウルっときました。
ほんの6分ほどですが、お時間あるときに・・・。

eri.hosoda

おめでとう

最近、他の用事で、めっきり出産場面に立ち会わない私。
出産の怖さもたくさん知っているけれど、本当は、元気に生まれてきてくれた時のパパや上のお兄ちゃんお姉ちゃんの喜ばしい光景、表情が大好きです。
そして、スタッフがどんなご家族でもその中に入ってお産介助している光景も実は大好き。

その日、帝王切開の準備を手伝いに病棟にあがったところ、分娩室では、もう、数分後に生まれてこようとしている出産の場面。
分娩の介助をする助産師と赤ちゃん係りの看護師と院長、そして、ママを囲んでパパとお兄ちゃん。
日常にある光景です。
ママは汗をかきかき、必死でおなかの赤ちゃんを守って、いきんで、呼吸法をして、頑張っています。
上のお兄ちゃん、おもちゃの人形で遊びつつ、頑張ってるママが気になる様子。
ふっと「Mちゃん、頑張れ!フーフー」と椅子に乗って、ママに声掛け、一緒に呼吸法をやっています。
普段、ママのことを下の名前で呼ぶこともあるらしく、何度も「Mちゃん頑張れ~」と、椅子に登って、分娩台に寄りかかり、必死でママの顔の前に体を乗り出して、声かけています。
で、緊張もしていたのか、何度なく、「おしっこ!!」ドキドキしていたんだろうなぁ・・・。
パパもママの汗を拭いてあげたり、お茶をあげたり、いっしょにいきんであげたり・・・。
お兄ちゃんもパパも、「Mちゃん」と声かけるから、スタッフも、「Mちゃん頑張れぇ~もう少しぃ~」と、みんなが、応援。
ママも「もう無理~。でも、頑張るっ!」とすごく前向きで、しんどい合間にも、お兄ちゃんの手をさすり「ありがとね~」と声をかける優しさ。
そして、おなかの中の赤ちゃん、上手に降りてきてくれていました。
13時18分、みんなで「おめでとう」。思わず、拍手です。
お兄ちゃんとほぼ同じ出生体重で、元気よく生まれてきてくれました。妹ちゃんです。
その時のお兄ちゃん、お母さんの真横で、茫然と立ちすくんでいました。
おびえているわけでなく、ママから赤ちゃんが生まれてきた、実感をお兄ちゃんなりに子どもなりに、感じた一瞬だったのでしょう。
ポソっと一言、誰も聞こえないような小声で「出てきた・・・、生まれた・・・」と。
その通りです。パパとママとお兄ちゃんのところにやってきて来てくれたのです。
その時のパパ、さっきまで、たくましくママに声掛けして、キラキラしていた目から、ポロポロあふれる涙・・・。
ママの汗拭き用タオルは、パパの涙を拭くタオルになっていました。
お兄ちゃん、きっと、この光景を忘れることなく、パパとママを労わるやさしいお兄ちゃんになることでしょう。
しばらくすると、みんな、赤ちゃんに気が行くのを察して、ジェラシーたっぷりのお兄ちゃん。
それで、当たり前です。ほんの数分前までパパとママの愛情を100%受けていたのに、半分妹ちゃんにも分けてあげなくてはならないことをよくわかっているからです。
こんな、やさしいパパとママとお兄ちゃんだから、生まれてきてくれた妹ちゃんも、きっと、やさしい女の子になってくれることでしょう。
そんな、光景が想像できる、すてきなお産でした。
本当に本当に、パパ、ママ、お兄ちゃん、妹ちゃん、ありがとう。

追伸:もちろん、ママには、ここに記させていただくこと、了解済みです。
eri.hosoda