年別アーカイブ: 2005年

熱気

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クリニックは、開院の日に向かって内装・外構の最終の仕上げにかかっている。工事関係の皆さまのパワーで一気に完成度が高まってきた。


それに負けじと、私たちスタッフの意気も上がっている。それぞれのパートに分かれたスタッフが、チーム毎にフリールームの床に座り込んで頭を突きあわせて意見を交換し、一つの形にまとまりつつある。私が写真を撮っても微動だにしないみんなの姿は、鬼気迫るものがある。すさまじい集中力だ。連日このようなミーティングを重ねている。いいものを作ろうと思う気持ちが一つになっている。そしてその熱気に私は乗せられている。


                        Shu.Hosoda


 


 


 

秒読み段階

あとオープンまで2週間を切った。まだまだ建物の中は物がほとんどなく、
まだ、工事の音がどこからか聞こえてくるし、作業服の職人さんをあちこちで見かける。一瞬、間に合うかな・・と不安を感じる事もがあるが、今となれば、信頼した建設会社だし、惚れてお願いした設計士さんだし心配ないと確信している。
11月1日に初顔合わせをしていらい、スタッフは時間の許す限り集まって打ち合わせを行っている。
今は各業務手順や、患者様に説明する内容の統一など、まとめている。
すごいパワーである。


  クラーク・・・医療事務経験者を中心に、特訓中。私たちの知らない事務的な内容を自分たちのやってきた体験を参考に、今、細田クリニック用に仕上げてくれている。すごく手際がいい。
  ルームセクレタリー・・・クラークが外来の顔であるなら、ルームセクレタリーは病棟の顔。患者様の身の回りのケアー、クリニック内の環境整備をして頂く。全く未知の仕事であり、ゼロから立ち上げてくれている。オープンし入院患者様が来られてから、大きく活躍してくれそうだ。何と言っても笑顔が素敵だ。
  助産師・・・メインの仕事は分娩介助。今までの体験を元に細田クリニックのお産を院長と共にイメージしている。これからお産をされる方のお手伝いさせて頂くには打って付けのパワーの持ち主の面々。私も頼り切ってしまっている。
  看護師・・・外来や病棟で直接患者様に接してくれる。今、9人のパワーが1つのかたまりになって、最大限に発揮してくれている。院長や私の気づかない事をきれいに洗い出し整理してくれている。みんな知り合って数回しか会ってないのに、団結力はずっと前から細田クリニックのスタッフだったみたいだ。
そして
院長・・・時間の許す限り、助産師・看護師と床に座っていっしょに業務手順を考えたり、事務のメンバーといっしょにパソコンをながめている。家では私といっしょに山のような課題をこなしている。
患者様をお迎えする以上、どんな方にも満足して頂けるよう、今、突っ走るしかない。そんな突っ走る院長にスタッフがついてきてくれる事、「ありがたい!」のひと言だ。

チラシ

本日の新聞にチラシを入れさせて頂いた。
どれだけの反響があるのか、半信半疑。しかし、インターネットも見られず、建物も見た事ない方にどうやって知って頂こうか考えた最終案がチラシである。
正直私たちは、朝から忙しくて8時の時点でまだ今日新聞にチラシが入っている事を忘れていた。
朝8時頃、1つの電話が入った。50代くらいの方であろうか。
「チラシ見ました。細田クリニックの院長先生は市立病院におられた細田先生ですよね?」
「やっと居所がわかりました。やっとやっとみつけました。」
「是非行きます。よろしくお願いします。」
という内容で。
そこで、初めて私たちは新聞をあけチラシを見た。本当に入っていた。確かめて感動に浸っているのもつかの間。電話が次々かかってきた。
・・そちらのクリニックで仕事をやりたいのですが・・
・・10年前に先生にお世話になったんです。そちらのクリニックに行っていいですか?・・
・・更年期でも診てもらえますか?・・
などなど、20数件の電話をいただいた。
中にはお名前も名乗って頂けず
「先生に手術をしてもらった者です。チラシ見ました。がんばって下さいね。西京極のホームの看板も見ましたよ」
と激励だけのありがたいお電話も。
このブログにも、「チラシを見て・・」という方から早々にひとこと頂いた。
本当にありがたい。22年間主人が産婦人科医としてやってきた事が、間違ってなかったかな、と、思わせてもらえるお電話の数々。
うれしい。今日、激励の電話を頂けただけでも、これから先年間はがんばれる。そして、年後に、「先生のクリニックでまた診てもらいたいのですが・・」と言ってもらえれば、そこから今度は年間がんばれる。なぜなら、先生に診てもらいたい、と言うだけでなく先生のクリニックで診てもらいたい、と言ってもらえたら、中で働く看護師、助産師、クラーク、セクレタリー、みんなが評価してもらえた事である。
それはすごくすごくうれしい事である。

クリニックからお知らせです!

産婦人科 細田クリニック


 125日(月)


開院いたします!


12月3日(土)午前10時~午後5時まで、4日(日)午前10時~午後4時までクリニック内覧会をさせていただきます。当クリニック内をご自由に見て下さい。
スタッフ一同お待ち申し上げております。


                Shu.HosodaClinic staff

分娩室

昨日一ヶ月ぶりくらいに建物の中に入った。
驚いた。
あと、家具と医療機器を入れたら完成である。約一ヶ月で別の建物のように変わっていて、以前見た、配線むき出し、コンクリートの壁などはどこにも見えなかった。
初めて玄関から入り、外来、ナースステーション、新生児室、分娩室、各部屋と全部歩いて見せて頂いた。カメラを持って行ったのに撮る事を忘れてしまうほど夢中に見た。


主に分娩室の照明の調節に時間を費やした。
分娩室。
今までは無機質に機械や無影灯(天井から下がっている大きな手術用電気)があるのが、分娩室のイメージであったが、機械に囲まれてタイル張りの部屋で、産んで頂くより、許せる限り工夫をすることによって、視覚的に気分が楽になる分娩室はないものか・・・と。目に入る色や景色でお産が楽になるとか、痛みがましになるという保証ははないが、自然な暖かさ、落ち着きが少しでも感じて頂ければ幸いである、そんな分娩室にしたいと、考えていた。
そのために、照明デザイナーの先生にすべての照明に関してお願いした。
LED。分娩室は絶対使用したかった。それを1番に考えていた。LEDは目にやさしい。蛍光灯には目には感じない程度のちらつきや紫外線があるらしいが、LEDには全くないらしい。よって、疲労のまっただ中にいる産婦様はもちろん、はじめて、この世の光を感じる赤ちゃんにとっては絶対いいと思う。
色。35万種類の色相と明度と彩度を組み合わせ、その人にあった色を選べる。ほんのりとしたグリーン、フワーとした薄いピンクなど、思わず口を開けて天井を眺めてしまった。
きっと、お産をして、あとで振り返ったら、その時何色だったかはおそらく記憶には残らないと思う。でも、それだけ自然であったという事である。何気ない色が何気なく自然に目に入ってきている、それが一番である。
分娩室に入ってこられたら、まず、副交感神経を刺激してリラックスして頂ける色、今までいたお部屋や陣痛室と同じ暖色系の色、そうすれば、自然で、緊張感がなく分娩を迎えられるのではないか。これは、ふっと浮かんだ1つの案である。
それから、LEDは電球切れが20~30年ないそうだ。蛍光灯は家庭でもそうであるがある程度で寿命があり、ある日突然チカチカして切れてしまう。あのチカチカする不愉快がなくなり、何よりも男一人の院長の電球を変えるという仕事が一つ減るわけだ。高所恐怖症の院長にとってはしごを登る必要がなくなった。

ちなみに、その光を放つ分娩室の壁はすべて木調である。

12月3日4日(土・日)の内覧会に自由に来ていただき是非みな様の目で確かめていただきたい。