細田クリニックのひとりごと

分娩室

昨日一ヶ月ぶりくらいに建物の中に入った。
驚いた。
あと、家具と医療機器を入れたら完成である。約一ヶ月で別の建物のように変わっていて、以前見た、配線むき出し、コンクリートの壁などはどこにも見えなかった。
初めて玄関から入り、外来、ナースステーション、新生児室、分娩室、各部屋と全部歩いて見せて頂いた。カメラを持って行ったのに撮る事を忘れてしまうほど夢中に見た。


主に分娩室の照明の調節に時間を費やした。
分娩室。
今までは無機質に機械や無影灯(天井から下がっている大きな手術用電気)があるのが、分娩室のイメージであったが、機械に囲まれてタイル張りの部屋で、産んで頂くより、許せる限り工夫をすることによって、視覚的に気分が楽になる分娩室はないものか・・・と。目に入る色や景色でお産が楽になるとか、痛みがましになるという保証ははないが、自然な暖かさ、落ち着きが少しでも感じて頂ければ幸いである、そんな分娩室にしたいと、考えていた。
そのために、照明デザイナーの先生にすべての照明に関してお願いした。
LED。分娩室は絶対使用したかった。それを1番に考えていた。LEDは目にやさしい。蛍光灯には目には感じない程度のちらつきや紫外線があるらしいが、LEDには全くないらしい。よって、疲労のまっただ中にいる産婦様はもちろん、はじめて、この世の光を感じる赤ちゃんにとっては絶対いいと思う。
色。35万種類の色相と明度と彩度を組み合わせ、その人にあった色を選べる。ほんのりとしたグリーン、フワーとした薄いピンクなど、思わず口を開けて天井を眺めてしまった。
きっと、お産をして、あとで振り返ったら、その時何色だったかはおそらく記憶には残らないと思う。でも、それだけ自然であったという事である。何気ない色が何気なく自然に目に入ってきている、それが一番である。
分娩室に入ってこられたら、まず、副交感神経を刺激してリラックスして頂ける色、今までいたお部屋や陣痛室と同じ暖色系の色、そうすれば、自然で、緊張感がなく分娩を迎えられるのではないか。これは、ふっと浮かんだ1つの案である。
それから、LEDは電球切れが20~30年ないそうだ。蛍光灯は家庭でもそうであるがある程度で寿命があり、ある日突然チカチカして切れてしまう。あのチカチカする不愉快がなくなり、何よりも男一人の院長の電球を変えるという仕事が一つ減るわけだ。高所恐怖症の院長にとってはしごを登る必要がなくなった。

ちなみに、その光を放つ分娩室の壁はすべて木調である。

12月3日4日(土・日)の内覧会に自由に来ていただき是非みな様の目で確かめていただきたい。