この顕微鏡、3月19日に破棄しました。
それが、どうしたの?って感じですが、2011年4月7日のブログを見て下さい。
30年ほど使用していた聴診器が引退しました。そして、捨てようとしてスタッフに引き止められて、今でも、ロッカーの中のオブジェです。
さて、この顕微鏡・・。
実は、院長の学生の時に購入した物。何と物持ちが良いこと・・。
現在の大学生は、入学と同時にパソコンを購入することが、学校との連絡や、就活に使用するため、半強制的になっているようです。それと同じ感覚か、院長が医学部に入学と同時に、パソコンではなく、この顕微鏡を購入させられたとか・・。
その顕微鏡、先週まで、ずっと診察場で活躍していました。
これ、見覚えのある患者さまもいらっしゃるでしょう。
不妊治療の方は、ご夫婦でこの顕微鏡を何度も覗かれたことでしょう。
先週、前触れもなく全く使えなくなり、修理依頼するも、部品が20年前に製造中止になっているほど古い型らしく、破棄することになってしまいました。
よく何十年も活躍できたことでしょう。残念だけど、寿命か・・としみじみ眺めていました。
そうは、思いましたが、役に立たないなら、場所をとるだけだし、業者さんに
「破棄するので、持って帰って下さい」と即言ってしまった私・・。
すかさず、その場にいたスタッフが、
「え~、記念やん・・。置いておけないんなら、せめて写真でも撮っておいたら?」と提案を出してくれました。
そうですよね・・・・・・・。聴診器の時もそうでした(2011.4.7ブログ)。
何十年使った愛着あるものだし、院長だけでなく、患者さまそしてそのご主人がこの顕微鏡を覗き、喜んだり望みを託したり、1つの妊娠に一役かった顕微鏡・・。
記念に写真を撮り、ご苦労様の気持ちで業者さんに引き取ってもらいました。
近日中に新しい顕微鏡を購入予定。今度の顕微鏡は、先代顕微鏡ほど院長に使ってもらえないはず・・です。
(院長の今の年齢に、足し算すると・・)
でも、新しい顕微鏡もたくさんの妊娠に到る一過程で活躍することでしょう。
先代顕微鏡、ありがとう。
写真の提案してくれたスタッフ&業者さん、ありがとう。
eri.hosoda
年別アーカイブ: 2012年
3月11日
昨日の、11日はあの震災から1年。
1年って、なんと早いことでしょうか。
想像もしないことが起こる!という恐怖を覚えた日から、あっという間に過ぎてきた1年でした。
だんだん、過去になってしまうことは、事実ですが、震災に合われた方は、元の生活に戻るため、現在進行形な日々を過ごしておられることでしょう。
昨日のテレビや新聞で、ズッシリと感じました。
そして、東京直下型の地震が起こる、とか、富士山が爆発するとか、東南海地震が起こる、とか、いろんな想定がされていますが、想定以上なことが起こるかもしれないのが、自然の脅威かもしれません。
京都市内に津波は来ないだろう・・。
そう日々、思っていますが、東北の方も、まさか、あの防波堤は超えないだろう、まさか、海岸から1キロ内陸には津波は来ないだろう、まさか、3階以上の高さには来ないだろう、そう思っておられたに違いありません。
その、「まさか」に備えて気持ちの訓練も必要なことかもしれません。
今日も1日、無事過ごせた、生きられた、と思うこと、大げさかもしれないし、宗教っぽいかもしれませんが、改めて感じてみるのも大切なことでしょう。
さて、昨日は京都マラソン当日。
クリニックの周囲が通行止めになってしまう、という現状でしたが、その間、緊急を要する患者さまがなかったことに、とりあえず安堵しました。
院長はじめ、昨日のスタッフは、記念すべき第1回をクリニックからしっかり見守りました。
院長と私は、知り合いの先生が出場する、とのことで玄関の前の五条通りで観戦。
スタート直前の、車もバイクも1台も通らない一瞬静寂な五条通り、
そして、
スタート直後なので、1万5千人の集団が途切れることなく押し迫ってくる五条通り、
圧倒されながらも、知り合いの先生を探すこと数分。
「赤い服着て走るしね」と聞いていましたが、赤い服装の人、多すぎて・・。
だんだん、どの人も同じ姿に見え、五条通り四車線全部見れず、クラクラしてきた頃、その知り合いの先生を発見。
ハイタッチで歓喜の声(応援です!)を上げてしまいました。
その直後、渋い顔で目の前を走る「石原良純さん」を発見!
本人を目の前に「あ!!石原良純や!」と呼び捨てで指さして叫んでしまいました。ごめんなさい・・です。
今日の朝まで、よく似た人だったのかな?と思っていましたが、けさのニュース番組で「昨日、京都路を走ってきました」と石原良純さん本人がおっしゃっていたので確信を持ちました。
そんな3月11日、来年も訪れる3月11日。
復興が少しでも進みますように願います。
そして、京都で平穏に過ごす日々ですが、1回でも多く、「今」に感謝できるように、大人な生き方をしなくてはいけませんね・・私。
eri.hosoda
主婦話
先日、同い年のスタッフとしみじみ語りました。
寒い夜診の、ちょっと空いた時間に。
話の発端は、今、分娩予定日が決まろうとしている方は、10月の半ばです。
10月13日とか、10日とか。
時間が早く回っているのが、ヒシヒシと伝わってきます。
10月の半ばと言えば、春を過ぎて、さらに、この暑さ、異常~!!と叫びそうな(いや、叫んでます)真夏を超えて、長袖に何か羽織りたくなる季節を迎える頃の予定日です。
月日の流れるの早いね・・
ってところから
年をとりたくないよな・・
自分、どんな年寄りになっていくんだろう・・
ある意味怖いね・・
だって、誰だって痴呆になりたくないし・・
誰だって、目も耳もちゃんとしていたいし・・
誰だって、やさしい好かれるおばあちゃんでいたいし・・
でも、自分の意思とは関係なく、年老いていく・・
子ども達も、どういう大人になっているのか・・
きちんとした大人になってくれているのだろうか・・
家庭をもっているだろうか・・
親に頼りっきり、も困るし、知らん顔されても悲しいし・・
やだやだ・・
と、語ってしまいました。
こんな話し、数年前まで実感ありませんでした。
母が私の年くらいに、近所のおばちゃんとこのような話しているのを小耳に聞くと
年よりくさ~なんて、他人事に思ってました。
でも、この年齢になると、1年の早さを目の当たりに感じ、しみじみ先の事を考えてします。
考えても仕方ないことですよね。
みんな平等に課せられていることです。
不安や怖さもあるけど、考えても、仕方ないなら、新しいことに常にチャレンジし、若い人たちと話すことを好んで(若者は嫌かも・・)、いろんな考えを持ついろんな人と会話し、かつ、自分が歩んでいく年齢の方々ともたくさん話して、そんな毎日を過ごしていきたいと思います。
そういう環境が与えられていることは、すごく幸せです。
職場も家庭も、友人も。
今の年齢は、自分の考え方、やり方に疑問を感じることもしょっちゅう、
将来のことを考えると不安は山のように尽きず、
ふと孤独を感じて泣きたくなることも時々、
乗り超えなければいけない壁は数えきれないほど、
でも、楽しいこと、うれしいこと、やったーと思うことの方が断然多い毎日です。
自分の気持ちに正直に、日々過ごしていこう、
と、主婦話をしたあと、自転車を立ち漕ぎしながらの急ぐ帰宅途中、頭の中では冷静に思いました。
eri.hosoda
Valentine Day
今日は、誰もが認識OK、バレンタインデー。
今の時代、義理チョコだけでなく、「友チョコやファミチョコ」なんて言葉のほうが行き交っている気がします。
娘が、小さい頃は、友チョコを前夜に作って、大きいタッパに詰めて持って行き、帰宅後は、そのタッパに何種類ものチョコをもらって帰ってきたものです。
息子は、というと、言うにも及ばず、母チョコのみ、という寂しいバレンタインが何年間継続中。
今年は、いや、今年も、その・・母チョコのみ・・が更新される様子。
院長は、今日のお昼休憩中にスタッフ一同からいただきました。
クリニックの一番若いスタッフが選んできてくれました。
食べるのがもったいない、スーパーボールみたいな、きれいなチョコでした。
毎年、ショーウインドーでしか見ることの出来ない、きれいなチョコをいただきます。
もちろん、私にじゃなくて、院長に!ですよ。
チョコだけでなく、スタッフの一言がうれしいです。
「いつも、お疲れ様です!」
その一言は、チョコ100粒くらいの甘さのある、癒される言葉です。
ありがたいことですね。
いただいたチョコは、夜診が終わって、自宅でさんざん眺めて、子供に自慢して、もう一度、私に自慢して、それから、丁寧に味わいながらいただくわけです。そのあと、私の口にもおすそ分けしてもらいま~す。
eri.hosoda
京都マラソン
3月11日、日曜日、京都マラソンが行われます。
東京マラソンや、大阪マラソンは、実施されていましたが、京都は初の試み。
クリニックの前にある西京極運動公園から、15000人のランナーが京都路を目指し、スタートです。
ぜひとも、成功してほしいし、芸能人も参加する!という話題もあるし、楽しみです。
しかし・・・
駅伝とは違って、150000人のランナーが集団でスタートするわけであって・・。
想定するに、クリニックの前も、1時間~1時間半は通行規制がかかるはず。
しかも、西京極運動公園~葛野大路を上り、さらに四条~梅津・・と、横断することができません。
その1時間半、八方ふさがり状態です。
院長はじめ、私もスタッフも、その時間帯に何かあったらどうするの??
横断禁止なら、その時間帯にその向こうに住んでおられる患者さん、妊婦さんに何かあったらどうして、クリニックに来てもらうの??
と、疑問、不安が生じました。
陣痛がきて、1時間でお産になる方もいらっしゃいます。
出血がとまらない!という症状が起こるかもしれません。
そこで、京都市のマラソン実行委員会の方に聞きました。
「いや・・その時間帯だけは避けてください。待ってもらうか、早めに来てもらうか・・。そのときに来る患者さん、何人くらいいらっしゃいますか?」
これが、1番最初の答えでした。
驚きです。軽い答えで、泣きそうでした。
「その1時間に誰が、どんな症状で来られるか、わかっていれば、私たちも対処はできます。不安も困ることもありません。極端な話し、細田に来られている患者さん全員がその1時間に何が起こるかわかりません。その1時間どういう対応をしたらいいのか、教えてください。」
そう、問いただしたのが、去年の夏です。
それから、半年。
京都市に聞いても聞いても、命優先の対応の答えが返ってきませんでした。
やっと、今日、二人の京都市の方が来られました。
内容は、迂回路の説明です。
(注*迂回路を知りたい方は、外来に張り出しておきます。)
それ以上の発展、名案は、ありませんでした。
「もし、普段なら10分で来院できるところに住んでいるのに、迂回し、30分、時間がかかった。
それで、重篤になった・・というときには、京都市として対応していただけますか?」
というこちらの質問に「対応します」と言っていただけました。
それでも、命がかかっていること。対応してもらえればそれで済む問題でもないし、もっと、いい最善策がほしかったのは本音です。
おそらく、その通行止めの1時間半ほどの間に、一刻を争うことが起こる確率は、ごくごくわずかだと思います。
過去の事例から考えても、ほとんどの方は、迂回路で間に合うし、「1時間後に落ち着いてから、診察しましょう・・」で、可能な方です。
しかし、一刻を争う!という方が、ゼロではない。
ゼロでない以上、患者さんも私たちも、不安になる・・。
この気持ち、実行委員の方に、どこまでわかってもらえたのか・・と思うとともに、3月11日当日朝の7時55分から9時25分の間に、一刻を争うことが起こりませんように・・と祈るのみです。
話し合いの中で
「もし、ご家族がクリニックの目の前、5分でクリニックに来られるところに住んでいながら、ちょうどマラソンスタートのときに、迂回して30分かけてクリニックに来られて、そして、結果、車でお産になった、死産になった、重篤になった。そしたら、どうします?」
と聞きました。
「・・・・・・・・・」
京都市の方は、無言でした。
なら、対策をもっと早くに考えて、あらゆる決まりを想定して、それから、マラソン大会の告示をしてほしかったです。
市役所に帰って、「細田クリニック、うるさいおばさん(←私のこと)やった・・」と思っておられるかもしれません。
実際、こんな質問疑問をこちらから聞いたのは、細田クリニックの私だけだそうです。私が質問したそのあと、京都市の方から、病院回りをされて、そこで、言われたことはある、とのことでした。
でも、私の中で、必死に、問うても、「もう安心!」という言葉が、よぎってこないのです。
もちろん、一生懸命対応してくださっていることも承知しているし、マラソン大会も成功して欲しいのは、強く願っています。それは、言うまでもありません。
しかし、先にも書いたように、「無事にその時間が過ぎますように・・。」
今は、それしかできないことに、不安が残っています。
eri.hosoda