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癌検診

婦人科の癌検診は行きにくいもの。
内診台を知っていらっしゃる方は、内診台に上がるのが嫌でついつい行くことをためらってしまう。
でも、ほんの1分ほどのこと。癌検診そのものは、極端な表現をすれば、30秒もかからない。
それで、子宮癌の早期発見ができるのだ。
今の時代、癌は早期発見で命を救うことができる。治療がうまくいけば、完治も望める。
幸い、というか、いい風に考えたら、子宮は外からでも見える臓器で、直接目で見て直接細胞の検診ができるのだ。出血という症状もすぐに確認できる。もちろん自分でも自覚できる。
一番、早期発見できるのではないかなあと思う。
他のからだの検診も、積極的に受けて欲しい。
職場の検診、人間ドック、ほんのちょっとした検診で、全く自覚症状がない段階で発見されれば本当にラッキーである。
外来には毎日何人もの癌検診希望の方がこられる。
全く自覚がないが、1年に1回検診を受けると決めておられる方、
気になる出血があって・・・という方、
30歳の方、50歳の方、
親子で来られている方、ご近所さんと一緒に来られている方、
さまざまである。
どんな形でもいい。うちのクリニックは産婦人科だから、子宮と卵巣しか診察できないが、せめて、このブログを見られて、1回も婦人科の癌検診を受けておられない方、人間ドックを受けたことのない方、行きやすいところで検診を受けて欲しいと思う。
なぜ、癌検診のことを思ったか・・・。
それは、2年前の5月、親友だった友人を癌で亡くした。癌についてたくさん話したことを思い出す。
その彼女は
「健康が何より一番幸せなんやな」と言っていた。
彼女の命日を思うと、健康でいなければ、と思う。
そのひとつに、癌検診。
彼女もそう思っているだろう。
                       eri.hosoda




ゴールデンウイーク

今日のニュースは、トップに、高速道路の渋滞や出国ラッシュ・帰国ラッシュの成田空港や関西空港が出てきていた。
私は、なんで、こんなに渋滞の中、移動するのかな?とか、一番旅行代金が高い連休に海外旅行いくのかな?とテレビに向かって投げかけている。
私たちは、遠出しようとは全く考えもしていない。せっかくのリフレッシュなのに渋滞もいやだ。それに、お産は365日あるわけだし、救急の患者様も来られる。すぐクリニックに向かえる範囲の行動になる。
でも、有効に使いたかった。
そこで、以前友人から聞いていたのだが、桂川に沿って、自転車歩道があることを思い出し、行ってみることにした。
自転車なら、クリニックから呼び出しがあっても、渋滞を気にすることなく数分で駆けつけることができる。
目標、渡月橋。20分でたどり着いた。
行く道中、河原では若者や家族連れがバーベキューをしている。いい匂いを横に二人で「来年バーベキューしようか」
ちょっとした広場では、バトミントンやテニスをするファミリー。「今度テニスしようか」
カップルや熟年夫婦がシートをひいてお弁当を広げている。「秋にこようか」
桂川沿いの住宅街は大きな立派なおしゃれな家がたくさんある。「こんなお家いいなあ」さすがに、「今度こんなお家建てようか」とは口に出来なかった。
そんな、たわいもない話をしながら、渡月橋に着いた。
そこは、さすがに観光地の極めつけ。人、人、人、人・・・・・・・・。
渡月橋が重さで落ちるのではないか?と思うくらいすごい人。
観光気分に浸れてうれしかった。何年かぶりに、大の大人がソフトクリームを食べて帰ってきた。
子供たちは、クラブだの、友達と遊ぶだの、自分たちの世界が広がってきていて、連休だからと言って、親についてくる年ではなくなってきた。
でも、クリニックでは家族が増える喜びがあり、二人の生活から三人へ、三人から四人へ、膨らんでいく。
でも、自分もそうであったように、子供はいつか今の家族以外の世界を大切にしていく。それは、うれしいことだし、当たり前であろう。
だから、思った。
子供は親離れしていく。でも、妻は夫離れは出来ない。だから、ずっと二人で仲良く?出かけられるよう今からはもっと楽しく過ごそう。
ん?誤解されないように・・・・。今も充分楽しく過ごしている。
                     eri.hosoda




桜の次に・・・

クリニックの南東の角を見られた方ありますか?
私も最近気づいた。
出勤は、いつも、建物の北西から入り、帰宅も南西からするパターン。
南東の角を目にすることはほとんどない。
そこには、それはそれは見事な「しゃくなげ」の花が咲いている。
つい最近まで、濃いみどりの葉だけが、腰より低い位置に生い茂っているイメージで、そこに立っても、天神川の桜を眺めることが普通だった。
それがだ。1週間ほど前から、見事なしゃくなげが満開に咲いていた。
数日前、受付のスタッフが、びっくりしたそうだ。
年配の男の方が、急にクリニックの中に入って来られ、『すいません、ちょっと聞いていいかな。前に咲いてる花はなんですか?』と聞かれたそうだ。
『シャクナゲです』と答えると、うれしそうに納得して帰っていかれたそうだ。
そういえば、他にも、5、60代のご夫婦が散歩の雰囲気で歩いておられたのに、急にクリニックの方を見て、カメラを出してシャクナゲを撮っておられるのを見た、という話しも思い出した。
私も建物の外に出て「シャクナゲ」を見た。
シャクナゲって、こんなに大きかったんだ。こんなにダイナミックって感じるんだ。
はっきり言って、初めてシャクナゲを眺めたのかもしれない。
そんな、感動にひたる私の横に、信号待ちの自転車が止まり、後ろに乗ってる幼稚園帰りの女の子がこう言った。
「ここの桜、大きいよ。○○ちゃんでも届きそう~」
そういいながら、手を伸ばして話していた。
毎日天神川を通ると、あんな小さな幼稚園児でも、このシャクナゲに目がいったんだな、と思った。本人は花イコール桜、と思っているのであろうが(笑)・・・・。
ささやかだけど、目から感動をもらえて、さらに、全くクリニックに関係のない人にも感動してもらえるなんて、すごいことだ。
シャープな建物とは正反対の華やかなシャクナゲ。
ミスマッチがすごくマッチする、なんとも不思議な光景だ。
                              eri.hosoda








年の差

数日前、スタッフの一人が誕生日を迎えた。
「ね~いくつになったの?」
何気なく、軽く聞いてみた。
「23です~」
すんなり、何のためらいもなく、満面の笑顔で答えてくれた。
23才か・・・・・・・・・。はあ~、懐かしい年頃だ。
いっしょにいた、もう一人のスタッフは
「若いですよね。だって、彼女は、阪神大震災のとき、まだ小学生だったんですよ。私なんて、もう、高校生でしたよ。」
と言った。
さらに、ショックであった。私は、もう、バリバリ社会人だった。
こんなに、年の差があるのに、いっしょに働いている。
彼女たちは、なんと思っているかはわからないが、私はこんな若い人たちと働けることがすごくうれしい。というか、あまり、年を意識していない。
年令が違うと、考え方が違うし、物の見方も違ってくる。
でも、無理して合わせようとしてはいないし、自然に会話している。
若い人たちに教えてもらうこともたくさんある。
それに、若いっていいなあ、と感じることも多々ある。
第一に体力。今じゃ徹夜すれば、顔や肌に出るし、機嫌も悪くなる。立ってることすらできなくなる。
20台前半のときは、徹夜で次の日も仕事に、夜も予定が・・・という日もあった。
眠くても、それができた時代だった。
若い時代を大切にいろんな経験をしてほしい。
仕事も、いろんな遊びも、たくさんの恋愛も、いろいろな旅行も・・・・・。
何年かして、23才の彼女も、私の年令になったとき、
「私の誕生日にこんな話をしたなあ、やっぱり、あの頃は、若かったな。」
と思い出してくれるだろう。そして、今日、生まれたばかりの赤ちゃんが大人になった姿を前に、彼女は、同じように、話をするのだろう。
ん??・・・?
今日、生まれた赤ちゃんが今の私の年になったときは、私はもう、おばあさんどころか、この世にいない人だろう。
そのとき、クリニックはどういう形になっているだろうか。
まったく、未知の世界だけど、いい形で残っているよう期待するために、今いっしょにいる若い世代の仲間を大切にしよう。
そのためにも、いい、おばちゃん(すでに、おばちゃん?)、いい、おばあちゃんになる努力をしよう。           eri.hosoda

二人四脚

今日は日曜日。
朝から、晴天で自転車でどこかに行きたい気分になる日だった。
日曜日の朝も、主人は院長である。入院患者様がおられたら朝にクリニックへ顔を出す。
私は、仕事でなかったら、日曜の朝だけはゆっくり布団で過ごす。子供たちも公認で、朝から用事があっても、日曜日の朝だけは私を起こすことなく寝かせてくれる。
いつも主人がお昼前に帰って来るから、今日も帰ってくる前に掃除や家事をやっておこうとがんばっていた。最近、掃除も適当だったし、布団も干してないし・・・。
昼からは、大きいものをまとめ買いをするため主人と出かけようと家のドアを1歩出たところにクリニックからの呼び出しコール。
二人でクリニックへ。
そして、緊急の帝王切開で、元気な赤ちゃんの誕生。
その後、2つの緊急処置。
気づけば、日も暮れて、時計は8時になっていた。
夕飯を済ませて、また、主人はクリニックへ。
私は、明日のお弁当の用意、洗濯物の片付け、昼間に散らかったリビングの掃除、そこまで主婦。そして、スタッフのみんなのお給料や諸手続きの事務作業、そこからは家でできるクリニックの仕事。
本当に慌ただしい。今、気づいた。今日は化粧もしてなかったって。
でも、どんなに忙しくても、「嫌だな」と思わない。
もちろん、人間の体だから、疲れてきたら、「あ~疲れた・・」とは口にはする。
疲れたと、嫌だ、とは違う。
忙しいのは、わかっていて開業したことだし、開業したからには、元気な赤ちゃんが生まれてくれることが一番の願いだ。24時間365日産婦人科だ。
他の処置も、無事に終わって欲しい。
今日、主人にポロッと聞いてみた。
「私が助産師じゃなかったら、こんなに忙しくても今日は私は家にいたやろね。」
と。そしたら、
「普通の主婦やったら、新規開業してなかったやろな。」
と、言った。
そうか・・・・。開業することは夫婦二人三脚であることは、どこの開業医さんもいっしょであろうが、うちは、産婦人科医と助産師、男の見方と女の見方ができる。つまり、二人四脚でフル活動できるんだと思った。
二人で片足ずつ結んでいたら、3本足。手だけつないで、4本足でがんばったら、足をくくって走るより、早く走れる。幅広く走れる。
二人三脚だったら、一人こけたら、二人ともこける。手だけつないで、4本足でがんばったら、一人こけてももう一人が起こしてあげることができる。(うちは、私ばかりがずっこけて、もっぱら主人が起こし役だが)
二人四脚、その方が、長くがんばれるし、楽しいと思う。
それが、細田クリニックの院長と私だ。
                            eri.hosoda