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秋の夜

一昨日の夜中、3時過ぎにお産の方が見えた。自宅で布団の中だったわけで、いつものように出動、自転車でぶっ飛ばしてクリニックに来た。
なんと、外は寒かった。
数日前まで、夜中に出動するときは、昼間の暑さを忘れるほどの心地よさ程度。
今年は、まだ、夜中に汗をかきながら自転車をこいだ記憶がないにしても、
それでも、夏は夏。正味2~3分ほどでも自転車をかっとばすと、じんわり汗は出てくる。
しかし、一昨日の夜は、半袖で出てきたことを後悔。
涼しいを越えて、寒かった。ブルブルときた。
確実に、秋。時間が経っているのをまさに、肌で感じた。

クリニックに到着。来られた産婦さまは初産婦さん。3時入院。あっという間にお産。「陣痛がきました」という電話をもらい、来院。30分で、出産された超スピード出産。分娩後2時間の観察を終えても、まだ、6時前だった。
外は、すでに明るく、いったん自宅に帰る私の目はまぶしく感じる。夜勤などをされている方は経験あると思うけれども、朝の日差しは、普段よりまぶしく感じるもの。不思議なまぶしさだ。
6時に帰宅後、しばらくベッドに入ろうか、とも考えたけれども、先にお弁当を入れた。いつもなら、学校に行く直前に入れたほうが少しでも食中毒を心配しなくていい・・と思っている。でも、この涼しさなら、6時過ぎにお弁当を詰めて、テーブルに置いておいても充分安心。
お弁当を入れるだけで、またまた、秋を感じたわけだ。
そういえば、学校に持っていく水筒。夏には、1リットルの水筒満タンだけでは、「お茶が足らない」とか、「キンキンに冷たくしといて・・」と言っていたが、最近、その水筒にもお茶が少し残っている。こんなとこにも秋が重なる。もうすぐ、あったかいお茶が恋しくなるのか・・。

そして、ポストには、年賀状の購入申し込み用紙が入っていた。
つい、数日前まで残暑見舞いが入っていたのに、ちょっと、早すぎるんじゃない!!と、たまげてしまった。
秋の気配をゆっくり感じている間に、気付いたら天気予報で雪だるまの絵をみるのだろうか・・。
そういえば、外来には5月出産予定日の方が来られている。
一つひとつびっくりしながら、こうして、年をとっていくのだろう・・。毎年、同じことを感じながら。
eri.hosoda




 

新調しました

ソファー先週末の22日、23日の両日にかけて、外来のソファーの張替えを行った。
クリニックに来られた方はご存知かと思うけれども、待合の突き当たりの壁に備え付け型のソファー。
ベージュとアイボリーの中間色の布張りソファーだったのだが、ちょうどお尻に当たる部分がうっすら汚れ、かつ、ケツ圧?で薄くなっていた。全体的にもなんとなく薄汚れてきたような。
毎日の中で、動きのない家具は変化に気付きにくい。殺菌、清掃怠りなくやってもらっているのだけれども、どうも、大きな汚れも目に付くようになってきた。
張り替えるには、もちろん、大変な労力、時間、コストがかかるわけだが、土日にかけて業者さんの工場へ運び出し、張り替えることを決意。運ぶことすら、備え付けのソファーは大仕事だ。
運びだされるためにトラックの荷台に積まれた古いソファーを偶然3階から覗いた。太陽のサンサンとした光をあびて、汚れがすごく強調されてみえた。
こんなに汚れてたんだ・・とつくづく驚いた。張替えを後悔しなかった。

外来の壁付けソファーは、毎日、外来の患者さまが座って順番を待たれるメインのところ。ざっと計算してみたら、外来患者さまののべ数だけで5万5千人以上の方がそのソファーに座っておられる。いや、その患者さまの家族や入院患者さまの家族の方などなどを含めたら、7万人、8万人、それ以上の方のお尻がそこに当てられたわけになる。
昨日の夜、きれいになったソファーがはめ込まれた。
見違えた。
今はこんなにきれいだけれど、また、3年後リフォームしなくてはいけないように、たくさんの方のお尻を支えてくれることだろう。

追記*手前の4つのソファー・クッションも衣装替えしている。


eri.hosoda

大文字

今日は、京都の行事、大文字の送り火。
北山に住んでたころは、偶然にも、「鳥居」以外全部見渡せた。
右京区に引っ越してからは、一度も見ていない。
今年は、主人の母の初盆。きっと、この数日は、うちのお仏壇に帰ってきていて、今日、送り火とともに、また、浄土に戻っていくのかな・・と思ったりして。
今、産科の中にいると、命の誕生がメインになる。(もちろん、おめでとう、それだけではないが)
大病院での産科は、産科だけではなく、産科に婦人科が付く。
婦人科の方の中には、最後を迎えられることも時折あった。
その方々のお顔、お名前は、覚えているものである。もう、10年以上前の方でも、その頃のお顔が浮かぶ。
今お会いしたら、「あんた、年取ったわね・・」と言われそう。
ちょっとは「成長したね」と言ってほしいが、みなさん、今の私を見たら、そうは言れないだろうな・・と想像する。
考えてみたら、助産師になってから今までの年数と生まれてから助産師になるまでの年数が全くいっしょ。
生まれてからの年数は日々成長したと思う。体も心も。
でも、同じ年数を助産師として生きているけれど、成長は目に見えてないかも、と自己反省。
主人も、医師になってから今までの年数と生まれてから医師になるまでの年数が全くいっしょ。
(注*もちろん、二人は年数は違いますが・・。)
そんな、振り返りをしてみた今日の16日。
送り火とは関係ないけど、医師・助産師として人生の半々を生きていたことも何か反省や振り返りをしなさいという諭しかも・・・と思ったり。
送り火は見えないこの家から、送り火をおがみ、母だけでなく、今までクリニックでも、流れてしまった小さな小さな命の分も母に浄土へ連れて行ってもらおう・・なんて勝手なお願いもしてみたり。
eri.hosoda

手前味噌

今日の妊婦健診で、驚く傾向を目にした。
驚くという表現の喜びでもあり、ありがたいこと。
それは、今日の午前の外来予約人数表を見て、妊婦健診の予約者は17人。
他の日より、少なめだな~と思い、「今日は妊婦さん少ないね」と話していると、
受付のスタッフが、「でもね、見てください。知ってる名前ばかりでしょ。17人中13人経産婦さんで、10人が一人めさんをうちでお産された方ですよ。」と教えてくれた。
もう一度今日の外来予約表を見返してみると、「〇〇××子さん、知ってる知ってる。△△さん、知ってる、まだ1年ほど前にお産されたんじゃない?〇△さん、えーと、あっあっ思い出した!!えっ、△〇△さんも妊娠されてたんだ!!」と、次々に顔を思い出した。
一度来て頂いた方に、また、選んでいただけることは、すごくうれしく、光栄だ。
何か2回目だと、特典あるわけでもない(ごめんなさい)し、エステやヨガなど、産科以外のイベントもやっていない。
それでも、また、細田で産んでみよう!細田の外来に通って見よう!と思ってもらえることは、感謝しなくてはならない。日ごろのスタッフの自然な接し方、何を意識しているわけではなく命を扱うプロとして当たり前の姿が、きっと、次も細田にしよう、と思ってもらえたんではないかな・・と自慢できる。こういうのを手前味噌というのかも。

そういえば・・
昨日、オープニング以来お世話になっている某会社の担当者の方とお話した。その方に、「僕はいくつか産婦人科でお仕事させてもらっていますが、細田さんが一番きれいに使っておられますよ。お世辞でもなく、本当に。消耗するところは仕方ないですが、全体の雰囲気がきれいですよ。」とほめて頂いた。
毎日クリニックの中にいると、最初の新品さが無くなっているから、古くなったな~と感じてしまうけれども、古い=汚いわけではない。大切に大切に使っていこう、と改めて感じた。大切に扱ってくれているスタッフ、特に環境整備の一切を担ってくれているルームセクレタリーに感謝感謝だ。またまた手前味噌?!

外来での、うれしい発見のあった7月31日。
夏休みで子連れの患者さまが多く、待合室はにぎやかな雰囲気だった今日。
最近は自ら帰り際に「シールください」と院長に申告してくる頼もしいちびっ子も続出。
そんなちびっ子が来てくれる事も、「よかったな」と思えるありがたさだ。
                             eri.hosoda





 

ことば

梅雨が明けたのか、まだなのか・・
年々暑さが堪えるようになってきた。

ある日の買い物のできごと。
コロッケを買う列の後ろで、聞いていた話。
Aさん:すごく上品などこかの奥様~という感じの方。
店員さん:今風の若い女の子。
Aさん「あの、このコロッケを3個ほどいただけますか?」
店員さん「3個でいいですか?」
Aさん「はい、それくらいでいいです。すいません。少なくて。ほんの3~4個でいいんです。」
店員さん「4つですか?3つですか?」
Aさん「4つでもかまいません。申し訳ありません。」
店員さん「では、4つ入れておきますね。」
Aさん「よろしくお願いします。本当に少なくてすいません。」


こんな会話。短く書いたが数分続いた。
奥様も全く悪気はない。コロッケなんか数個買うのは普通であるが、きっと買いなれてないのか、3個や4個買うのは申し訳ないなあ、という思いであったのでしょう。
店員さんも、1個であってもはっきり1個と言ってもらえれば、そんなにイライラされなかったと思うけれど、コロッケの数に「3つほど・・」というあいまいな表現に戸惑ったのだろう。

スタッフと妊婦さん、スタッフとスタッフ、院長と患者さん、院長とスタッフ、私とスタッフ、そして院長と私も・・・
たくさんの人間関係が絡み合ってクリニックが成り立つ。
ことば。そして、表情。電話では、声の表情。
たくさんの表現すべてことばだと思う。日々私も振り返り反省の日々。

コロッケを買う現場だけでも、言葉の掛け違いがあるわけだから、私たちのまわり日常茶飯事にあることなのかもしれないけれど、命を見合う産婦人科では、掛け違いのないようことばを大切にしなくてはいけない。

余談:徳永英明の「ことば」朝日生命のCMで流れていたのをご存じでしょうか?
(もう、今はやってないかな?)
♪♪言葉って 本当は
     仲良くなるためにあるはずなのにね・・・♪♪
そうですよね。決してことばだけでいがみ合いたくないもの・・。
歌が気になる方、ネットで検索してみてください。
eri.hosoda