年別アーカイブ: 2010年

友人の出産

産科歴ん十年になった今、1000例を越すお産の介助をさせてもらい、
かつ、赤ちゃん係りや、分娩のその場面に居合わせることを含めば、数こそ数えてないけれど、2000例3000例は、命の誕生に立ち会っているように思う。
そんな中、先日、友人の出産があった。
20年以上の友人。お互い家族ぐるみで、結婚前から知り合う仲。
命に対する責任感はどの妊婦さんも同じだけれども、医療者と妊婦さんの関係だけでなく、それプラス友人という感情が入ってきてしまう。
だから、また違う緊張感と心境が新鮮にある。
彼女は、同業者だから、いいお産をしなくては・・と本能的に思っていたのかもしれないけれど、陣痛が強くなってきて生まれる寸前でも、すごく冷静で、丁寧で、おなかの子どもにいつも語りかけて、理想の出産をしてくれた。
三歳のお兄ちゃんも立派に立会い。ここで生まれたこと覚えているかな~なんて話ししながら。
パパも、ビデオとカメラと、そして、ママの手とお兄ちゃんをあやしながら、がんばってくれた。今、思えば、どうやってそれだけの仕事を巧みにこなしていたのか不思議ではあるけれど・・。
本当に ありがとう・・だ。

総合病院にいるときも、多くの知人に分娩介助を頼まれて勤務時間以外に分娩に立ち会ったことも何度もあった。
開業してからも、何人もの、知人・友人が妊娠・出産にやってきてくれる。
それそれ、鮮明に覚えているから不思議だ。
思い起こすと、仲がいい友人集まれば、その子どもたちみんな、生まれた瞬間から私の手に触れて生まれてきてくれたんだなぁ・・、おぎゃ~の第一声を家族といっしょに聞けたんだなぁ・・と思うと、かわいくて仕方ない。
信頼して、細田クリニックにきてくれるのはすごくありがたいことだし、友人の出産場面に居させてもらえることに、改めて感謝感謝だ。
そのちびっ子たちまでも、エリちゃんとか、エリコさんって普通に私のことを友達と思っているところも不思議・・。
友人だけでなく、外来から知り合っていく妊婦さんも何度も会ううちに、世間話をしたり。巷を歩けば、声をかけてくださり、家の前でジャージ姿で草引きをしていれば、「先生!」と声をかけてくださったり・・。町内会の会合へ行けば、知ってる方々ばかりだったり・・。

どんどん人の輪が広がっていっていることを実感する毎日です。
eri.hosoda

ひんやり雨・・

もうすぐゴールデンウイークだというのに、まだクリニックの中は 暖房がONになっている日が多い今年の春です。
ひんやりとする朝の外来のスタートですが、時間とともに、(詳しくは、70人を越え出す時間帯かな?)院長も外来スタッフも夏の雰囲気で「今日は暑い!」と真逆のことを言い出すのですけれど・・。
そういう今日も雨です。
本当に今年の春は、寒かったり雨の日だったり・・。
自宅とクリニックの間は、歩いても5分ほどなので雨でも不自由はしないのですが、それでも、雨は嫌なものです。
特に、夜8時くらいの雨の日の帰り道、テクテク歩いて「今日の夜は何を作ろうかな」と考えつつ、「今日は忙しかったから、手抜きをしたいなあ・・でも、ちゃんと作らないとダメか・・」など自問自答しながらスーパーへ。買い物をし、仕事のカバンとスーパーの袋と傘を両手に持ちながら歩くと、何だか「何してんだろうか・・」と暗い気分になってしまいます。
多くの女性が、月経前症候群という状況になるくらい、ホルモンだけでも気分や体調が変わるもの。それなのに、こんなに春らしくない日が続けば、気分はマイナス思考に輪をかけた状況になってしまいます。
(注・・お産を終えられた直後のお母さんは、雨でも、晴れ晴れとされておられるので、雨イコール気分が憂鬱ではないとも思うのですが・・。)
日々仕事と家庭の中で、何でもズバズバ答えが出せて、すごく快適な気分になったり、かと思えば、自分すら見えなくって自分の中だけで何かを解決しようと小心者になったり・・。だから、せめて、洗濯物がカラっと乾いて、仕事帰りに自転車でピューンと買い物に行けて、ジャケットを着なくても快適な気候・・。主婦って、それだけで気分が晴れるのだから、そんな日が多くあってほしい・・と思う女性の一人です。
eri.hosoda


気持ち・・


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桜


 


 


 


 


 


 


この前の ブログの続きです。
桜が満開の写真です。
本当にきれいです。特別ライトアップもされていませんから夜は誰も見ていません。だから、桜も昼間にがんばっているように思います。(←勝手な想像ですけど)
少し前に宮根アナが話してました。
桜を見ると、感傷的になる・・と。
そうですね・・。なぜでしょうか・・。
みんなに、まだかまだか、と待たれて、咲き誇ったら、一瞬にして散ってしまう・・からなのでしょうか。
この前のブログにも書きましたが「来年はどんな気持ちで見てるのかな・・」「散ってほしくないな、ずっと咲いていてほしいな・・」「去年は、こんな思いで見たよな。」と、しんみりしてしまいますよね。
確かに、「紅葉」や「新緑」を見て、あまり、しんみりはしないですもん・・。


さて、こんな春の真っ最中に、ちびっこからたくさんのパワーをもらいました。
一人目は、5才の女の子。
真夜中に、緊急の帝王切開をおこなったお母さんですが、お姉ちゃんは22時頃まで起きてがんばっていたのです。でも、とうとう夢の中へ。
陣痛待機室でそのまま爆酔してしまったお姉ちゃん。
無事に生まれ、お母さんはもちろん手術室、お父さんもカメラを片手に赤ちゃんの撮影でした。
ふっと、廊下を見たら、5才のお姉ちゃんは目が覚めたらしく、詰め所の前に一人で立っていました。
知らないところで、誰もいなくなって心細かっただろうに、泣くわけでもなく、とびっきりの笑顔で一人で待ってました。
「お姉ちゃん、おめでとう。赤ちゃん生まれたよ。」
そう、声かけたら、
「うん」・・と満面の笑顔。
「お母さん、がんばらはったよ。」
と言うと、
「知ってるよ~」って。
まだ、5才の女の子が、目が覚めたとき、そこにお母さんがいない、ということは
赤ちゃんが生まれたんだ!と察して、詰め所の前に、一人で誰かが出てきてくれるのを笑顔で待っているなんて・・。
忙しい夜中の合間に心が、和んで感動しました。

次の感動は、二人の兄妹。
二人はもう、小学生。まだ、低学年なので、ちびっ子さん。
お母さんが、陣痛で苦しんでいるとき、お父さんより前に立ち、手をさすったり、声をかけたり、お茶をあげたりしていました。
そんな中、ふっとお兄ちゃんを見たら、目から涙が・・。
「どうしたの?」
と聞けば、
「なんでか涙が出るねん。お母さんがんばってるしな・・、僕もこうやって生まれたんやんな・・・」
そう声を震わせて言いながら、お母さんの手を握ってました。
そして、みんなの見守る立会いの中で、生まれてきました。
三人めさん。
その生まれ瞬間、お兄ちゃんもお姉ちゃんも、
「やったぁ。生まれた生まれた・・。うれしぃ~、すごぉい~」
とボロボロ涙を見せ拍手していました。
なんて、感情豊かで、家族思いな兄妹なんでしょうか・・。
こちらも、ホロリとしてしまいました。
数日後、お母さんが話してくれました。
「二人(兄妹)ともいてくれてよかった。でもね、あんなにしんどかったのに、次の日の子どもの感想は『お母さん、簡単に産んだね』って言うんですよ。」
と笑顔で語ってくださいました。やっぱり小学生です。
でも、きっと、子どもたちは、一生記憶しているはずです。
命を生み出す、命がけのお母さんの偉大な姿をね・・。

こんな子どもたちに救われる毎日です。
eri.hosoda


 

4月

やっと天神川の桜が咲いてきました。
まだ、満開まではいきませんが、ほどよくほころんできています。
数日前には、桜のつぼみがやっと、ピンクっぽくなってきた矢先に、吹雪・・。
季節はずれにも、車の屋根に雪がかぶっていて、まだまだ、ダウンジャケットが必要な3月でした。

4月になり、クリニックの一番東側の部屋からは、カーテンを全開すれば、桜並木が見えます。
また、テラスからもきれいな並木が目の前に続きます。
何度この光景を見たことでしょうか。
毎年同じ光景でも、全く飽きもせず、眺めていたい・・と思うほど、素敵です。
毎年、変化のない桜を見て、いろんな思いを持ち、感じ、そして、変化していく心境や年行く体力を感じ・・・・。

そう・・。
誰しもそうですが、私の考え、思いも変化していると思います。
それは、良い面もあるだろうし、ダメな面もあるだろうし・・。
自らひしひしと感じていることもありますが、気付いていないこともあるでしょう。
(体型が大きく変化してしまったことは、だれが見ても、一目瞭然ですけど・・。)
あと、どれくらい過酷な産婦人科をやっているのか、極端な思いでは、あと、何年生かされるのか、わかりませんが、また、来年もこの桜が見られることを区切りとして、生かされていくのでしょう・・。
多くの人にもまれ、いろんなことに刺激を受けて、考え、思い、気付き、笑い、泣きながら・・。
それが生きている醍醐味なんでしょうね。
eri.hosoda

三寒四温?

今日の朝は数日前の暖かさに比べて、季節が違うほど寒い。
昨日のニュースでも、ある地域では、昼間は26度を越えるあたたかさ、というより、暑さ・・。でも、夜は、4度・・だったそうだ。
日本ってこんな国じゃなかったはず。
日本の四季は、春夏秋冬があり、過ごしやすいと思っていたのに、四季という言葉は死語になるかも・・。
先日、一ヶ月健診に来られたお母さんとお話をしていたら
「この前出かけたときは、暑くて、車のクーラーを入れていたのに、今日はおくるみもしっかりまいて、暖房を入れて来ました」
とおっしゃっていた。
本当に、「暖かくなりましたね・・」とか、「いよいよ冬が来ましたね・・」という、挨拶ではなく、
「変な気候ですね・・」という会話が普通になってきてしまって・・。
もちろん、寒い日もあれば、暑い日もあり季節が変わってくるのはわかるけど、こんなに違いすぎる毎日は、異常としか思えない。
自然を元に戻すことは計り知れない苦労が必要かもしれないけれど、そういう異常な気候にしてしまったのは人間であることは確か・・。
そう、もちろん、私を含めた人間・・。
まだ、自然のパワーはたくさん残っている。
桜は、卒業式や入学式の頃・・
梅雨が終われば、蝉が鳴く・・
野菜や果物も旬のものが店頭に並ぶ・・
今残るそれらまで、なくなってしまわないように、今、生まれた子どもたちが大人になるときに、とんでもない環境にならないよう「努力」が必要・・でしょう。