2012年5月19日の夕方、スタッフの出産がありました。
妊娠がわかったときから、早くでておいでね・・とか、ママはこんな事言ってるよ・・などなど、
たくさんたくさん、お腹に向かって、話しかけてました。
前駆陣痛かな?結構、腰が痛いからクリニック行っていい?という電話で来院。
18時到着、子宮口8cm!
18時51分、小さめのかわいい女の子を出産!!!
超スピード出産でした。
改めて、本当に、本当におめでとう。
素敵なお産でした。
きっと、彼女自身、気心知れてるスタッフがいてくれることで安心でしょうが、反面、いいお産しなくちゃ、というプレッシャーもあったはず。
でも、本当に素敵なお産でした。
楽しい、赤ちゃんとのご対面の場でした。
その場は、私たちは、命の観察をしなくてはいけない医療の場ではあるけど、
パパとママ(本人たちは、父ちゃん母ちゃんと言わせるとか・・)に家族が増える大切な「時間・空間」です。
2人家族が3人家族になる、大切な大切な、二度とない、その瞬間です。
「おめでとう!!!!生まれたよ!!!!!」
その時の彼女は、生まれて間もない我が子を抱き、
「うまれた~~~!!!あはっはっは・・ひゃーあはははは・・」
ずっと、大笑い。大きな口を開けて、とにかく笑顔。いや、声に出してケラケラ爆笑です。
私たちも、それにつられて、みんな大笑い。
「おめでとう!!!やったね~まってたよ!!!あはっはっは・・ひゃーあはははは・・・」
どれだけ、笑ったでしょうか。
感動の涙は、目の中だけで、一瞬にして、大笑いの分娩室になりました。
パパは、「生まれた生まれた・・。ありがとうござます・・」と連呼です。
こんなに、笑いながら新しい命を迎えられたことは、感動的です。
なぜ、彼女は爆笑したのか・・、本人もわからなかったそうですが、
とりあえず、笑いがとまらなかったとか。
生まれる直前には、愉快なエピソードもありました。
さあ、生まれるよ・・という直前に、彼女が陣痛の合間にご主人に伝えました。
「さあ、ビデオとカメラ、用意しといてよ。もうすぐだし。」
そのとき、ご主人。
「え!!!!もう生まれるの?!!!ビデオもカメラも家。持ってきてないよ。だってまだまだって言ってたやん・・・。」
とタジタジで発言。オロオロ、ソワソワ。
彼女は、この日のために買ったビデオを持ってこなかったことに激怒。
「取りに帰って!!!!!!もう!!!!何してんのよ~!!!!!」と、ほえてました。
(余談*その瞬間、私は思いました。ご主人に、ここまでほえた彼女を見て、この夫婦は永遠に仲良く大丈夫!と。夫に本能のまま自分を表現できる夫婦はどんな困難も乗り越えられるはず。思ってても言えない、自分を押し殺す、そんな夫婦、しんどいですもん、きっと。)
でも、もう、自宅に取りに帰る時間はありえないくらいドンドン赤ちゃんは生まれようとしています。
スタッフと私は、慌てるご主人に、「もう取りに帰らず、そばにいて上げて」と静止しました。
それで正解。その会話の後、15分もかからずに生まれたのです。
ビデオで残ってなくても、みんなの喜びや笑顔は忘れない記憶に残っています。
これから、何回もビデオの出番はありますよ。
ご主人の立会いは、決して「立ち見」ではありません。
分娩室の全ての人と一体になって、夫として、ママを励ましてほしい、それが一番です。
パパも自然に声がでます。自然に手を握るはず。考えて行動するのではなく、本能だと思います。
そうして、家族が増えたことが自然に感じ、これから始まる一つ屋根の下での生活、いっしょに喜怒哀楽を感じるこれからの生活。それが家族。
そのスタートを彼女の出産に立ち会って、改めて、目の当たりに感じました。
ありがとう。
父ちゃん、母ちゃん、がんばりすぎず、がんばってね。
補足*ここに記すことは、本人に了承済みです。
eri.hosoda
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ヘアスタイル
今日、申し送り中のスタッフのヘアスタイルがどうも気になって、触ってみたくなった。
普通に、シュシュで後ろに束ねているだけなのに、夜会巻きのように、てっぺんが、ふんわり小山のようになっている。きれいな膨らみ・・。
近くにいたスタッフに、爆弾入ってますよ・・と言われながら触ってみたけど、普通・・。自然に膨らんでいただけなんだけど、きれいな小山だった。
私の髪質では、絶対無理。いや、できる技術がない・・。
そういえば、昨日も、いつもと違うヘアスタイルのスタッフ発見。
「パーマあてた?」と聞くと、
「いいえ~、私のいつもの癖をそのまま濡らしてドライヤーしただけ。」
いつもは、まっすぐなイメージのショートカット。
濡らして下からドライヤーをあてながら、毛をクシュクシュする技で、イメチェンできるのがすごい。
外来通院中のママは、いつもきれいにヘアスタイルを決めて来られる方も多い。
何年か前、いつもきれいにお団子ヘアーをされているママがいらっしゃった。
そのママがお産で入院中、スタッフは、作り方を聞きたかったので、思いきって聞いたら、お団子ヘアーをほどいて説明して下さったとか。
赤ちゃんのヘアスタイル。
ほとんど、同じに見えるけど、髪の毛の多い赤ちゃん、少ない赤ちゃんと、個性は充分。
沐浴のあと、小さいブラシで髪型を整えてあげる。大人(私だけ?)の自己満足かもしれないけど、かわいい。
私は、沐浴のあと、どうしても、赤ちゃんの髪を横わけに整えてしまう。
場合によっては、7:3わけに!!!。
すべて、無意識でやっていたけれど、「赤ちゃんの横わけは不自然ですよ。」と、スタッフに指摘されたのが、つい最近。
過去何十年もの間、数えられない人数の赤ちゃんを沐浴してきたけれど、沐浴が終わって、ママのベッドサイドに帰ってきたら、横わけ、しかも7:3になっていてビックリされていたママがいらっしゃるのでしょうか(笑)
今更ながら、ごめんなさい。
スタッフに指摘された後は、まっすぐ毛並みにそってスタイリングしてあげるようにしています。
eri.hosoda
お礼 思い
先週末、私は誕生日を迎えました。
いくつになったかは、別にして、祝福してもらえることは、うれしいことです。
スタッフからは、大きなホールケーキとプレゼント、そして、スタッフ全員からのメッセージカード、しかも、全員の似顔絵付き、をいただきました。
スタッフに囲まれて、ハッピーバースデーの歌を歌ってもらい、クラッカーをならし「おめでとー」と言ってもらい、涙がウルウル出てくるのをこらえるのに必死でした。悲しい涙ではなく、うれしい涙が流せるその時に、
大げさですけど、(私って、幸せ!うれしい!生きててよかった!!)と思えました。
この場を借りて、スタッフみんなにありがとうと感謝を伝えたいと思います。
先週、とても悲しい、すごく悔しい事故が起こりました。
祇園での事故です。
事故?事件?か、かわかりませんが、運転手も亡くなっており、真相は想像しかできない状況です。
亡くなられた方の中に、知っている方が含まれていました。クリニックで知った方です。
詳しくは、書きませんが、私たちは、悔しくて、悲しくて、いたたまれなくて、残された方の置かれた立場を考えるとすごくすごく苦しくなってきます。何か手を差し伸べたい、何か声をかけてあげたい、と思うものの、何もできません。
身内の方は、想像しないありえないことが襲ってきて、自分が自分じゃないような、嘘でしょ夢でしょ、と問いただす、そんな、今を過ごしていらっしゃる事でしょう。
しかも、今回の事故は、あと1m後ろにいたら、あと10歩前を歩いていたら、事故に巻き込まれていなかった、という現状。運命なのでしょうが、それだけでは納得できません。
自分の誕生日と重なって、思ったのは、生きていけるのは、奇跡なんだ・・ということです。
お腹の中で、ドクドクと心音が聞こえたそのときから、一生は決まっているのかもしれません。
でも、本人も家族も友人もそれを知らずに生きているのです。
(逆に自分の運命を知って生きていくのは、怖くて、行きていけないですね。)
自分の一生がわからない、明日がないかもしれないなら、何をしなくてはならないのか・・。
考えられないくらいたくさんあります。やりたいこと、いきたい所、言いたいこと、見たいこと、聞きたいこと。
40才なりに、50才なりに、60才なりに、その時々の自分に置き換えて、たくさんあります。
これで、明日いなくなってもいいよ、なんてことは絶対にありません。
それなら、少なくても、自分の思いは日々しっかりと伝えようと思います。
特に、ありがとう・・を。
スタッフにも、家族にも親にも、ありがとう・・って。
なかなか、ありがとうの言葉は、親しい中では、言い忘れがちです。
特に、親や夫、子供には、不満や自分のわがままは、はっきりツラツラでてくるのに・・。
それはそれで、家族なんだから、OKなんでしょうけど、「ありがとう」をもっともっと言っておこうと思います。
外人なら、「愛してるよ」「I LOVE YOU」をハグしながら普通に人目も気にせず出来るのでしょうが、日本人は、まだまだ、そこまでする習慣、勇気がないです。
でも、本当に明日がないかもしれないから、言葉だけでも伝えることを忘れないよう・・、そう心の底から、思いました。
最後に、謹んで亡くなられた方のお悔やみを申しあげますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。
eri.hosoda
大小悲喜こもごも・・
4月になりました。
春の気配を感じながらも、まだ、冬のコートを着なくてはいけないほど肌寒いです。
昨日は、特に異常な天気。台風のようで、吹き飛ばされてしまいました。街の人も、自転車で横滑りに移動している危険な場面、傘が裏返り泣いてる女性も見ました。
それでも、天神川の桜は、遅れながらも咲こうとする準備中です。
楽しみ・・。
さて、ここ最近の悲喜こもごもをいくつか短く書いてみます。
数日前、あるA先生B先生とお話する機会がありました。
A先生 「相変わらず忙しい?」
私 「はい。忙しさは日によって違いますが、最近は夜が忙しいです。」
A先生 「え?夜もあるの、お産。そうなんだ、夜も普通にあるんだ・・。大変だね。その分、お昼は休めるの?」
と驚かれてしまいました・・・。
医療関係じゃなくても、お産は夜も昼も関係なくあるのは、周知の事実と思いきや、立派な内科の先生に、「夜もあるの!」と言われて、がっくりしてしまいました。
B先生 「相変わらず忙しい?」
私 「はい。忙しさは日によって違いますが、最近は夜が忙しいです。」
B先生 「そうか・・。産科はそれが大変だよな。細田先生ももう○○才でしょ。もう、体労わらなくてはいけない年齢だから、体壊さないようにね。」
B先生には、院長の代わりに「ありがとうございます、まだまだ働きますけど・・」と笑ってお答えしました。
プライベートでお会いした先生に、渇をもらうと同時に、ほっとした限りです。
数日前の外来。
妊婦健診がいつものように10数名以上あったかと思います。
そのうち、経産婦さん7名。みなさんお子さん連れ。
全員が、細田クリニックで生まれたお姉ちゃんお兄ちゃんでした。
春休みで、幼稚園、保育園がお休みだったのか、みんなママと一緒に検診。
大きくなっていて、普通にお話ができ、抱っこさせてもらい、楽しいひと時でした。
日曜日、スタッフの一人が結婚式を挙げました。心からおめでとう!!!
スタッフと、私、院長とご招待いただき、御祝いに行かさせていただきました。
本人のプロフィール紹介で、「現在の職場、細田クリニックは、すごく家庭的で、いい環境の中で働いています」
と言っていただきました。
すごくうれしかったです。そして、そのとき、横と前にいるスタッフ、その時も病棟で働いてくれているスタッフ、みんなスタッフの顔が浮かびました。本当にありがたい幸せな瞬間をいただきました。ありがとうね。
昨日の突風の雨の中で、出かけていた私はタクシーで帰宅することに。
手を上げて、タクシーを止める私の2mほど前に、サラリーマン風のおじさん(私と同じくらいの年かな)がタクシーを止められました。内心、「仕方ないな・・。次、止めよう」と思った瞬間、「ねーちゃん先乗り!」と、飛びそうな傘を手にしながら、振り向いて言ってくださいました。
世の中、まだまだ優しい人いっぱいだな、と、身に染みて感じ、遠慮なく乗っちゃいました。
それから、何年ぶりかに、「ねーちゃん」と言われた!
「そこのおばさん、先乗り!」と言われなかったのも、ひそかに、うれしかった単純な私。
悲喜こもごも・・と題にしましたが、悲、は殆どないことは、ありがたいことです。
喜がどんどん増えていって欲しい、そんな、新年度のスタートに思う今日です。
eri.hosoda
顕微鏡
この顕微鏡、3月19日に破棄しました。
それが、どうしたの?って感じですが、2011年4月7日のブログを見て下さい。
30年ほど使用していた聴診器が引退しました。そして、捨てようとしてスタッフに引き止められて、今でも、ロッカーの中のオブジェです。
さて、この顕微鏡・・。
実は、院長の学生の時に購入した物。何と物持ちが良いこと・・。
現在の大学生は、入学と同時にパソコンを購入することが、学校との連絡や、就活に使用するため、半強制的になっているようです。それと同じ感覚か、院長が医学部に入学と同時に、パソコンではなく、この顕微鏡を購入させられたとか・・。
その顕微鏡、先週まで、ずっと診察場で活躍していました。
これ、見覚えのある患者さまもいらっしゃるでしょう。
不妊治療の方は、ご夫婦でこの顕微鏡を何度も覗かれたことでしょう。
先週、前触れもなく全く使えなくなり、修理依頼するも、部品が20年前に製造中止になっているほど古い型らしく、破棄することになってしまいました。
よく何十年も活躍できたことでしょう。残念だけど、寿命か・・としみじみ眺めていました。
そうは、思いましたが、役に立たないなら、場所をとるだけだし、業者さんに
「破棄するので、持って帰って下さい」と即言ってしまった私・・。
すかさず、その場にいたスタッフが、
「え~、記念やん・・。置いておけないんなら、せめて写真でも撮っておいたら?」と提案を出してくれました。
そうですよね・・・・・・・。聴診器の時もそうでした(2011.4.7ブログ)。
何十年使った愛着あるものだし、院長だけでなく、患者さまそしてそのご主人がこの顕微鏡を覗き、喜んだり望みを託したり、1つの妊娠に一役かった顕微鏡・・。
記念に写真を撮り、ご苦労様の気持ちで業者さんに引き取ってもらいました。
近日中に新しい顕微鏡を購入予定。今度の顕微鏡は、先代顕微鏡ほど院長に使ってもらえないはず・・です。
(院長の今の年齢に、足し算すると・・)
でも、新しい顕微鏡もたくさんの妊娠に到る一過程で活躍することでしょう。
先代顕微鏡、ありがとう。
写真の提案してくれたスタッフ&業者さん、ありがとう。
eri.hosoda