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NHKの番組より

 

 

5月30日の夜、10時25分から、プロフェッショナルという番組、見られましたか?
コウノドリのモデル医師であった、荻田先生の仕事に対する考えやお産の怖さを語っておられました。

恐らく、医療関係者、特に、産婦人科に携わる者は、おおよその方見ておられたことでしょう。
クリニックのスタッフも、見た人録画した人で、番組の内容を少々語りました。
妊娠中の方も、見られた方、多いと思います。
(余談ですが、スタッフの一人が、若い頃の荻田先生といっしょに働いたことがある、と話してくれました。)

ここで少しだけ、番組の内容をまとめてみると、、、、

   最悪に備えて、最善を尽くす。
   突き放して、見守りながら、若手医師を育てる。

大まかにはこの2つでした。

それらのことを、いろんな症例を混ぜながら、語っておられました。

一見、普通の出産も、いつ、だれが、急変して命の危機になるかわかりません。
大多数の出産が、元気に無事に生まれてきてくれるのですが、
でも、命の危機はみんな背負いながら、出産しているのです。
だから、出産を成し遂げるママは、すごい。
もっと広く言えば、そのパワーがある女性はすごい。と、常日頃思っています。
だから、そのすごいママを支えるために、急変した時、できるならその予兆を逃さずキャッチし、対応する仕事が、私たちの仕事です。
荻田先生も話しておられました。
そんなママを守るのは、一人ではできない、チームワークだと。
責任をもって、診断する医師、そして、独りの目でなく、助産師看護師のいろんな目でいろんな気付き、診断が合わさって、ママの様子がわわかる、と思っています。
私たち開業医から、大病院に搬送し、そこで、命を救っていただくこともチームワークです。
もちろん、そこには、小児科の先生やスタッフ、場合によっては、他の科の先生やスタッフも加わってくださいます。
西京極の小さなクリニックでも、大きなつながり、守り、があってこそ、成り立っているということを認識させてもらいました。


でも、絶対、絶対、お産の主人公はママ!命がけのお産と戦っているのは、ママ本人!

そして、死ぬ時よりしんどいだろう思いをして、がんばってがんばって、必死で生まれてきてくれる赤ちゃん!
分娩室・手術室で見る光景は、何度見ても、どんな出産も、ママと赤ちゃんが主人公です。
そして、主人公を一番助けるパパがいて、それから、スタッフがいて、、、です。
(またまた、エキストラのような私(笑)も、、、)

コウノドリ(2015年10月放送)もそうですが、月曜日の荻田先生のプロフェッショナルのようすな番組がもっと増え、みんなの目に留まり、何か感じてもらえ、お産はだれもが命がけであることをわかってもらえる、そして、お産の主人公は産婦人科医でもなく、助産師でもなく、それを成し遂げる、ママと赤ちゃんであることを再認識してほしい、と思います。

追記::荻田先生の書かれた『ダンナのための妊娠出産読本』、パパだけでなく他の人も読んでみてください。話口調で理解しやすいです。ただし、どこの産婦人科医も100%同感ではないと思うので、1つの考えてとしては、すごく参考になるのでは?と思います。
eri.hosoda

 

心の中に

先日、ある方(以下Mさん)から、うれしいうれしい、涙の出る、メールをいただきました。

そのある方、Mさんとの出会いを綴ります。

Mさんは、双子ちゃんの妊娠で、総合病院でかかられていました。
もう、20年近く前のこと。
Mさんと私の出会いは、その病院の分娩室からです。
双子というリスクはありましたが、それ以外は順調だったこと、おひとり出産されているし、経腟での分娩経過中。
その日の私は、Mさんの担当でした。 陣痛の合間も笑顔で、もう少しかかりそうですね!と、お話しし、私は一旦分娩室を退室しました。
そして、その数分後、分娩室からナースコール。 「破水したかも。しんどい。」と。 すぐ分娩室に戻り、破水を確認。 「ここから早いかも」と会話している真っ最中、Mさんの呼吸も苦しそうになり、二人の赤ちゃんの心音はあっという間に50~60回/分台に下降しました。
普通健康な胎児は120~180回/分、一瞬にして半分以下になり、復活してくれる気配なく、かなりしんどい赤ちゃんのサインです。
あの時の心音の波形は、今でも覚えています。 産科で働く者の言葉では、地を這うような心音・・・ 破水してから、1分ほどの出来事です。

 

自分の目の前で、怒っている現実。本当に怖く、心臓が動悸をうち、足も手も震えていた私です。 でも、おびえてる時間はない、待てません。私の目の前で、3人の命が危機にある、一刻も早く、早く!そんな状況です。順序立てて考える、教科書を思い浮かべる、そんな時間はない!
二人の赤ちゃんが、、、。 3人とも助けなくては、、、、。 ママがんばれ、、、、。
私の、頭で考えること体が動くこと口で指示だすこと、すべて、一瞬だったと思います。
Mさんには、微笑みながらも、スタッフ間では鬼の形相だったかもしれません。 即刻、スタッフ数名で、ストレッチャー乗せたMさんを手術室まで運びました。 落ちそうになるMさんを両端で支え、特急並みに走り抜けました。それでも、もっと急ぎたかった。
たまたま、廊下ですれ違った小児科の先生に、単語だけで状況説明(私、吠えていたと思います)し、一緒に手術室に走りました。 手術室のスタッフへ連絡はしてあったものの、普通じゃない雰囲気の私たちだったのでしょうね。阿吽の呼吸で入室させてくれました。
午前の手術を終えた産婦人科医師(それが今の院長です)が目の前に待機。そのまま、Mさんの帝王切開開始です。
手術室へ送ったあと、私たちスタッフは手術室の出入り口で、ヘナヘナとしゃがみ込んでしまい、立てませんでした。全力が抜けていきました。 それに、気付けば私たち、分娩室からシューズを履く余裕もなく、はだしのまま、廊下を走り抜けていました。 その姿に、ちょっと、スタッフ同士で、にこっと笑い、、、、 自分のこわばる顔にもやっと気付き、そこで現実に戻ったのだと思います。

しばらくし、生まれた赤ちゃんは、二人ともアプガースコア1点。
(問題ない赤ちゃんは、ほどんどは、8点から10点です)
どうか、どうか、生きて!!!がんばれ!!!!生きて!!!!私たちの祈りでした。
そして、Mさんは・・・・
出血が止まりません。
体中に酸素が回っていません。
何かがMさんに起こっている!!
Mさんも瀕死の状態でした。経験のない、想像もできない状態です。
ママも助かって!!!!
いろんな状況との闘い、あらゆる検査と診断の結果は
「肺への羊水塞栓症」
診断は難しく、何の合併症もなく予兆もなく、突然起こり、発生頻度は2~3万分娩に1例くらいですが、発症後1時間以内で死亡してしまう方が80%ともいわれています。即死の妊婦さんもいます。
でも、Mさんは、命は取り留めました。
あふれ出る出血、止まらぬ出血の中、止む終えず子宮を取りましたが、命を救うためです。
だから、生きて手術室を出てきてくれました。命は救われました。
そのあと、1か月CCU(循環器の集中治療室)に入り、私たち産科からも毎日訪室し、お話ししました。もちろん、人工呼吸器をつけておられたので、こちらからの語りかけだったかもしれません。人工呼吸器が外れたら、産科病棟に戻ってきてくれました。
男の子女の子の双子ちゃんも、がんばってがんばって、何カ月もかけて復活してくれました。
その間、長男くんも3才か4才ぐらいだったかな?お兄ちゃんなりに、頑張っていました。
面会の間、いっしょに詰所で遊んだり、退屈になったら、病院内をいっしょに散歩したり。

これが、私とMさんとの出会いです。
現在、Mさん、時々クリニックに検診に来てくださいます。
今では、家族のこと、主婦話、子供の事、をお話しするお付き合いになりました。

そして、数日前、久しぶりにメールでの近況報告、、、
1部そのまま紹介します。

********************************

前略
長男は、無事に社会人になりました。 K(双子の女の子)は看護学部の2回生、T(双子の男の子)は1浪の末、この春国立の医学部に入学しました。二人は、厳しい道を自分でそれぞれ選択しましたが、楽しそうに過ごしています。

中略

あの日の出来事は、長男にも、KにもTにも何度なく話してきました。 Kは4歳にHUSになりましたが、その際も主治医にいのちを助けてもらったこと、Tは10歳にIgA腎症と診断され入退院を繰り返しましたが、二人は病気に負けたくない気持ちと、助けて頂いた経験を返したいという思いでそれぞれの道を選んだのだと思います。 二人が勉強していくうちに、羊水塞栓症の内容を理解して、助けてもらったことがいかにすごいことだったかを知ってくれたら震えると思います。

後略

******************************************** 注*HUS→溶血性尿毒症症候群

双子ちゃんのふたりが、自分たちを救ってもらった経験を看護師、医師として返したい思い。
そして、それをずっと思い続け、やり通してくれている信念。
本当にすばらしい!!!!うれしい、感動!!!!しかありません。
メールを見ながら涙が出ました。こんな思いの看護師や医師が一人でも増えれば日本の医療は絶対大丈夫と思います。本当の、真の志だと思います。
ずっとずっと、頑張ってほしい。
ずっとずっと、応援したいと思います。

産婦人科医、助産師、産科看護師は、占い師でもないし、予言師でもありません。
目の前の妊婦さんに何が起こるか、わかりません。もちろん、少しでもわかるように、何かきっかけの手がかりを見つけるために、妊婦健診や採血や会話をしているわけです。
それでも、わからないことばかりが起こるのが出産。
だから、目の前の出来事に、やるべきことを瞬時にやる!ママと赤ちゃんの命を救うために、動く!考える! そんな仕事です。
だから、本心は何度も辞めたい、逃げたい、と思うこと、何度もありました。
でも、こんな私たちを育ててくれるのは、患者さんや妊婦さんです。
今まで関わった方に育ててもらって今があることを決して、絶対、忘れてはいけません。

Mさんのような患者さんに出会っていなければ、産婦人科を続けていなかったことでしょう。

Mさん、長男くん、Kちゃん、Tくんの思い出の中に良い思い出として私たちが残れたこと、本当にあの時、ママとKちゃんとTくんが頑張ってくれたことに感謝です。
胸がキューンとなり、目頭を覆いながら読んだメール。 ここに記録として残しておきます。
Mさん、ありがとう。 eri.hosoda

2016年の桜

 

今年の桜

しっかり、がっつり、満開の姿を眺めることができませんでした。
クリニックの玄関を出て、10秒歩けば、この桜並木。
だから、いつでも見られる、また、明日見られる、という考えで、結局、良い時期を逃してしまうこともよくあることです。
今年は、満開(4/6~7日)のころ、天気が悪く、大雨と強風。
下の写真は、その2日ほど前の写真です。
空が真っ青だといいのですが、その日は、どんよりしていました。
そして、眺める私の心の中で、(明日か明後日くらいが、一番きれいな並木になるんだろうに、明日は雨か!)という不満が大きかったので、自分に映る並木が、心から冴えなかったのかもしれません。
勝手ですよね・・人間って。
なんの関係もない桜にも、期待をしてしまうんです。
「今年の桜は、今一つだ・・」
「今年の桜、咲くのが遅い!」とか・・・。
この桜並木の写真を撮る時、スマホを前にかざし、写りよく撮るために場所を変えて、角度やズームを変えても、写りは今一つパッとしません。
「明日の雨で散ってしまうのに、、もう!!」「うまく撮れないわ」と文句を心でつぶやきながら、撮った数枚です。
今日(12日)は、晴天。
また、勝手なもので、「今日くらいに満開だったらきれいだろうに」と思ってしまう私でした。
今年も4月の初旬は、いろんな手続きや書類の提出などで仕事量が増え、他、いろいろ(?)で、桜を素直にきれいと思える気分ではなかったのかもしれません。
本当に勝手です。
その裏付けに、子供の入学式の時に見た桜は、今も鮮明に覚えていて、すごくきれだった・・・という記憶が残っているのです。
桜の色も咲き誇る姿も一緒のはずなのに。
桜には、なんの罪もないのに。


話を変えて・・・・・・・・

4月は出会いの季節といいますが、この仕事は、毎日が出会いです。
いろんな人に出会います。

相性ばっちりの人も・・・
苦手な人も・・・
似てる人も・・・
似てない人も・・・
その出会いもすべて、意味があるんじゃないかな・・と思います。
信じてもらえないときもある・・・
裏切られることもある・・・
傷つけられることもある・・・
受け入れられないことも多々ある・・・
でも、逆に、そして、知らない間に、
人を信じていないのかもしれない・・
もしかして、裏切っているのかもしれない・・・
知らない間に傷つけているのかもしれない・・・
そう、思います。

なんの関係もない桜に、「今年はだめやわ・・」「もっと天神川の桜はきれいなはず」と文句を思うこと。
それは、今、心、晴れ晴れしていませんよ!と教えられてるのかもしれません。

身も心も完全に、キャパオーバーになりそうなとき、毎年、桜を見て、反省をする、、、
この映りの悪い2枚の写真を見て、思う私でした(^_-)-☆

          さくら2             さくらeri.hosoda

 

お喜び・・・

 

毎日生まれてきてくれる喜びは、私たちも何度感じてもうれしいもの。


私たちが仕事の中で関わらせていただく出産は、家族のみなさんが感じておられる赤ちゃんの誕生の喜びだけでなく、プラス仕事としての責任の達成感、無事にママが出産を終えた安堵された姿までを見守れたホッとした感、という喜びも大きいのも事実。

妊娠するのも生むのもママ、誰も変わってあげられません。
でも、変わってあげられない分、パパとしての支え、上のお兄ちゃんお姉ちゃんとしての係わり、私たち医療者としての役目を果たさなくてはいけません。どれが重要で重点的、とか、私たちが生ませてあげる、とか、先生に頼る、とか、そういうものではなく、命を生み出すママを間違いなく支えてあげることが役目です。

それは、みんなが、その場にいる一人一人が、命の誕生を待っている、そのためにできることをする、、、簡単なようで難しいけど、難しいようで本当は簡単なのかも。

よく立ち合いをされるパパが「俺、何していいかわからへんし」とか「何したらいいですか?」と言われる方がおられます。でも、1~2回、「姿勢を支えてあげてね」とか、「今お茶上げてね」と言うだで、それからは何の指導もなく、何の手順もなく、自然とパパの行動ができている方がほとんど。ってことは、すごく人として関わることは本能なんです。
私たち医療者も、本能で動ければいいのですが、それだけではなく、勉強・学びは必須。
医師としての知識、助産師、看護師、産科で働く者の学びや学習。
だから、仕事としての喜び、達成感もあるのです。


でも、出産は、何より一番にママの頑張りで命が生まれてくるのだと思います。
だから、ママが頑張れるようにしてあげたい、仕事として、女として、そう思っています。

最近、心底、妊娠・出産・命って、本当に奇跡なんだな、、と思うのでこんなことを書きました。

・・・・難しいことはさておき、みんなで、支えあって、お互い他力本願にならず、ってことでしょうか。(あー堂々巡りのへたくそな文章でごめんなさい)


さて、3月も半ば。

クリニックスタッフも春です。
去年は、クリニックのスタッフ3人が結婚!スタッフは家族なので、娘を嫁にだす気分。(なぜか、私は女ですが父親っぽい気分になってしまうのです。自分でも不思議なんです。)
がんばって主婦業しながら働いてくれています。
「今日の夕飯、何するの?」「この前旦那がね・・・」なんて、会話があちこちで。
院長以外全員おんな!こてこての井戸端会議で笑っちゃいます。
院長は、耳に8割ほどふたをして、スルーしております(笑)

今年に入って、新しいスタッフ2人が着任。お互いの感性・個性を理解しようとする集
まりとなり、それはそれで、みんなの大きな家族になる過程だと思います。

それから、スタッフのお子さんたちが、次々に、就職が決まり、大学が決まる毎日。
合格までは、不安と言い知れぬ悩みをつぶやいてみたり、合格したら、みんなで喜んで、一人暮らしの心配や期待、お金がかかる話(笑)、あーだこーだ。
これも話は尽きません。
子育てが終わり、子供たちが自立していく時(親と同じ土壌(大学や社会)に送り出す独り立ち)は、人によって家族によって全く考え方が違うのも感じる日々の会話。
それはそれで、自己反省しつつ、(私はたくさん反省中)たくさん教えられたり、逆に自分に自信を持ったり。
子どもって、食べさせて、寝させて、学校行かせて、、、、、。それは最低限の親の役目。でも、それだけでは大人になれません。その上で数知れず、愛情をうけて、しつけを受けて、大人になっていくのだと思います。(余談*テレビのコメントで聞いたこと、それは親じゃなくてもちゃんとした大人がそばに深く関わって生きていくということで充分だと)

小さい子どもちゃんがいるママスタッフたちも、数年後に訪れる話なので、自分にだぶらせたり、お金ためとかなあかん!・・とか・・・。これもリアルな会話です。

全部まとめたら本当に週刊文春にも勝てるぞ!というスタッフ会話の情報量(笑)・・・。

こうして、春の訪れを感じつつ、また、天神川の桜を待ちます。

eri.hosoda

 

VALENTINE


今年もいただきました、院長へのチョコ。


いただいたチョコは、ゴージャスでした。 11粒、すべて、違う形。区切りがない箱の中で、そろってない小さなチョコが、はだかで、それでも、綺麗に並んでいます。そのあたり、ヨーロッパ(made  in フランス)のチョコらしく、そこも魅かれました

 

今年は中身だけでなく、深紅の箱に、同じ色の幅広いリボンも魅力的。


チョイスしてくれたスタッフが、パッケージに引かれて決めちゃいました!と教えてくれただけあって、目を引く!インパクト大! 持ち帰って、冷蔵庫に入れた時も、白っぽいものが多い冷蔵庫で、ひときわ目立つ赤でした。

それから、フランスのメーカーなのに、箱には、VOYAGE EN ITALIEと書かれていて、イタリアの旅行をイメージしてる、という、不思議なメッセージ。 コンセプトは何なんでしょうね~


味は言うまでもなく、美味!!!!! 一口かじり、コーヒーを飲むと、何とも言えない溶け方で、ついついパクパク食べてしまいそうですが、そこは、ちょっと抑えて、毎日、1粒ずつ。 あと、2日ほど楽しめそうです。

追伸・・・・今年も私がいただいたかのような感想になってしまいました(笑)
が、もちろん、院長からのおすそ分けです~ でも、ありがとう~です(^_-)-☆
eri.hosoda

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