細田クリニックのひとりごと

小学2年生

10月の初旬にクリニックの学区である葛野小学校の子供たちが、生活体験という名目でクリニックに見学に来てくれた。
子供たちの考えた質問に答えて、クリニックの中を見て回る、という簡単なもの。
地域の中で自分たちの興味のある施設やお店を自分たちで選んで、そこへ話を聞きにいく、という内容は、2年生という年齢を考えると、結構、高度な学習だな、と思った。
子供たちの質問内容は、さまざま。学校の授業でしっかりまとめてきていて、プリントに書き込み、文字を読むように質問していた。
子供たち→「赤ちゃんが生まれたときは、どんな気持ちですか?」
→『うれしいです。元気におぎゃ~と泣いてくれたら、よかった、と思うし、そのまま元気に育ってほしいな、と思います。』
子供たち→「ここで、女の子と男の子はどちらが多く生まれましたか?」
→『数えたことはないですが、同じくらいだと思いますよ。』
子供たち→「障害のある子が生まれたときは何といいますか?」
→『他の赤ちゃんと同じく元気に育ってほしいな、と思います。』
子供たち→「私たちにどんな大人になってほしいですか?」
→『明るくて、やさしくて、何でも一生懸命にできる大人になって下さい。』


かと思えば、

子供たち→「好きな食べ物はなんですか?」
→『何でもすきですよ。パンとかケーキは大好きですよ。』
子供たち→「算数は好きですか?」
→(かなり見栄を張り)『大好きですよ~一生懸命勉強したよ~』
子供たち→「漢字は好きですか?」
→(なんて答えるのだろうか?漢字に好き嫌い?)『ん~好きでも嫌いでもないかな。でも、嫌いでもいっぱい漢字は勉強しないといけないね。』
子供たち→(ポカーンとして、手が止まってしまった。)
産婦人科、クリニックという全く関係のない質問。2年生らしいし、地域の人々と親しくなる、という課題なんだから、それでもいいのであろう。

質問のあと、クリニックの中を見学したいとのことで、見て回った。
2年生が、どのあたりに興味があって、どのあたりまでわかっているのか、全くわからないので、言葉を選んで説明した。
でも、見学をしている中で、自由に話し出した子供たち。
えっっ・・・!!!て思う会話が飛び出してきた。
分娩室を見ながら・・・・
「お産はテレビでみた~。生まれたらお母さんはみんな感動して泣くんやろ・・。」
「でも、女がみんな赤ちゃんが妊娠できるってことはないんやろ。赤ちゃん出来ない人もいっぱいいはるんやで。」
「生まれたら、おっぱいとかしなあかんから、お母さんは忙しいんやんな。」
「お兄ちゃんが生まれたときはしんどかったけど、私が生まれたときは楽やったんやって」
・・・・びっくりした。
深くはないけど、いろんなことを知っている。
赤ちゃんができないこともある、なんて、少なくとも私の小学2年生のときは、知らなかった。結婚したら必然的に赤ちゃんが生まれると思っていた。
自分の母親のお産の状況は、大人になってから聞いたことはあるものの、2年生の時には聞いた記憶はない。たとえ聞いていたにしても、全く無関心だったと思う。(我が家は私と主人、専門用語でバンバン話をしているので、産科の雰囲気は子供たちにもヒシヒシと伝わってはいるが。)
時代がすすみ、いろんなことが、オープンになってきているのでろう。
産婦人科は男は入るべからず、の時代はとっくに過ぎていて、最近では、妊婦健診も、多くの方がご主人といっしょに来られている。健診で、院長とご主人との会話、も普通になされている。
お産のときも、上のお子さんもいっしょにおうちにいるように立会いをされている。
小学2年生の見学、と思いきや、びっくりするような子供たちの発言。
今の時代、興味を持ち始める小さい頃から、正しい知識を伝えてあげなければ・・と痛感した。
                   eri.hosoda