細田クリニックのひとりごと

大震災

今日は大震災が起こって13年。
あの、テレビの画面で映し出される映像は忘れもしないし、くっきり思い出される。
高速道路が横倒し・・民家何軒も連なって押しつぶされている・・速報で「死者○○人」と流れるたびに、増えていき・・。
本当に電車で1時間行けばたどり着く所で起こっているとは思えない光景だった。
もちろん、命を亡くされた方も多いが、その災難の中で、出生した、というニュースもあった。仕事柄か、そのニュースも鮮明に覚えている。
生まれる、ということは、何千年前から、同じである。
まだ、人類が、服を着る習慣がない頃も・・まだ、車もなく、郵便もなく、エッホエッホと籠を担いで走っていた時代も・・
そして、医学がどんなに発達しても、情報がドンドン行き渡っても・・
赤ちゃんは女性の子宮に妊娠し、子宮の中では胎盤から血液と酸素をもらい育っていく。10ヶ月経つとこの世に生まれてくる。
きっと、あと100年経ってもそれだけは変わらないと思う。
どんなに人間社会が変化していっても、変わらないと思う。
だから、13年前の大震災の日でも、生まれてくる赤ちゃんは、何千年もの自然の摂理のまま、生まれてきたのであろう。
もしかすると、今、こうしている間にも、大震災は起こるかもしれない。
何も残らないかもしれないけど、そのとき、「陣痛が来ました」「破水しました」という電話があれば、いやいや、電話は通じないだろうから、直接こられたら、いつものようにお母さんの体から赤ちゃんを迎えてあげなくてはいけない。
無事生まれたら、「おめでとう」を言って上げようと思う。
水がなくても、電気が暗くても、いつものように、いっしょに呼吸法をして、「よかったね~」と言ってあげよう。
生まれてくるということは、何千年も前と変わりないはずだから・・。
震災の真っ只中で生まれてきても、恵まれた環境で生まれてきた赤ちゃんも、生まれてくる赤ちゃんは何も知らない。よく生まれてきたね、お母さんお父さんがんばられましたね、と言ってあげよう。
そういう時も避難場所に逃げられない仕事かな(笑)性格かな(笑)
だから、日ごろ、我が家の子供たちには言いきかせてある。
もし、大震災が来たら、西京極運動公園が避難場所だから行きなさい、私たちは姿は見えなくても、クリニックに向かっているからね・・と。
                              eri.hosoda