細田クリニックのひとりごと

おめでとう

ここ1ヶ月、全体の8割以上の出産が、夜中・・という慌ただしさ。
また、昼間の出産が続くこともあるさ~(by院長)って、感じです。

さて、金曜日の夕方、一人の赤ちゃんが生まれました。
これから、書こうとすることは、もちろん、ご本人に了承済み。
「ブログに書かせてもらったてもいい?」
「全然、いいよ(^。^)」と、満面の笑顔で了承してくださいました。

そのママさんは、今回、3人目さんの出産。
1人目さんは、他院にて、出産のことはわかりません。元気なお兄ちゃんです。
2人目さん。2年前、細田クリニックで出産されました。
しかし、産声が聞こえない死産でした。
ある日、胎動がないことに、ママは気づきクリニックへ。
その赤ちゃんは、お腹の中から、直接、天国に行ってしまったのです。
原因はわかりませんが、赤ちゃんが何らかの理由で、天国行きを選んでしまいました。

今でも、覚えてます。
胎動のない、心拍の聞こえない、超音波の画面をいっしょに見つめながら、その診察室にいた私。
私の体にぎゅ~としがみついて、ママの目から涙が溢れ出て、でも、表情は放心状態。
最初は声も出ないママでした。
「何と言ってあげたらいいのか、わからないけど、悲しいね・・」
他は、何を話したか覚えてないけれど、二人で泣きながら、パパが来られるのを待っていた記憶があります。
翌日、産声を上げない女の子が生まれました。
・・おっぱい飲みたかったね・・。
・・お兄ちゃんと遊びたかったね・・。
・・いつでもいいから、また、帰っておいでね・・。
いろんな思いを声に出して語ってあげて、天国に送り出してあげました。
パパも、ママも、そしてスタッフも、ちゃんと天国に行けますように・・と合掌しました。

そのあと、ママさんとは、何度か外来でお会いしました。
1ヶ月検診の時は、まだまだ、涙で、復活しきれなかったママ。本当に、辛そうでした。
夜も寝れなかったでしょうし、食事も美味しくなかったでしょう。
もうすぐ生まれる喜びが、一瞬にして、受け入れ難い悲しみに変わったのですから、落ち込んで当たり前です。
それでも、ママは、少しずつ時間をかけて、立ち直ってくれていました。
そして、
「大分元気になったよ。」
「頑張ってるよ。お兄ちゃんがいてくれるから、救われるわ・・」と笑顔が戻ってこられました。
何回も、お話しました。
最近では、廊下を行ったり来たりする私に「元気?忙しい?」と逆に声をかけて下さいました。
そして、待望の3人目さんの妊娠。
嬉しい!その思いは、百も承知。
でも、嬉しさの影には、やはり、不安や怖さも喜びと同じくらいあったことでしょう。
2年前のことが、頭をよぎったことでしょう。
10ヶ月、無事に過ぎ、そして、陣痛が来ました。
担当助産師は、2人目さんの時と同じ助産師。縁なんでしょうね。
さすが3人目さん。陣痛が強くなってから、3時間ほどで、出産になりました。
元気な弟くんです。
1番目のお兄ちゃんと2番目のお姉ちゃんが、しっかり、生まれる道を作ってきてくれたから、
3番目の弟くんは、通りやすくなっていたんだね。
クリニックに向かうパパが間に合わないスピード出産でした。

今日、ママと一緒に沐浴をしました。
元気よく、おっぱいを吸うところ、見ました。
お姉ちゃんの代わりでもなんでもない。
ちゃんと、ママの3人目さん。

お姉ちゃんの分も幸せになってね。
お兄ちゃんに負けないよう、たくましく育ってね。
そして、元気に生まれてくる奇跡を私たちにも思い出させてくれてありがとね。

にっこり笑って授乳をしているママが見られて、ホッとしました、ありがとう。

eri.hosoda