いつものようにお産の始まる光景。
二人目さんであり、陣痛が来たら早いかな?という予測通り、本格的な陣痛到来後、30分ほどで分娩室へ入室。
一人目さんが1日以上かかったため今回のスピードはご主人はもちろん、お母さん本人も私たちもびっくり。
あっという間に、お嬢ちゃん誕生。生まれてきて、まだ臍の緒を切ってないくらい直後に・・、おめでとう!とその言葉とともに・・、私は迷いもなく思った。
「ダウンちゃんだ」って。
クリニック始まって初めての境遇。そのときのスタッフ&院長の判断で
お父さんにはお産直後に、ダウン症である確立が高いことを告げた。
本当に立派なお父さんで、しっかり現実を一人で受け止めてくださった。
お母さんにはのちに告げた。大きなショックである中、
やはり母の感、生まれてきて間もない我が子の顔を見てなんとなく感じていたと言われた。
入院中に映ったこの家族、この赤ちゃんの居場所はこの家族にしかない、と思うくらい暖かく、やさしく素敵な家族であった。
もちろん、夫婦の間には私たちには計り知れない葛藤や悲しみもたくさんあったと思う。これから先、どんなことと向かい合わなくてはいけないのか、考えても答えはない悩みもたくさんあると思う。
そんな環境の中での家族。接するだけで、私はもちろん、スタッフみんなが、感動と多くの教えをもらった。
こんな前向きな父と母・・。
こんなに助け合える父と母・・。
がんばって普通に大切に育てていくと堂々と言える父と母・・。
ダウン症であることをすぐに教えてもらえてうれしかったとすぐに言える父と母・・。
この子を細田クリニックで生んでよかったと気配りをしてくださる父と母・・。
私たちの家族を選んで生まれてきてくれた、と喜びとして言える父と母・・。
そして、
「これからお産される人の中には、私たちのようにダウン症の赤ちゃんを迎えるかもしれない家族もあるだろうから、是非ブログに載せてください、主人とそう話していたんです。私たちが誰かわかってもいいので・・」と話してくださったお母さん。
そんなこと言えるお母さんは女神のようだと思う。
生まれてきた赤ちゃんは世界一幸せな家族を選んで生まれてきたんだろう。
こんな素敵なお父さん、お母さん、お兄ちゃん、そして、おじいちゃん、おばあちゃんの元だから、幸せの保障つきで生まれてきたのだろう。
退院の後、お母さんさんが、「激動と感動の毎日でした」と、言ってくれた。
「激動」はそりゃそうであろうと、思えるが、「感動」の毎日と表現できるなんて・・。心から思う。この夫婦、お兄ちゃん、そして、生まれてきた赤ちゃんに出会えたこと、たくさんの感動をもらい、教えられたことに、本当に、本当にありがとう。
eri.hosoda