年別アーカイブ: 2013年

国より・・

昨夜、TBSで「いのちの輝きスペシャル」番組をやっていました。
不妊治療でやっと授かった命、染色体異常を背負いながらの命、戦場での命・・・。
いろんな命とその家族をドキュメントでまとめられていました。
さすが、テレビです。
きれいに、感動するように、まとめられています。
でも、現実は、どうなんでしょうか?
もっと苦しくて、悔しくて、悲しくて、という場面、思いもあるはずだと思います。
18トリソミーのお子さんを出産された方のお話しの中で
「どうせ続かない命なんだから、情が移らないうちに亡くなった方が、この子も楽だし、私たち家族も楽では?と思うことがありました」とおっしゃってました。
その発言をテレビ局は、カットせずに放送したことは、一瞬でも同じ思いをされた方に勇気を与えたのではないかと思います。
この2時間番組。殆どのエピソードが、きれいにまとめられていて、広末涼子さんや最近出産した東尾理子さんが、上品に感動の涙を流されて、番組的には、視聴率は良かったのではないかな?と思います。
たくさん学ぶ内容がありました。しかし、この番組を見て、すべての、妊娠・出産・子育ても、きれいな感動のストーリーになるとは思い込まないで欲しいと思います。
少なくとも、私たち、産科に携わる者かつ女性は、複雑な思いで見ていた方もおられるのではないか、と思います。
中には、否定的に感じる場面も無きにしも非ず・・・。
現実を伝えることは、難しいものです。

数日前、日本周産期・新生児医学会のHPの中でアップされた記事があります。
http://www.jspnm.com/topics/data/.pdf
専門家が覗く、学会のHPの中ですが、内容は、一般の方向けの書き方。
たまたま、見つけたので、ここで紹介できますが、国が啓蒙するなら、もっと、新聞やニュースでアピールしないと目に付かないのでは?と思います。
女性に限らず、男性の性器もかかれており、不妊症や性感染症についても触れています。
未婚の方、学生さん、既婚の方、あらゆる方に読んでいただいて、「女性・妊娠・子育て」を考え、ライフプランを思い描いて欲しいと思います。
その中で、想像通りに生きていけるとは、言い切れません。
自分のライフプランを思い描くのは自由です。その上で、昨日のような番組を見ていろいろ感じ、さらにその上に、自分にもいろんなことが起こるかも、というところまで考えてみてください。考え方が変わるかもしれません。

(ただし、常に深く重く考えるのではなく、たまには、ふと考える・・・くらいで充分ですけどね・・。)
eri.hosoda

ある1日

昨日、14日、知人を通じて、とある方のミニライブへ行って来ました。
知人の方は、クリニックを開業するに当たり、お世話になった方で、音楽家であり、会社経営者であり、母であり、日本を飛び回っていらっしゃる方。
その方の人脈から、今回のミニライブのお誘いを受けました。
その方も、チャゲ&飛鳥の飛鳥さんや、福山雅治さん、などなどと深いお知り合い関係。
そこから、の繋がりでしょう。
昨日のライブのメインは、井上艦さん。
井上艦(いのうえ・あきら)さんは、すごく有名な方です。
現在は、福山雅治さんの音楽プロデューサー・アレンジャー・プレーヤー、過去には、ピンクレディーや佐野元春さん、本田美奈子さん、杏里さん、などなど、だれが聞いても知っているアーチストの音楽監督、アレンジャーをなさっていました。何年か前、福山雅治さんのバックで、キーボードを奏でておられる姿をテレビで見たことがあります。
最近では、テレビ番組「泣くな、はらちゃん」(長瀬智也・主演)の音楽全般のプロデュース監督をされていらっしゃって、「僕の劇中歌サウンドトラックが、着うた1位になったんだよ!」と井上さん、語っておられました。

井上さんとお話したとき、「今井美樹がね・・」とか、「福山がさ・・」とか、「(アルフィーの)高見沢なんかさ・・」と、テレビの中の人のことを至近距離50cmの距離で語ってくださって、田舎者、ミーハーの私&院長は、ドキドキしてしまいました。
こんな井上さんが、小さなカフェで少人数のお客さんを前にライブをされたのです。
趣旨は、鳥の歌(http://thesongofbirds.com/)。
人間、生があったら死があります。産婦人科に携わる者は、そのスタートに立ち会う仕事ですが、
もちろん、院長も看護師も助産師も、神様でもないし、魔術も使えないし、占い師でもありません。
生まれてくる命の色、深さ、形、長さは、わかりません。単なるその命を迎える場面に立ち会う仕事。
でも、どんな命であっても、大切にしなくてはいけない、それは、産婦人科を通り越して、みんなが感じないといけないこと。そんな思いを鳥の歌(カザルス地方の民謡)を歌い、聞き、奏でることによって広めていこう・・というライブでした。
言葉では、難しいし、まだまだ井上さんが発せられていることを理解していないですし、理想を語るには、私なんて、みみっちい存在ですが、ライブの中で涙が自然にあふれ出て、どうしようもなく一人の人間としての無力さを感じました。
患者さまと私、患者様とスタッフ、患者さまと院長、スタッフと私、スタッフと院長、スタッフ同士、私と子供、私と院長、・・・・・など、言い出したら切がない繋がり。すべて、人・命あってのことです。

医療者でもなく、母でも妻でもなく、一人の人としていられたライブでした。
井上艦さん、本当にありがとうございました。
(補足・井上艦さん、ご存知でない方、ネットで検索してみてください。本当に有名な方ですよ。)
井上さん

天神川の桜並木が、絶好調です。
関東では、例年になく早く満開を迎えていたので、京都でも、まだかまだかと待っていたら、あっという間に満開です。
今日は、昼から曇ってきたので、明日写真に収めようと思っていたら、明日は雨かも・・という予想。
少々、写真写り、暗いですがスタッフといっしょに五条通りの橋の上から撮りました。
hidarimigi

並べてみると、滑稽ですが、左の写真が五条より北側です。右の写真が五条より南側です。
スカッと晴れていたら、天神川の水面にきれいに桜が写るのですが、残念。
よく見ると、満開ではなく、八分咲き九分咲きくらいのように思うので、明日あさっての雨模様でも、風さえなかったら、残っていてくれるかな・・と思います。
本当に、ダイナミックで、したたかで、でも、しおらしさもあって・・。
毎年、同じ景色ですが、何回見ても、きれい・・、すごい・・という感情は変わりません。
絶対何があっても、この桜並木は保存して欲しいです。
というのも、ある中京区の建物の敷地内角地に、それは立派な桜の木がありました。
1本だけですが、ブドウのようにたわわに桜が咲いていて、立ち止まりたくなるくらいきれいでした。
その敷地の建物が取り壊され、新たに違う建物が建つ予定になったのですが、その桜の木1本だけ、残されていました。そこを通勤路にしているスタッフと「さすがにあの桜は切れないよね・・」と話していた矢先、数日前、桜が咲く前に伐採されていました。
新しい建物を建てるにあたり、その桜が邪魔で、切ってしまう計画をされたのでしょうが・・。
すごく、ショックです。滅多に通らない細い道で、たった1本の桜の木ですが、残念でなりません。
どうにかして、残しておいて欲しかったなあ・・と切に思いました。
なんでもそうですが、あった物を無くすことは簡単です。でも、元に戻すことは容易ではありません。特に自然は戻すことは、不可能に近いと思います。
だから、厚かましいですけど(笑)、クリニックの庭のような桜並木。
ずっとずっと、残しておいて欲しいと思います。
何年も、何十年も・・。
eri.hosoda

春・・

春って、前向きで明るくてウキウキする季節。
そう思えるようになったのは、つい最近です。

私、春が嫌いでした。大・嫌いでした。

理由は、2月14日バレンタイン、3月14日ホワイトデー、そして4月14日の私の誕生日。
彼氏がいないときなんか、なんで私は恵まれないんだろ・・、その末4月14日にひとつ年をとってしまう・・。
一ヶ月ごとに襲ってくる世の中の幸せモードが悲しくて・・。誕生日までも自分で勝手にマイナス方向に考えてました。
そんな理由はほんの一部。
3月になれば、夕方の日の暮れも少しずつ遅くなり、仕事帰りも外は明るく寒さもマシになってきます。でも、どこに行くあてもなく、自宅に帰って、夜勤に行くために仮眠に入る・・。なんて、マンネリ化したこの生活。私って、なんでこんなことしてるんだろうか?と、感じるのが、春の頃。
それに、3月は、新しい生活のために仕事を辞める前途希望に溢れる人たちの送別会。
4月には、新しい生活のために職場にやってくる夢いっぱいの人たちの歓迎会。
私って、何回これ、繰り返すんだろう。その人たちを見て、私、なんも変わってない・・と自己嫌悪。
それが、一番悲しかった理由かもしれません。
そうしながらも、5月の連休くらいには、なんの悲しさ暗さもなく、4月までのくよくよした気分を忘れて、遊んだり騒いだりしている自分があるのです。
このことを人に話すと、結構、「私も春は嫌だよ~」という友人がすごく身近にも何人もいました。
「春は、仕事帰りに涙が出てきていた」「もう来年こそ、心機一転しよう~と思ってたよ」と教えてくれる人もいました。
でも、最近、そんなこと(春が嫌だってこと)コロッと忘れてたのです。理由はわかりません。
今も、2月3月4月、それぞれ14日がやってきます。(注*年をとるのは嫌だけど・・・。)夕方、日が長くなったことも、昔と同じように感じ取れます。
でも、毎日、みんなとしゃべったり、お産や仕事の話はもちろん、主婦スタッフと主婦話や子供の話、若い子たちと若い話(笑)。
家でも、息子にわ~わ~怒りつつすっきりと、娘に「春に遊びに行こう~」と言われ「そんなん、無理~」と言いつつも頭の中で行ける段取り考えたり。
3月にいとこの結婚式に主人と参列。心から祝福し、親族みんなで盛り上がり、また、一人新しい親戚が増え、新しい出会いが楽しみになり、すごくうれしくなったり。おじさんおばさん、たくさんのいとこたちがいてくれることのありがたさを身に染みて感じたり。

今、土から出てきた虫のように、何かしよう~と蠢いています。何かは、決められないんですけど・・。
でも、もうすぐ、また、暑い暑い熱帯地方のような暑さになるはず。
それまでのつかの間、この春を感じられることだけでなく、3月生まれ4月生まれのベビーちゃんに接して、そのママパパと話して、その時々のスタッフと楽しんで過ごそう・・、そう思います。

こういう風に思える自分が、そして、人間って変われるんだってことが、すごく不思議です。
このブログを読んで、多くの友人が「むかし、お互い春って嫌だったね・・・」と、過去形で思ってくれていることでしょう。
eri.hosoda

リニューアル

3月に入りました。お雛様も終わりました。
まだ、真冬?と思うような寒さを感じる日もあります。
かと思えば、ジャケットいらない!!と思う暖かい日があったり。
これも、春なんですよね。寒かったり、暖かかったり。
それに、「卒業式」や「桜前線」という言葉を聞くと、もう3月=春なんだな・・と実感します。
外来の予約を取られる時「その日は、卒園式なので来られません・・」と言われるママもいらっしゃいます。
確実に、季節は変わってきています。進んでいます。
春>冬になってきました。

さて、気付かれた方もいらっしゃると思いますが、開業以来着用していた、スタッフの白衣。
新しく変えました。3月1日からです。
数年前から、「デザイン変えないの?」というスタッフからの声があったり、オープンの時から働いていてくれているスタッフの白衣は、ボロボロになってきたり。
ちょうど、以前の白衣のデザインが生産終了になったため、この際、新しいデザインに新調することにしました。

まず、たくさんのカタログの中の100種類以上から、スタッフ全員で投票。
女性なので一番にデザインに目がいきました。でも、カタログのモデルさん、細いよな・・とか、こんなにきれいなポーズでいられないよな・・とか。みんな、カタログの白衣姿を自分に置き換えること10日間(笑)
機能性やあらゆる年齢のスタッフが着ても着こなせることなどなども考慮し、
投票の結果、3つのデザインに絞りました。
そして、業者さんにその3つを試着用に準備してもらい、サイズもS・M・Lと試して・・。
試着している時間も、どんなに楽しかったことか。
私が着た白衣姿が、中華料理のお店の人に見えたり・・。
女性らしさ(胸元?!)が生えるとか、品粗とか・・。
先生に見せに行こう・・と、病棟から外来に走ったり・・。
本当に大笑い。

最終的に、3つのデザインも投票し、多数決で、この写真の白衣に決定。白衣2


以前の白衣より、
細く見えます。
若く見えます。
明るく見えます。
ウエストが以前のより、キュッと見えます。
パンツが動きやすいです。
スカートの裾も広く動きやすいです。
ピンクの胸元のラインがかわいいです。

この写真を撮るにあたって、ポーズをとってみたり、腕の向きはどうしたら細く見えるとか、後姿は嫌だ、とか、顔は出すのか出さないのか、とか。

スタッフみんな、楽しすぎます。


ここで、少しだけスタッフ紹介!
左は助産師Nさん。いつも前向き朗らかNさん。他の120%パワーの助産師組とタックル組んでバリバリです。
右は看護師Sさん。オープニングスタッフです。外来と病棟、日替わりで、オールマイティーに活躍です。
他の自慢できるスタッフみんなを書きたいところですが、今回は、この二人で・・。

また、何年先までも、この白衣を着続けて、愛着を感じていくことでしょうね。
多くのお産に立会い、赤ちゃんを抱き、いろんな患者さんと接していく・・。
私たちといっしょに、いろんな事いろんな人、全部全部、無言でどんなときも、見てくれていると思います、この白衣・・・。
eri.hosoda