月別アーカイブ: 2009年10月

実行中

日々、妊婦健診&お産に携わっている中で、私たち医療者が思うこと。
それは、1にも2にも安産、元気な赤ちゃんを産んでいただくこと。
そのために、院長は、とにかく無理のない範囲で歩くことを推奨している。
こつこつ、ひたすらいいお産ができると信じて。
本当に、本当に、確実に安産になっている。
先週も木・金・土曜日、そして、今日月曜日、明け方お産があった。
この4人の方全員、入院から1時間から長くて2時間。陣痛発来から、2~4時間。
もちろん初産婦さんもいらっしゃる。
たまたま、安産の方が重なったと思うのだが、今、入院中の方、みなさん、入院、即お産・・という方だ。
もちろん、歩いた=100%安産の保証はない。体重もがんばって増やさず、毎日2時間歩いておられても、時間がかかってしまったっり、赤ちゃんがしんどいサインを出したりすれば、帝王切開になる。
でも、いいお産をしようと毎日努力されていたお母さんは、たとえ、緊急帝王切開になっても、時間がかかってしまっても、いいお母さん。素敵なお母さん。
がんばって歩こうということは、お腹の赤ちゃんのことを思う愛情でもある。だれも、お腹の赤ちゃんにしんどい思いをさせようなんて、思っていないはず。その行動が、日々の努力という形ではないかな、と最近よく思う。

そこで、本題。
毎日、「歩こうね、歩いて、お産のストレスを少なくして、赤ちゃんを楽に産んであげよう」と10回、いや、20回は言っている院長。
それだけ言うならば、自ら実行せねば・・・。
10月初旬から、夜、お産の方がおられなければ、二人でウォーキング開始。
携帯持参はもちろん、緊急で呼ばれたらタクシーに乗れるように2000円をポケットに入れて、ジャージ&パーカー姿。毎回、知らない道を歩く。
最初は、5000歩目標で歩き始めたが、最近は、気付いたら10000歩越える日も。
先週の金曜日の夜は、「今日は疲れたから、少しだけ・・」と決め歩き始めたにもかかわらず、10700歩、6.3kmも歩いた。1時間30分。
(ちなみに、万歩計の他の数値を参考に・・・これだけ歩いても230Kカロリーの消費、菓子パン1個のカロリーも消費していない!!脂肪燃焼量も、たったの32g!!そりゃ、歩いても体重減らないはず)
二人で歩いたいるから、ずっとしゃべりぱなし。だから、もう少し、カロリーは消費しているかもしれない、といい風に考えながら・・。
そして、その後、お産の方の入院があり、2時間の睡眠で仕事モードに入ったので、更にカロリー消費してるかも、とひそかに思う私。
夜歩くといろんなものが見えてくる。
私たちのような歩く人、ランニングする人の多さ。(結構ご夫婦多いです)
コンビニや食べ物屋さんの多いこと。(まだ、誘惑に負けてません。うそでした。1回だけタクシー代のお札がアイスに・・)
バイクや自転車のマナーの悪さ。(自らの命も危険じゃない?と思える)
それから、1日のうち殆ど、同じ空間にいる私たち夫婦なのに、よく、こんなに話す内容があるなあ・・と気付く・・。(口ケンカしても、息が切れてくると長続きしない。ケンカの内容はフェイドアウト・・これ案外いいかも)
昨日は昼間の間に10000歩越え。
先日、台風でもジョギングをする・・というスタッフのうわさを聞いた。
寒いから・・めんどくさいから・・と理由はやめよう、と、「今は」思っている。
ここで、公表したからには、継続せねば・・・・
eri.hosoda



運動会

先週の日曜日、クリニックおよび自宅がある地域の運動会が行われた。
毎年(と言っても、まだ、この地域に引っ越して5年めです)賑やかに、大勢の方のもと行われる運動会。以前住んでたところと全然雰囲気が違ってびっくり。
息子は、リレーで毎年出場させてもらっていたが、今年は、私たち夫婦にも白羽の矢が・・・。
院長3種目、私2種目出場。
本当は、二人で大玉ころがしぐらいなら・・と参加を承諾させてもらった。もちろん、出場する・・と言っておきながら、クリニックに緊急があったり、お産の方がおられたら欠席します、という条件をつけてもらって。
ところが、当日、お産の方もおられず、(競技の合間、緊急呼び出しが2回あったものの)会場とクリニックは自転車で1分。何事もなく参加できた。
役員の方に、他の種目も勧められ(お願いされ?)、たくさん出場したわけだ。
楽しんだ。必死で自分の町を応援し、久しぶりに息子の走りを応援し・・。
クリニックのスタッフ数人もこの地域。全員にあったような・・。
果たして結果はともあれ、もともと体を動かすこと、走ること大好きな院長も、賑やかなこと大好きな私も、リフレッシュできた。
町内の方が、「お医者さんも走れはるんや・・」と言われ、白衣着てずっと産科医だけ・・と思われてた??(笑)ということをくつがえした。
そして、何よりうれしかったこと。
クリニックでお産された方が数え切れないくらい声をかけてくださったこと。
「こんなに大きくなりました」「こんなところで会えるなんて・・」と、お互いジャージ姿で立ち話したり。
トラックをはさんで向こうの方から私たちのいるテントに子どもさんを連れて会いに来てくれたり。
「先生、この運動会終わったら、また妊娠します」と手を振ってくださったり。
お腹の大きなお母さんから「私は出てませんよ、この子が出るので・・」といつも診察に来て、「先生シールほしい・・」というお兄ちゃん連れの妊婦さんとしゃべったり。
同じテント(同じ町内)にもお産された方がいらっしゃって、「同じ町内!!」と笑って話、抱っこさせてもらったり。
そして、今週の外来は「先生~運動会に出ておられましたよね。」と、知らないところでも見られてたんだ!とびっくりしたり。
婦人科の方と、どの町内が強いか、など運動会の話で盛り上がり・・。
本当に有意義な運動会を過ごせたte
そして、綱引きで擦りむいた手を先日の手術のときの手洗い(手術前は消毒液を刷り込むのです)で更に痛くなった・・と自慢げに見せる院長の手を公開しておきます。
eri.hosoda

分娩費

10月1日より、出産育児一時金の医療機関直接支払い制度が開始された。
出産される方にとって、メリットは、出産一時金が38万円から42万円に上がったこと。
それは、これから出産をしようとされる方にとっては喜ばしいことに違いない。
しかし、このシステムの変更に伴い、いくつかの疑問点がある。
まず、このシステムを導入するに当たり、受付の事務作業が大きく変わる。コンピューターの設定や領収書の変更、それだけでなく、電話の問い合わせや妊婦さまへの説明も変えなくてはならない。
それなのに、国からのお達しは3週間ほど前。こんな大切なことを何の説明もなく、文字ばかり羅列された用紙が送られてきただけ。
産婦人科医会に問い合わせすれば、「東京の本部に聞いてください。」「そんなに知りたかったら、大阪の産婦人科医会が説明会をするのでいかれたらどうですか?」とまるで、投げやり。急遽、受付スタッフが大阪まで説明会に参加してくれることになった。
何度も何度も院長と私、受付スタッフ総動員で、カンファレンスを行い、やっと、システムや流れが整って、スタッフの中でシュミレーションが完成された9月30日の出来事、厚労省大臣からの、発表があった。10月1日からのシステムは6ヶ月間猶予をあげます・・あと、6ヶ月は以前のやり方でも構いません。とのお達しがきた。
何っ!!!一生懸命準備して、徹底できるようにシュミレーションして、さあ、明日から・・という時にこのお達し。
腹が立つと言うか、大臣さまの一言で現場がどんなに混乱しているか。
こんな大切なことを、前日に発言するなんて、現場で働く者のことをなんとも思ってないということだ。
もともと、このシステムは今から1年半だけ、という限定付き。その後のことは、そのときに検討します、という内容で開始が決まったわけで、また、何らかの変更が行われる、と予測している。
政党が変わっても、何も変わらない。分娩費用が値上がりして、生む側の方々にはすごくうれしいこと。しかし、新しいシステムは以前のシステムよりかなり複雑であり、そのため、窓口業務は妊婦さんに不安を与えることのないよう、説明や書類の準備に怠れない。
本当に心から、国のトップにたっておられる方に言いたい。
【ぜひ、現場に立ってください】と。
分娩費支給額を42万円にする、という、素晴らしくよいことをされるのに、いいことをするためにも、現場には相当の苦労があると言うことを認識してほしい。
簡単に、「はい。やりなさい。」みたいなやり方はしないでほしい。
産科医療補償制度の導入もそうだった。(妊婦さんみなさんが、入院費以外に3万円の掛け捨て保険に加入しなくてはならない制度。)
やることの意味、やり方の説明も不十分のまま、「お達し」だけを強制しないでほしい。

厚生労働大臣さんも、折角若い方になられた。
だから、1週間くらい、どこかの産婦人科に研修されて、受付の流れだけでなく、昼も夜も働く医師、助産師、看護師を見てほしい。一生懸命生もうとしているお母さんの姿を見てほしい。何も汚されていない純粋な生まれ立ての赤ちゃんを見てほしい。
そうしたら、「はい、42万円に上げたのだから、みなさんうれしいでしょ」みたいな感想で終わらず、他の必要なことも見えてくるはず。
それでもって、初めて、42万円になって本当によかったね~と言えるのではないか。

国会議員でもない私の意見なので、あくまで、一産科に携わるものの参考意見として記しておく。


eri.hosoda