開業してから、夜勤をしたり、一睡もせず朝を迎えたり、この年令にしては、かなりハードだな~と我ながら思う日々。
この生活がいつまで続くか、というより、いつまで続けられるか、とフッと考えることもある。しかし、私は、産婦人科医の妻である以上、助産師である以上、スタッフのみんなががんばってくれている以上この生活が続くであろう、と思っている。
数日前、婦人科の患者さまと私の生活や体力について話をしていたら、
「体はともかく、頭もフル回転してるから、大変ですね。偉いですね~。」
と言われた。
そのときは、なんとも思わず、
「偉くないですよ。その場その場で必死で考えてるだけです。」
と答えたが、仕事を終え、閉まりかけのスーパーで買い物をしながら、ふっと思った。
・・・私だけでなく、女の人って偉いな~・・・って。
なぜなら、仕事は人それぞれではあるが、そのときはその仕事のことを一生懸命考える。しかし、買い物に行けば、即、今日の夕飯は何にしようか、そして、できるだけ安く、かつ、おいしいもので、栄養のことも考えて短時間でスーパーを一周する。しかもほぼ毎日。
夕飯を終えて、フッとした時間には、子どもの学校のこと、将来のことも話したり考えたりする。
・・・今日の夕飯のことも考えつつ、何年も先のことも考える。
・・・財布の中の100円200円のことも考えて使う反面、将来の学費や何年も先の状態も考えたりする。
これって、女だからできるのであろう。
大多数の男性人は、仕事を終え帰宅すれば夕飯が並んでいる。今日の夕飯何にしようか、これが安いからこれで○○を作ろう、と頭の転換をすることはない。子どもが、△△を買うからお金ちょうだい、と言ってもそれが必要かどうか深く考えない。というか、普通はお母さんの方に子どもも言ってくる。
家の中の物の在りかも80%は主婦が知っている。
「そりゃ違うよ」と反論する男性もたくさんいると思うが、女性の頭の方が考える種類が多いと思うのは私の勝手ではないと思う。
だから、全く違う頭を持つ男と女であるから、夫婦はうまくいくのであろう・・(笑)
eri.hosoda
月別アーカイブ: 2007年1月
1年経てば・・・
最近、クリニックの中でいろんなものが、修理に出されている。
家庭でも同じであるが、何か1つ壊れたら、他の物も調子が悪くなる傾向にある。そう思うのは私だけだろうか。
我が家でも、昨年、電子レンジが全く使えず、不便な生活をし、修理が終わって使えるようになったら、数日後、洗濯機が回らなくなってしまった。洗濯機が直った直後にドライヤーが動かなくなった。
昭和の私たちの生まれるまでは、洗濯機も2槽製だったし、脱水もハンドルでまわしローラーの間に洗濯物を入れ、ペシャンコにして脱水した時代をなんとなく知っている。だから、全自動が動かなくなっても一昔前に戻ったと思えばいいのだが・・。
電子レンジなんて、この10数年くらいで普及してきたように思う。お鍋で温めたらすむことであるのだが・・。お弁当を入れる立場では冷凍食品が使えないという現実が悲しすぎた。
でも、電化製品の成長は人間が楽になるようにされていて、楽を覚えたら、昔には戻れないものだ。だから壊れたら、生活に不便を感じてしまう。
クリニックでは、数日前から、洗濯機の乾燥機能がやられてしまった。
洗濯を干す場所もなく、まして、こんな寒い冬にタオル1つ乾くことはない。昨日は、私がいくつか自宅に持って帰って、我が家の乾燥機を回すことで事がスムーズに動いた。
あとは、パソコン。病棟のパソコンが役立たずになってしまった。一応電源は入り、大体のことは使用できたのだが、肝心の文字を打つことが出来なくなっていた。毎日ルームセクレタリーはパソコンを必要としているので、現在修理に出している間、悪戦苦闘。午前の外来が終わって夜診が始まるまでの、1時間ほどの間に、外来のパソコンを使って仕事をこなしている。
それから、電球。1年経てば交換の時期であるらしいが、「エレベーター前の電球が切れてます。」や、「お部屋の間接照明がつきません」など、よく聞く。すべて特殊な電球を使っているため、近くの電化製品のお店で買うことが出来ず、注文して買い置きしておくことが必要だ。しかも、スタッフの中では院長とセクレタリーのベテラン1人しか電球交換ができない。これも、大変だ。
こうやって、クリニックの建物や電化製品が次々にダウンしていく。
1年半前の、コンクリートや配線むき出しの建築の途中が懐かしい。
いつまでも、きれいで、新品であるわけはないのだが、何だか、月日が経ったことがしみじみ感じられる。
eri.hosoda
2007年スタート
少し遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。
もう、新年を迎えて1週間。年賀状の数も日々減ってきて、お正月気分はなくなってきた。
今年のお正月は、我が家は、全く雰囲気なく、年賀状が届くことだけが、唯一の新年ムードだった。
年末から年始にかけて、クリニックは満床で、しかも、弛緩出血(←お産の後に子宮がもとに戻らず大出血を起こすこと)や、胎盤早期剥離(←まだ赤ちゃんが生まれてないのに先に胎盤がはがれてしまうこと。それによって、赤ちゃんに血液や酸素が行かなくなる)が、全く前触れもなく予測因子もなく、起こった。
すべて、緊急処置、緊急帝王切開の判断で、お母さんも、赤ちゃんも無事であった。本当によかった。何より、お母さんやご家族の方々がどんなときも、私たちの説明や行動に協力的で理解していただいたことは命を救う過程で一番助かることだったと思う。
産科は予測できる異常もたくさんあるが、予測できない異常もたくさんある。
それは、誰にでも起こりうる。つい、数分前まで「順調ですよ」といわれている方でも。
予測できないことがいつ起こっても、お母さんと赤ちゃんの2つの命は守らなくてはならない。スタッフには、そのとき、1分1秒待てない判断と行動と対応が即座に要求される。つまり、普段の何倍ものエネルギーとパワーを要する。
こんな、滅多に起こらない症例が、続けさまに起こった年末年始。
産科はいろんなことがある!がんばれ!最善を尽くして命を守れ!という天からの使命であろう。
ということで、やっと、1月7日にして、ブログを書く時間が出来た。最初から硬い厳しい内容になってしまった。
でも、元気なお母さんの笑顔とフロア中に響きわたる赤ちゃんの声が1月7日の細田クリニックだ。
eri.hosoda