月別アーカイブ: 2005年10月

ベッド

今,ベッドの決定をしようとしている。
クリニックに入院して頂く方々にとってベッドは大切な物である。
家庭なら、夜1日の生活を終えて使用するだけの短時間であるが、入院となると1日のほとんどをベッドの上で過ごしていただくことになる。
ベッドの種類は数え切れないほどある。
百貨店、量販店、通販のカタログ、などなど・・・たくさんの利点をうたい文句に、値段もピンからキリまである。
ベッドを決める事で悩むと思わなかったから、納品期限ぎりぎりになってしまった。
設計士の先生に提示して頂いたベッドの優れているところをお聞きし、他のクリニックで使用されている事も聞いた。
しかし、1度さわってみたかった。紙面上だけの利点を信じて決めるのではなく実感してみたかった。無理にお願いして、自宅に1台搬入して頂くことになった。実際さわってみたら、すごくいいベッドである。今話題の最新のベッド。
しかし、残念な事に私には合わず、酔ってしまった。高級なベッドに寝慣れないせいかベッドから降りたあともジェットコースターから降りたみたいになっていた。
私1人だけの意見ではいけないと思い、何人かに寝っ転がってもらった。「ゆらゆらするね」「ボヨヨ~ンって感じ」が第一声。
そこで、主人と打ち合わせの合間にいろいろなお店をはしごし、展示してあるベッドに座ってみたり、横になったりしてみた。「こんな感じ」という感触を体で覚え再度、設計士の先生に相談してみた。
・・・・・・今の時点でまだ決まっていない。納入に間に合うか。
しかし、お産という大役をはたし終えてホッとしたお母さんがベッドで横になり、傍らでお父さんと上のお子様がベッドの縁に座り・・・・・。
そんな光景を想像したら、簡単に決めてはいけないと思う私のこだわりである。
                            ERI.HOSODA

お答えします

先日ブログの中で、ななこ様より入院費用のご質問をいただきました。ななこ様のメールアドレスがわからずこのページでお返事させて頂きます。実際ななこ様だけでなく、お電話で同じような質問をたくさん頂いております。みなさん、かかる費用はもちろん気になられる事ですよね。
ただし、当細田クリニックは全くの新規開業です。今までは・・・という例を出す事が出来ず、「おそらく」とか「だいたい」という言葉が前につく事をご了承下さい。


分娩による入院費・・・・・その人それぞれの分娩経過や入院日数により異なりますが、おおむね40~45万円です。(余談ですが、分娩費用は地域によって差があるそうです。平均関東では関西のおおよそ10万円ほど高く、地方では少なくても5万円は安いそうです。)
外来費用・・・・・入院費と同じく人それぞれの内容や出される薬によって異なりますが、普通の妊婦健診ならば、3~5千円程度でしょう。


その他、日々、ななこ様以外にも直接メールやお電話でご質問をいただいています。よく聞かれる内容に関しいくつか、上げさせて頂きます。
入院施設・・・・・全室個室です。お部屋ではご主人にも泊まって頂けるようにソファーベッドを備えています。ご希望があれば、お食事(実費になります)も用意させて頂きます。
分娩・・・・・立ち会い可能な分娩室で、お産が重なってもプライバシーが保たれるように2室あります。産後は母子同室ですが、お疲れの時などは、新生児室でお預かりできるようにしています。
お食事・・・・・産後に必要な栄養素やカロリーを考えた食事で、かつ、おいしいと思ってもらえるメニューを栄養士の方と相談中です。また、産後しばらくはくつろぎながら食事が出来ない、と言う声を元に、ご希望があれば入院中にご主人や上のお子様と、お祝いをかねたお食事をしていただく計画も考え中です。
 
 その他、婦人科の方や更年期の悩みをお持ちの方、御妊娠希望の方、生み分け希望の方などからもここでは書ききれないほど、たくさんお問い合わせのメール、お電話をいただいています。出来る限りのお返事をさせて頂きますので、お気軽にご連絡下さい。電話番号は近々クリニック新設に伴い専用の電話番号が決定致します。ホームページか何らかの方法でお知らせ致します。


 それから、ななこ様がブログの中で「立派な建物=費用が高い?」とかかれていますが、決して患者様からいただく診療報酬に闇の上乗せなんていたしません。正直なところ、建物にはかなりの金額を投資しました。(・・・というと聞こえがいいですがすべて借金ですf^-^;・・・) だからと言って、プラスαの請求はしませんから、ご安心下さい。院長いわく、「借金は80才までに返せたらいいか・・・」なんて言っています。
 いったい何歳まで現役の産婦人科医をやるつもりやら・・・・・。

はずれたシート

今週初め、養生のシートがはずされた。
見まくった。
五条の南の歩道から・・・
建物の真下から・・・
天神川の南からクリニックに向かって歩きながら・・・
車で西から東へ・・・東から西へ・・・
西京極球場の歩道橋の上から・・・
夜の建物・・・
夕日があたる建物・・・
朝日があたる建物・・・
いろんな形で見えた。建物の色が(正確には正面のルーバーが)角度によって違う色を呈した。想像とははるかに大きく目立って見えた(自己満足かも?)。

これから先この中でどんな人間関係が出来るのであろうか。
働くスタッフ同士、スタッフと患者様、妊婦様、生まれてきたかけがいのない子供たち・・・
この建物の中で、いろいろなつながりが出来ていくだろう。いろいろな会話があるだろう。
そのつながりを大切に大切にしていこう、細田クリニックに行ってよかったと思ってもらえるように心がけよう、人と人のつながりが、こんなに大切でうれしいことなんだ、と感じてもらえるクリニックにしよう、いいことがたくさんあるクリニックにしよう・・・・
そう、私たちに思わせる建物に出会った。
今まで建物の完成を1つの目標に進んできたが、これからが本当の細田クリニックのスタートなんだと涙が出るくらい感じた。こんな心境初めてだ。体験した事ない。建物に恋したのも生まれて初めてだ。
きっと、この建物に来て下さる方、働いて下さる方を愛する事は、院長も私も自信を持って出来そうだ。

最後に、こんなに愛せる建物を与えて下さった松山先生をはじめ松山建築設計室の皆さま、現場で働いて下さっている皆さま、清水建設の皆さま、本当に本当にありがとうございます。(あと少しよろしくお願いします。)
                               ERI.HOSODA

引っ越しで・・・

やっと、ホームページを見ることができました。
そのわけは・・・・


クリニックを開院することが決まってから、問題の1つであった自宅との距離。
五条天神川から今まで住んでいた自宅まで、夜でも30分昼間なら40~50分かかってしまうという産婦人科医としては致命的なこと。
これではいけないとずっと考えて、やっと、1週間前にクリニックの近くに引っ越すことができました。徒歩数分、まさにスープの冷めない距離です。
入院患者さんがいらっしゃる限り、院長は全責任を負わなければなりません。
何か不都合があれば(あってはいけないのですが)、その時に当直してくれている助産師、看護師の責任ではなく、100%院長なのです。そんな責任ある立場のものが、30分40分かけてクリニックに行く、ということは、すでに間違っている、という院長(主人)の考え。人の命をあずかる仕事の重み、それは医師になって1年目から変わらないのです。それにともなって、その院長を支えて日々フォローしクリニックの裏方を守る私、そして家族が、クリニックの近くに引っ越すことは当然です。
・・・・・で、引っ越したのはいいのですが、ちょっとした手続きの間違いでインターネットに接続ができない状態になっているのです。
今の世の中、インターネットのありがたさ、必要性をひしひしと感じたこの1週間。
友人にネットカフェの場所を聞いて、二人で駆けつけました。
ブログをあけてみて、新しい声を入力してくださってる方のブログを読ませていただき、2週間ぶりに書き込んでいます。
いつも、励ましていただいたブログをお守りに、明日からがんばります。
                                  ERI・HOSODA


もうすぐ

あと何日間で建物の養生(工事中に建物を覆っている青いシート)が、はずされてしまう
と言うより、はずれる。やっと、誰から見ても、どこから見ても、堂々と建物として存在する。
なのに、なぜか「はずされてしまう」という、悲しい表現が1番に出てきた。
ある方とお話をしていたときに、
「もうすぐ周りのシートがはずれますね」
と言われた。本来はすごくうれしい事だし、待ち望んでいる事。
しかし、その時、外は音を立てるような大雨で、私は一瞬泣きそうになる感情で
(こんな大雨の日には、あの建物は雨にさらされてしまう)
と想像してしまった。その方に
「でも、大切に思いすぎてふところに入れて雨から守りたい心境です」
と、とっさに答えたのだ。
まだ、細田クリニックを象徴できる物は、建物しかない。
スターティングスタッフもまだ決定してない。医療器具も、家具もない。
もちろん、そこでお産して頂くお母さんや赤ちゃんも、笑顔をふりまいて下さる婦人科の方の存在も、ない。
そのすべてを受けさせて頂くため、細田クリニックをスタートさせるためには、この建物が不可欠な物である。まだ今は、細田クリニックと言える形は、主人「院長」と私、そして、建物だけなのだ。もうすぐ、スタッフも決定させて頂き、 11月には家具や医療器具などの搬入がある。そうなれば、細田クリニックはドンドン膨らんで行き、ドンドン温度が上がってきそうだ。建物を眺めて、あ~、細田クリニックだ~なんて考えている余裕などないだろう。大雨の日も気にならなくなるであろう。
しかし、最後まで私たちと逃げも隠れもしないだろうこの建物には、愛着を忘れないし、つらい事悲しい事があっても前に立って見上げれば、救ってくれるような気がする。


だから、シートがはずされた後、雨の日には、大きな傘を広げてやりたい、シートをかけてやりたい、と思うのであろう。でかい我が子のようである・・・。
                                        ERI.HOSODA