京都市右京区西京極南大入町88
ここに開業して、間もなく10年が経とうとしています。
正確に言うと、2005年11月1日にオープニングスタッフが顔を合わせ、そこから、何もない、形も土台もない産婦人科クリニックを作り始めました。
最初の外来は、患者さま来院数5~6人という日も。それでも、スタッフみんなてんてこ舞い。院長も汗ブルブルかいて頑張っていました。
今では1日100人近くの患者さまが来られる毎日なので、その10人未満の患者さまの人数であたふたしていたころは、記憶から消えてしまいそうです。
今の思い、いろんなことを思い出し、懐かしみ、また、改めて反省し、そして、お産を再度振り返ってみて、今日明日、そして、これからの毎日に生かしていこうと思います。
お産は、開業当初の10年前、古代の時代から途切れることなく、かつ、変わりなく受け継がれています。
女性だけの妊娠。・・・男性の妊娠はありません。
子宮に10か月宿り、女性だけが生む。・・・男性は生めません。
赤ちゃんも、外に飛び出す時を待っている。・・・人間は1年2年と子宮にいることはありません。
産婦人科医、助産師、産科看護師、産科に働くものの役目は、
そのプロセスの中で、医療としてお手伝いをしようとしているだけ。
もちろん、院長も私もスタッフも、徹夜したこともあります。どうしたら、いいのか悩み抜いたお産もあります。どう接してあげたらいいのか、考えさせられるママもいました。病気のママ、状態が悪い赤ちゃん、急変した分娩、思いだすと、分娩の数だけのストーリーがあります。それだけでなく、仕事優先の生活では、家族を犠牲にしてきたこともあります。
それでも、いつも、どうか無事に生まれてきてくれますように、このまま何もなく、お産が終わりますように、そう願っているのです。
もちろん、宗教じゃありません。
祈るだけでなく、医療者としての助けが必要な時は、お薬を使用します、帝王切開もします。
緊急も対応します、想像より時間がかかるお産も考えます。そのケースケースによって、最善を尽くす、かかわるスタッフが責任をもってお産を導く。それもすべて、家族という最小ユニットのスタート、プロセス、の助けをする仕事と思い、毎日、10年間過ごしてきました。
みなさんの生みだす力、普通分娩も吸引分娩も帝王切開も、大切なことです。
ママの中にある生み出す力を充分使って、生き物としての本能を引き出して、新しい命、家族を生み出してほしい、そう信じて、願っています。
なんだか、思いにふけっていると、どうしても、難しい表現になってしまいますね。
文章が下手で、うまく伝わっていないと思いますが・・
これが、10年間携わってきたお産への思いです。
この先、10年20年、健康で今までと変わりなく仕事ができるかどうか。それは、誰にもわかりません。
生きていくことは、社会の何かに役立つ仕事をすること、小さいころから言われていました。
亡くなった院長の父も、死ぬまで産婦人科医として働く!(病に伏せてからは仕方なく引退しましたが)と言っていました。
来られる患者さま、妊婦さま、そして、いっしょに頑張ってくれているスタッフがいてくれる間は頑張ろう、頑張れそう、と思います。
硬いブログになりましたが、普段は、院長もスタッフも、私も、難しいことを表に出さず、硬くなく、ふんわりふんわり、ニコニコ、時には、ダラーリと穏やかに過ごしています(笑)
eri.hosoda