どの新聞のトップも、今日は小学1年生男児殺人の容疑者逮捕の記事が出ていた。
想像もできない人間関係。
まだ、ほんの一部しか明らかになっていないが、殺された男児の2軒となりのおばちゃんが、しかも、わが子を亡くしたばかりの母親が、男児の殺人に何らかの形で、携わっていたらしい。
わけがわからない世の中になってきた。
ことわざで
「遠い親戚より近くの他人」
と言われるくらい、いざという時は近くにいてくれる友人知人が助けになると信じていた。実際そう感じる事はたくさんある。
体調を崩したとき、子供の学校のことでわからないとき、おいしい食べ物をいただいたとき、やはり、遠い実家の母親より、日々顔を合わせる友人たちが話しを聞いてくれたり、手を貸してくれたり、お裾分けしたり・・・。
でも、こんな私の今ある環境とは裏腹に、同じ町内の中の人同士で、人を殺められることが実際にあったわけだ。
クリニックでは、患者さまや妊婦さまが来院された最初の頃に、「家族で大きな病気の方はありませんか?」と聞く。
今はまだ、「祖父が、胃ガンです」とか、「母が糖尿病です」と普通の答えが返ってくる。でも、今生まれてくる子供たちが大人になったとき、もっと複雑な世になって、列車事故や飛行機事故も増えて、無差別殺人なんかも増えてしまって、
「父は、脳出血で、母は、通り魔に殺されました」とか、
「父は殺され、母は列車事故で亡くなりました。」
なんて会話が当たり前になりはしないだろうか。
そんな世の中にならないように私たち大人は真剣に考えないといけないのだが、はたして、どうしたらいいのだろうかは、わからない。
今生まれてくる子供たちを育てるだけでなく、人としていい人間になってくれること、そして、いい環境を作ってやること、当たり前のことだし、生まれたばかりの赤ちゃんを目の前にすると大人は決意することであろう。逮捕された容疑者も1度は思ったであろう。
人として生まれたのに、人を殺めたり、ましては、自分を殺したり(自殺)したりしないよう精一杯生きることという、生きる基本を身を挺して教えていかないといけない世の中になったのであろうか。
悲しい。今、何も知らず生まれてきた子供たちを、そして、一生懸命生んでくれた父母を決して悲しませたくない。
eri.hosoda