細田クリニックのひとりごと

お産ラッシュ

5月の末から、毎日、毎夜出産ラッシュです。
いろんな出産、いろんなママ、いろんなベビー、そして、スタッフのいろんなアイデア。
すべて、目まぐるしく動きます。 決して、教科書通りのお産なんて、1つもありません。 この人とあの人と同じ、というお産もありません。 帝王切開も吸引分娩もあります。 想定内の進み方だけでなく、想定外の進み方もあります。 そんな中、スタッフも院長も、「安全なお産」と「満足なお産」との狭間。 満足なお産イコール安全なお産、かもしれませんが、そこにたどり着くまでは、 日々、悩み、葛藤し、そして、話し合い、合図する。 スタッフ同士だけでなく、もちろん、パパやママとも話し合い、声をかけ・・・。
そうして、院長もスタッフも私も、一つ一つのお産の中で成長させてもらっている気がします。
こんなに、日本の医療が発達していても、まだまだ、妊産婦死亡がゼロにはなりません。 年間、数十人の死亡例があるわけです。 何の手も出せない不可抗力の出来事も確かにあります。どんな医療が発展していても救えない命もあります。日本一の東大や有名病院に行けば、100%命は保証されるということではないのです。それがこんなに発展している日本の、いえ、世界のお産の現状です。
連日、夜中にお産が続き、睡眠時間2~3時間が1週間ほど続く院長。
医局の冷蔵庫に並ぶ、「珉眠打破」(←商品名です)と濃い濃いエスプレッソを飲みながらの外来。
その最中に、私から院長に、こんな会話をしました。 「忙しいときほど、気を抜いたらあかんよ!どんな忙しくても、その人にとって、そのお産は自分だけなんだしね!!妊産婦死亡率がゼロにならん、ということは、明日は誰かに起こるかもしれないってことだしね~」と。 なんと鬼嫁(笑)って思われるかもしれませんけど、院長は 「わかってる~!お産で気を抜くことはない、ない!」とおっとり、いつもの口調で言葉にし、珉珉打破を飲み干していました。 決して、気を抜いて驕ってしまう院長ではありませんけど、改めて、声に出し、自分で自分の耳にいれることも必要。私にも。
スタッフは、すごい!どんなに満床で夜中にお産2件3件あっても、朝の申し送りが終わると、 きれいに終了。かっこいい~!!と思いながら「お疲れさま」と声かけます。

そろそろお産ラッシュは終わりそうな予感。
昨夜、夜中1時過ぎに帰宅した院長。
突然、 「運動不足だし、運動しなあかんわ・・・」と、つぶやいてました。
確かに・・。 昼間は、診察室と内診室の10歩くらい・・を100往復くらい。
2~3分ほどの家とクリニックの移動、しかも、自転車。
辛うじて、クリニックの中ではエレベーターはほとんど使わず、階段で昇り降りするくらい。
そりゃ、おなかも出てくるはず・・。
こんなたわいもない話をしながら、ベッドに入り、夜が明け始めたころ、またまたお産で出かけて行った院長。
その時の会話は、「今日は晴れそう・・」ですって。
eri.hosoda