細田クリニックのひとりごと

携帯電話

今や携帯なしでは、生活できない毎日。
つい何年か前までは、持ってない人もそんなに珍しくなかったが、
今は、学生から、主婦から、おじいちゃんおばあちゃんまで、自分の携帯を持っている。財布と同じ感覚で、出かけるときは財布と携帯を確認して出かけるのが
当たり前の時代だ。
助かる面は、なんと言っても、便利さ。
いつでも、どこにいても、連絡がとれる。
産婦人科にとっては、絶対不可欠なもの。
ポケベルの時代は、困ったものだった。休日など看護師が医師をコールするものの返事がない。患者さまのことを聞くのに、時間に余裕のないことも多々あった。
自宅に電話しても、ポケベルを鳴らしてもコールバックがない頃は、どんなにあせったことか・・。何分かたって、医師の「ごめ~ん、公衆電話がなくてさ~」とか、「バスに乗ってたのよ」の答え。
看護すること以外に医師をコールするという行動は大きなストレスだった。
今は、北海道や九州にいても、車や電車の中でも連絡することができる。
携帯の機種によっては、海外でも通じる。
それに、看護師として、医師の自宅に電話をかけるとき、どんなに緊急であっても、1番に医師本人が電話に出てくれるとは限らなかった。家族の方が、電話を取られると、「夜分にすいません。○○病院産婦人科看護師の△△と言うものですが、××先生いらっしゃいますか?」
と取り次いでもらわなくてはならなかった。小さなお子さんが電話を取られると、次にお母さん(奥さん)が電話口に・・という事もあった。
そのタイムロスは今はない。よほどじゃない限り、携帯なら絶対本人がでる。
気が楽である。
他には、お産のとき、ご主人が立会いでなくても、瞬時に、「生まれた」コールをすることが出来る。中には、写メールで、生まれたての赤ちゃんを送ってみたり、生まれたての声を携帯越しで聞いたり。
こんなに便利になった携帯電話。5年先10年先はもっと便利になると思う。
それを使いこなせるおばさん?おばあさん?にならなくては・・・。
その反面、最近、子どもが、夜に友達の自宅に電話をしなくてはいけないとき、
「なあ~、今ならこんばんわ?こんにちは?どっち?」と聞いてきたり、
電話をかける前に、「どうか、本人が出ますように・・」と言ってるのを聞くと、
携帯の便利さの後ろに、失われているものもたくさんあるようにも思う。
                     eri.hosoda