連日の暑さ、ついに熱帯地方になったような日本です。
体調管理、大切ですね・・・。
この暑さでも、お産は待ってくれません。連日、お産です。
暑い中、頑張って陣痛を乗り越えて、戦っておられるママです。
ちょうど1週間前、すごく、心に残る出産がありました。
ママの陣痛が強くなり、お姉ちゃんとママはクリニックへ。
パパは、たまたま、職場での研修があるとのことで一緒に来ることができず、とりあえず二人で来院です。その間、パパは、研修をキャンセルできるか、上の方に報告中だとのこと。
子宮口5センチで入院が決まり・・・・
もう、どんどん進み、陣痛待機室を経由せず、直接、分娩室です。
ママは、きつい陣痛の間、呼吸法をして、しっかり、おなかの赤ちゃんに酸素供給中。
最初は少し余裕もあり、お姉ちゃんとの会話もスムーズなママ。でも、今から思えば、ママは、平気な顔してお姉ちゃんに不安を感じさせないように、頑張っておられたのかもしれません。
パパは、上司とのお話合いの結果、即、クリニックに向かうように言われたとのことで、あと10分ほどで到着予定と連絡有。
おなかの赤ちゃんも、早く生まれたいらしく、ぐいぐいと出てくる気配。
ママも、だんだん汗ばむ陣痛で、お姉ちゃんとの会話もさすがにとぎれとぎれになってきました。
そんなお姉ちゃんも、少しずつ、落ち着かない様子。
スタッフ・私「ここに座る?」
・・・お姉ちゃん「いやだ!こっちがいい!」
スタッフ・私「ママに頑張って!て言ってあげようか」
・・・お姉ちゃん「がんばって~・・、でも、もういや」
スタッフ・私「シール上げるからね~だから、もう少し待っててね。お姉ちゃん偉いね。」
・・・お姉ちゃん「うん!」
当たり前ですよね。
今まで、生まれてからずっと自分ひとりで、パパとママの愛情を誰にも邪魔されず100%もらって育ってきたはず。
その、愛情を半分、生まれてくる赤ちゃんにあげなくてはいけません。
絶対、不安で、嫌で、想像もつかなくて、、、、でも、ここにいる人みんな、生まれてくる赤ちゃんを待っている、この雰囲気。
ジェラシーを持ちつつ、この分娩室では、自分じゃなく、ママと赤ちゃんが主人公であることを3才児なりにわかっているお姉ちゃん。生まれてからたった数年で、初めての大きな衝撃を味わっているのです。
もう、そろそろ、パパがやってくるはず。
もう、そろそろ、生まれそうな雰囲気。
思わず言った私「お姉ちゃん?玄関まで、パパ迎えに行こう!!!」
お姉ちゃん「う~ん!!!!」大きな声です。
私その時は、お姉ちゃん、パパを待っていたのだと思いました。
無意識に私の手を握って、猛ダッシュで1階玄関へ向かいました。
自動ドアの前で、私とお姉ちゃん、手をつないで、駐車場の方を向いて立っていました。
1分もしないうちに、一人の男性が、早歩きでこちらに向かってこられました。
絶対、パパだ!
「パパぁぁぁぁ!!!!!は、や、くぅぅぅ!!!!!」
「こっちぃぃぃl!!!!!!はやく・・・・!!!!!」
私は何も言ってません。自らお姉ちゃんの絶叫です。
お姉ちゃん、わかってる・・。
お姉ちゃん自身がパパを待ってるのではなく、頑張ってるママと赤ちゃんのところへ行くためにパパを迎えにきたこと。
それから、また、3人で猛ダッシュで分娩室へ。
「え?もう、生まれるんですか?」そんな会話をパパと交わした数分後、お姉ちゃんそっくりな元気な妹ちゃんが誕生です。入院されて、40分の出産です。
パパもママも、赤ちゃんも、お姉ちゃんも、みんな頑張った、まさに命の誕生ひと時。
素敵で、きれいで、家族が膨らんだ瞬間を感じさせてもらいました。
落ち着いた頃、お姉ちゃんが、何気に話し出しました。
「ママが、うーん、うーん、って言うて、赤ちゃん生まれてきた・・。でも〇〇(自分の名前)の時、もっともっと、うーん、うーん、って、いっぱいいっぱいママ言ってた。だから、早く出たいよう・・って思って、〇〇(自分の名前)がんばってん」
「真っ暗やったし、ママ、うーんうーん、もっともっとたくさーん言ってたから、〇〇、出よう出ようとしてん」
自分の生まれてくるときのこと、外からの様子ではなく、自分が見てきた生まれる瞬間を突然、穏やかに話し出したお姉ちゃん。
このクリニックで3年前生まれた時のこと、その時、誰もその話、していないのに。
ママ「え?覚えたの?今、思い出したんの?そんな話、初めて聞いた~」
ママも、お姉ちゃんの初めて語る記憶に驚きつつも、笑顔で穏やかに答えておられました。
まだまだ、赤ちゃん返りはするでしょうけど、少しずつお姉ちゃんになっていく瞬間を形でも置いておけないし、カメラにも残らないし、忘れてしまうかもしれない一瞬だったけど、しっかり鮮やかに見せてくれた、私の心には忘れられないキューンとする出産、ご家族でした。
追伸*パパが上司の方に「研修と出産が重なり、どうしましょ?」と相談すると、その方がパパに言われたそうです。
「そんなの100対0で、出産やろ!はやく病院行ってあげなさい!」と。
それも、すごくすごく素敵な上司の方です。
ここに書くこと、ご本人、了承すみです。
eri.hosoda