月別アーカイブ: 2010年5月

書くこと

さかのぼって約5年間、163回この今日のひとことにエントリーしている。
自分であまり振り返ることはないけれど、たまには、読み返すこともする。
このクリニックのブログは、個人的なことや、全く関係のないことは、まずいかな?と思ったり、クリニックに関係のあることでも、すごく、言葉を選んでしまうし、個人名を出したり、こちらの偏った一方的な感情や意見は控えなくてはならない。


でも、正直な思い、伝えたいことには偽りなく表現したい。

そう思いつつ、言葉(会話)で表現するのと、文章で表現するのでは、全く捉え方が違ってくる。
会話は、表情や補足の言葉、あるいは、しゃべる場面によって、言葉そのものの選び方、使い方の違いもある。
でも、文章は、一方的だし、相手の捕らえようによってすべて変わってしまう。
時々、「いつもブログ読ませてもらっています。すごいですね。」と妊婦さん・患者さん、そのご家族の方から言われる。でも、私は「ありがとうございます」という反面、(私、すごい人でもないです!!普通のおばちゃんです!!)と心から思う。
スタッフや友人は、「私」・・という人間を知ってくれているので、私のダメなところ、できないところ、間抜けなところ、もすべてわかってくれているけれど、全く私と接することがなくブログを読まれる方は、私の個人的な思いを限られた文章で書くほんの一部であることをわかって欲しい。

私は、いろんな人のブログをいつも読むようにしている。
同じ産婦人科関係の方のブログ、
他、こちらで出産された方のブログやmixiなどもあるし、
滅多に会えない友人の日々を垣間見たり、
全く関係ない方の「雑貨屋さんめぐり」などの日記もあり、私が満たしたいけど満たせない世界も覗いてみたりもする。
それらを読みながら、
「この人はこう思ってるだろうけど、私はありえへんわ~」
「この人毎日ランチに出かけているけれど、一体どんな生活してはるんやろ~」と
思ったり、想像してしまうこともある。
でも、実際は文章だけではわからないし、毎日ランチに行かれている記事を読んでも、ランチ以外の時間は、大変なハードな時間を過ごされているのかもしれないし、ランチを食べて何か記事を書かれる仕事かもしれない。ブログだけの文章では、わからないこと。
でも、こうして、いろんな人のブログを見ることは、自分の考えや思いをめぐらし、いろんな感情や思い、想像を持つ、いいチャンスなのかもしれない。頭の刺激になっている。
なので、このブログを書くことも、山ある題材の中から、自分なりの表現を、そのときの感情でエントリーする、いい体験なのかな?と思っている。
私のブログもどんな解釈をされているのか~?と頭をよぎってしまうけど、
これからも、嘘偽りだけはなく、更新し続けてみようか・・・と思う。
時間ある限り、お産のことや、クリニックのこと、時には、院長やスタッフのことを、私なりの言葉で、ドンドンと・・・。
(毎日はやはり、無理(><)・・)
eri.hosoda

友人の出産

産科歴ん十年になった今、1000例を越すお産の介助をさせてもらい、
かつ、赤ちゃん係りや、分娩のその場面に居合わせることを含めば、数こそ数えてないけれど、2000例3000例は、命の誕生に立ち会っているように思う。
そんな中、先日、友人の出産があった。
20年以上の友人。お互い家族ぐるみで、結婚前から知り合う仲。
命に対する責任感はどの妊婦さんも同じだけれども、医療者と妊婦さんの関係だけでなく、それプラス友人という感情が入ってきてしまう。
だから、また違う緊張感と心境が新鮮にある。
彼女は、同業者だから、いいお産をしなくては・・と本能的に思っていたのかもしれないけれど、陣痛が強くなってきて生まれる寸前でも、すごく冷静で、丁寧で、おなかの子どもにいつも語りかけて、理想の出産をしてくれた。
三歳のお兄ちゃんも立派に立会い。ここで生まれたこと覚えているかな~なんて話ししながら。
パパも、ビデオとカメラと、そして、ママの手とお兄ちゃんをあやしながら、がんばってくれた。今、思えば、どうやってそれだけの仕事を巧みにこなしていたのか不思議ではあるけれど・・。
本当に ありがとう・・だ。

総合病院にいるときも、多くの知人に分娩介助を頼まれて勤務時間以外に分娩に立ち会ったことも何度もあった。
開業してからも、何人もの、知人・友人が妊娠・出産にやってきてくれる。
それそれ、鮮明に覚えているから不思議だ。
思い起こすと、仲がいい友人集まれば、その子どもたちみんな、生まれた瞬間から私の手に触れて生まれてきてくれたんだなぁ・・、おぎゃ~の第一声を家族といっしょに聞けたんだなぁ・・と思うと、かわいくて仕方ない。
信頼して、細田クリニックにきてくれるのはすごくありがたいことだし、友人の出産場面に居させてもらえることに、改めて感謝感謝だ。
そのちびっ子たちまでも、エリちゃんとか、エリコさんって普通に私のことを友達と思っているところも不思議・・。
友人だけでなく、外来から知り合っていく妊婦さんも何度も会ううちに、世間話をしたり。巷を歩けば、声をかけてくださり、家の前でジャージ姿で草引きをしていれば、「先生!」と声をかけてくださったり・・。町内会の会合へ行けば、知ってる方々ばかりだったり・・。

どんどん人の輪が広がっていっていることを実感する毎日です。
eri.hosoda