月別アーカイブ: 2011年3月

出会い・別れ・旅立ち

今日も一人の赤ちゃんが生まれました。
元気な男の子。お兄ちゃん二人がいる家族に生まれてきました。
家族が一人増えた喜びを120%表現しながら、お産を終えました。
素敵な素敵な出会いです。

以前ブログにも書かせてもらった、亡き小児科医の光藤先生。
49日の供養にあわせて、お花を贈らせていただきました。
奥様から、そのお礼のお手紙とともに、先生の仕事姿のお写真を1枚いただきました。
お手紙には、
「日が経つに連れて、主人もみんなに忘れられていくのか・・と思っているときに
お花を頂いて、すごくうれしかったです。また主人のことを思い出してください。」
と書かれていました。そして、その1枚の写真。
私たちは、その笑顔は、忘れません。別れは、忘れることではないのです。
生きている間に多くのありがとうを頂いているから、忘れるはずはありません。
別れは、記憶に生き残ることだと思います。

そして、旅立ち。
あと1日で、娘が家を出ます。
私も主人も、高校卒業で実家を出た身分。
だから、娘にも早く独り立ちをし、社会に出ることを希望していました。
もちろん、その考えは変わりませんが、いざ、その日が来ると不思議な感覚です。
寂しいが強いわけでもなく、うれしいが強いのでもなく、感じたことのない複雑な気分。落ち着きません。
こうして、子供たちは旅立っていくのでしょう。
私たちの親も何十年前、こんな思いだったのか・・と、ようやく実感します。
でも、親も子もこのタイミングはすごく大切なこと。
今生まれた赤ちゃんもそうです。もちろん、そのパパやママもそうです。
独り立ちしていく日、社会にもまれる日がみんなあるのです。
大切な大切な旅立ちです。

今日の母親教室で、命のお話をしました。
殆どの方が、涙で聞いてくださいました。
何か思うこともあったのでしょうか、嗚咽で涙される方もありました。
一瞬でも、つたない私の話でも、今、育んでいる命について考えてくださったこと、すごく大切だし、ありがたく、幸せなことです。
今日は、お父さんも3人参加されました。
お父さんの涙も見えました。
きっと、どんな命もいらない命はありません。
今日の母親教室で流された涙は、素敵な素敵な命を産んで下さる証拠でしょう。
命が源です。
出会いも別れも、旅立ちも命あってこそ。

今、こうして、出会い、別れ、旅立ちをしんみり感じること、
震災を感じながらも、母親教室で命を育むお話ができたこと・・。
ありがたいことです。
大切なことです。
生かされていることに感謝です。
eri.hosoda


 

今 思うこと

今何ができるのか、考えても、平常の生活を送っている私たちには限界があります。
現地に行くことは、そう簡単ではありません。
むしろ、足手まといになることも。
しかし、細田クリニックでお世話になっている小児科医の青木先生は、
現地派遣医師に手を上げられました。
自分の医院を休診にして行かれます。
私たちの思いも一緒に行っていただきたい、と心よりエールを送りたいと思います。そして、元気に戻ってきていただき、目で見て感じられたことを生の声で私たちにアピールしていただきたいと思います。そうすれば、何かこちらにいる者も新しい考えが浮かぶかもしれません。
知人の家族は、電柱を立てる協力が必要と言われているとのことです。
ある知人は、関西の電力会社ですが、要請があればいつでも行く、と話しておられました。
家族としては、すごく複雑でしょう。
特に、福島原発の動きは、予測できない恐怖感もあります。
できるなら、家族としては、現地には行ってほしくないと思う気持ちはあるはず。でも、そんなこと言ってられません。だれかが、この危機を救わないといけないのです。
もし、主人が原発の仕事をしていて、今、「福島原発に協力しに行く!」と言ったなら、
心で泣き、でも、祈りながら送り出すことでしょう。
そこまで、危機迫っている事態です。
もしかして、子どもはこちらに置いて、私は一緒に行くかも。

ネット上で、ある探し物をしていたら、次の記事が目に付きました。
わが身に置き換えると、涙がでそうです


http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_date2&k=2011031600093


こうして、一人ひとりの善意、いえ、勇気のもと、平穏な日がまた、戻ってきてくれることを祈るしかないです。

買占めにより、関東では物資不足です。
関西にいる私たちは、今、買占めなどする必要ありません。
落ち着きを取り戻してきて、日本すべて平和が戻ってきたら、避難グッズを揃えようと思います。私たちは今ではなくてもいいはずです。
今は、現地の方の生活を普通に戻ることを第一に考えることです。
クリニックの受付には、手作りで、義援金箱を置きました。
昨日、無事出産され、退院されるその日に、そのママのご主人が受付の箱を見つけられて、
「僕は、こういう義援金や寄付の箱を見たら、絶対入れるようにしているのです。大きいことはできないから、少しずつですけど・・。僕は阪神大震災のとき、避難所にいましたから・・」
と、お金を入れてくださいました。
人間の鏡だと思いました。感動が伝わりました。
私たちにも、できることは、何か一つはあるはずです。
祈ることの無力さも感じますが、どうか、平和が戻ってきますように・・。
復興に尽力されていらっしゃる方々にも、祈ります。

何年か先に、この思いを忘れないように、書き記しておきます。
eri.hosoda

祈り・・

この世の出来事とは思えない光景が、テレビで放送されています。
この時代に、この日本で、起こっている出来事。
地獄絵のようです。
街は、津波で全滅です。
瓦礫や家々で、火災が発生しています。
どのテレビのテロップも「死者・行方不明者1200人以上」「国内最大級地震」と出ています。
涙がでるくらいひどい光景です。
こんな、人間が地球を牛耳っている今の時代、どんなことでも太刀打ちできる機械、ハイテク、知恵、団結、パワーを持っている日本にもかかわらず、自然にはひとたまりもなく、押しつぶされてしまいます。あっという間にやられてしまいます。逃げることすら無理でした。

私たち京都にいる人間はテレビを見て、心の中でお見舞いを言うしかできません。なんと、無力なことでしょうか。
ふと思うに、いつもと変わらない時間を過ごしている私たちは、被害を受けられた方より、リアルに状況を把握しているに違いありません。
津波が発生しているそのときもそうでした。
現地の方々は、全体像を見ることができず、何が起こっているかわからず逃げ遅れた方、内陸にこれほどの津波がやってくると想像しなかった方、このテレビ放送を現地の方がリアルに目にしたら、1分でも早く逃げ急ぐことができたでしょう。
残念でなりません。
今は、火災で戦争のように燃えています。
街が湖のようになっています。骨組みだけのビルの上に、船が押しあがっています。元から、更地だったかのように、何もありません。
一人でも多く、救われますように・・、これ以上被害が広がりませんように・・。
祈ります。お見舞い申し上げます。
そして、消防の方、警察の方、復旧作業の方、自分の家、家族のことも心配でしょう。まだまだ二次災害も起こります。くれぐれも、自分の命を犠牲にされませんように・・。

私は、昨日のうちに、関東方面の親戚、知人、友人にメールをしました。もちろん、すぐには届いておらず、数時間後に、「今メール来ました、元気です・・」「大丈夫。家族みんな元気です。でも、自宅には帰れません。」などと返信がきました。心より、ホッとしました。
そして、私たちは、今朝、いつもと同じように朝食をとり、仕事に来て、みんなの笑顔を見ました。普通に外来も始めました。今、一人の赤ちゃんが生まれようとしています。
なんとありがたいことでしょう。しあわせなことでしょう。

これ以上被害が広がりませんように、命が救われますように、元の生活が1日でも早く戻ってきますように、強く強く祈ります。
eri.hosoda

サーバリックス

サーバリックス。
子宮頸がんワクチンの商品名です。
すでに、コマーシャルや雑誌で広く普及活動をされ、殆どの方が知っているワクチン。3回の接種が必要で、3回打ってこそ効果がでます。
日本は、かなり遅れていて、昨年から広がりました。世界の諸国では、何年も前から小学生のうちに公費で接種、というところが多いのが現実です。
子宮頸がんを撲滅しよう・・と、国が、助成してくれる・・というところまでは、OKだったのですが・・・。

その政策とは、中学1年生から高校1年生まで、公費にしよう、というものです。
つまり、その4学年の接種費用を、国(政府)が財布を開いてくれたわけで、1回1万5千円(病院によって値段は前後します)×3回分の補助をしてくれるわけです。親御さんにとっては、かなり助かる話であり、助成されるなら受けさせておこう、と思うのがほとんどの親でしょう。
ワクチンはたちまち、その4学年の人数分、極端な話し、全国の4学年全員受ける可能性があるとして、その人数分は最低でも必要となってくるわけです。もちろん、これだけ普及すれば、その前後の学年、また、娘さんといっしょに来られたお母さん、結婚前に受けよう、という若い世代の方も多くあります。

が・・・・・・・・・・。

先週から、全く仕入れができない状況です。
細田クリニックだけでなく全国的にです。
国内で一社しか提供できないのに、在庫を確認せずに
助成事業にゴーサインをだした国と製薬会社は
あまりにもお粗末としか感じません。
国のトップの菅首相。
こんなにたくさんの人が受けるとは思ってなかったのですか?
1回打ったら、2回目3回目は期日が決まっています。にもかかわらず、ワクチンが手に入りません、申し訳ありません、では済まされないでしょ?
在庫が確保できないなら、もっと範囲を狭めて、2011年は高校1年生、2012年は次の高校1年生・・などとしてもよかったのではないでしょうか?
在庫の確認、してましたか?
その前に、菅さん、サーバリックスって知ってますか?
厚労省にお任せ状態ではないですか?
昨年のインフルエンザのワクチンも在庫切れが続出しました。
全く同じことが、反省もなく、どうしてできるのでしょうか?
被害をこうむる患者さん、そして、産婦人科。
どう責任を取ってくれますか?

先週末から、細田クリニックの受付スタッフもてんてこ舞いです。
電話の問い合わせに答えたり、多くの予約患者さんをどうするか、しかも、1回接種の患者さんには入荷待ちをするにも、期日が限られているため、どうしたらいいか悩んだり。

国のいい加減さ、製薬会社の不行き届き、全く腹の立つ思いです。
当たり前ですが、患者さんのこと、国民のことを考えて、政治をして欲しいものです。
人気取りの適当な政策は、やめて欲しい。
私たち素人が考えてもお粗末な政策は、やめて欲しい。
心から思います。

とにかく、今、製薬会社との連絡待ち。
連絡すら、とれない状態なので、何の確信も取れず、腹立たしい状況待ちです。

eri.hosoda