細田クリニックのひとりごと

12年

この建物が建ち、12年。
五条通りの排気ガスと騒音と、真夏の灼熱した太陽を浴び、
入院患者さん、外来患者さん、スタッフ、総勢何十人が入っているだろうと思われる
瞬間を支えているし、小さい建物なのに、強靭で、立派で、かっこよくて、
改めて、すごいなあ、と思います。

先日、この建物の設計、建築、すべてプロデュースしてくださった
松山将勝先生、片腕の加藤友佳子さんに、来ていただきました。
1年目点検以来の来京です。
待ち合わせの時間に、来ていただき、顔を合わせた瞬間、
握手とハグ。
その一瞬で、12年前の思い出がよみがえり、いえ、12年前にタイムスリップ。
毎日、設計や産婦人科ならではの特徴など、夜中まで話し合い、
松山先生のアピール、産婦人科医としての最低限必要なこだわり、
それらをすり合わせること、数か月。
それに伴う、体力と精神力。尋常じゃなかったな(笑)
私たちも、松山先生も、若かったのでしょう(笑)


クリニックを隈なく見て回り、笑ったり、思い出したり、今を語ったり。

京都は、他府県に比べて、どこよりも建築条件が厳しく、
でも、産婦人科として、最低限必要なことをそこに、込み入れなくてはいけません。
無理をかなり、聞いてもらいました。
松山先生に、かなり、行政や建築会社とセッションしてもらいました。
開業するには、医療(中身)が1番であること、何より大切でそれは、今も第一優先です。
でも、みなさんがお産をされるに値する、建物(外身)でなければなりません。
生まれたところが、ガタガタじゃ、思い出半減。
第一、細田で生もうと思ってもらえません。
先にも書いたように、自然や天災に、弱いようじゃダメ。
いろんなこと、考えに考え抜かれた建物です。

ここで第一声をあげる赤ちゃんに、お産をしていただくママに、外来に来ていただくいろんな女性の方に、
失礼のない建物にしたかった院長の思いと松山先生の合作です。

数時間、たくさんお話しました。
この日、松山先生に、ほめてもらうことしかなかったので、
すごくこれからも頑張ろう!と鋭気をもらえました。
「どこより、きれいに大切に使ってもらってる」と絶賛してもらったこと。
よそのどこより、清潔感あって、それによって、建物の寿命もまだまだいける!
すごく大切に使ってる!しかも、クリニックの中、どこも全部!
古くても、年季が入っていても、大切に使っていれば、それが悪い意味ではなくなる!
他施設では10年目に大改装しなくてはいけないほど、使えないところも結構ある!
そんな松山先生の言葉。
ずーと、見るところ見るところで、語ってくださいました。

そして、
「働くスタッフが素敵だと」と言ってもらったこと。
何より何より、嬉しかったです。

スタッフとは、この日、2~3人顔を合わせてくれました。
ニコっとご挨拶。
それ以外、私の口から出るスタッフの姿、こんなことあった、あんなことあった、という12年間を聞き、
「どこより、スタッフがいいよ~~」
「他施設では、スタッフとの難題しか聞かないところもあるよ!」
「細田クリニックのスタッフ、いいよね~!うん、いいよ!」と、九州弁+笑顔で語ってくださる松山先生の言葉を今いるスタッフにも聞かせて上げたかったです。

この待合でいろんな思い出があふれ出し、
30分くらいここで語りました。
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外から眺める建物の外観。
まっすぐに並ぶルーバーも、角度や幅に意味がありました。
設計の知識ゼロの私たちには、目からうろこ状態の12年前でした。

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建物の裏。
世界の建築を手掛けていらっしゃる松山先生が、ベスト3に入る難題だった設計。
この斜めの壁のライン、でこぼこ、窓の位置、
全部そうせざるを得ず、意味があって、ミリ単位の建物です。
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松山先生、加藤さん、本当に来てくださり、ありがとうございました。
この建物があってこそ、今まで走り続けてこれた気がします。
産婦人科は過酷です。そこで働くスタッフも、過酷です。
24時間365日動いています。
それは、自然に流れるお産の大変さや命がけ、元気に生まれることは奇跡であるからです。
なかなか、世間のみなさんにわかってもらえません。
そんな思いをママだけでなく、パパや周りの人にわかってもらえるよう
日々この建物と一緒にアピールしていこうと感じました。
この前の道を通って、
「ここで生まれたんだよ」と家族で語ってもらえるありがたさ、
そんな嬉しい言葉が一人でも多くありますよう、
これからも頑張っていきます。
ありがとうございました。
eri.hosoda