細田クリニックのひとりごと

街中で・・・

先日、用事で、左京区に向かっていた時のことです。

天気も良く、寒さも和らいでいた、日曜の午後。

主人が運転、私が助手席。これが、いつもの位置です。

助手席から、何気に私は外を見ていました。

私の視野に、数分、並走している車があって、一人の男性が運転しておられるのです。同乗者はありませんでした。

何気に目が合う?・・・

でも、じっと見ては失礼かも・・・

チラ見をする・・・

ん・・やはり、知ってる人・・・

向こうも私のこと、知ってそうな雰囲気かも・・・

すごくよく知っているような、でも、名前が出てこないから

お産された人のご主人?それにしては、年齢いかれてるし・・・

どこかのお店のシェフっぽい?そんな顔覚えるようないきつけのお店ないし・・・

どこかで一緒に働いたドクター?それなら、名前出てくると思うし・・・

ん・・・わからないまま。

誰だろう?誰だろう?でも、絶対知ってる人なのに。

えーと、えーと・・とグルグルいろんな事考えました。

偶然にも、信号が赤になって、並走したまま、こちらもあちらも車を停止。

チラ見頻回の私。車の窓ガラスはあるものの、すごく近い。

やはり、絶対知ってる人だ。

でも、名前わからない。

無視も失礼だし、一応、目を伏せる程度に会釈してみたものの、あちらは、気付いておられない様子。

なおさら、誰?だれ?どなた?と知りたくなる。

右にいる主人に、

「マジマジ見ないでいいから、左の車の運転手のおっちゃん、見て。知ってる人やと思うねん。誰やったけ?患者さんのご主人?それか、どこかのドクターかな?」

と聞きました。

主人もチラ見して即答!

「山中教授や」と。

「あーーーーーーー!!!!ほんと!!!まさに、そう!!!!」

となりの車に聞こえてしまうんじゃない?というほどの大声で絶叫しました。

知ってる人とは、知り合いではなく、テレビの中で見かけた人だったのです。

iPS細胞で、ノーベル賞を受賞された、京都大学の、山中伸弥教授。

すぐさま、スマホで「山中教授」と検索し、写真をみて、ぶったまげました。

スマホの中の山中教授のお顔、世界の山中教授が1mほど隣におられる!!!

どこかで見た人、いやいや、私の心の中では、

「知ってるひと、このおっちゃん」のレベルで

本当に申し訳ない思いでした。

目が合ったなんて、思い上がり。

iPS細胞が、産科の臨床で、結びつくことは少なそうですが、

「あ~あ、声かけて、お産の異常が起こる前に検知できる何か、開発してください・・って言えばよかった」

と、つぶやいてしまいました(笑)

私たち産科と、iPS細胞を研究されている山中教授と関係はなさそうですが、

ドラえもんがいたら、こんなお願いするのに・・というような、

そんなテンション上がった発想、でした。今思えば笑えてきます。

何年か前に、友人のご主人が、田中耕一さん【島津製作所】(現役サラリーマンのノーベル賞受賞者)とデスクを隣に並べていた!という、話を聞いたことがあります。

その話を思い出し、立派な方でも、すごく普通に生活が垣間見えるところにおられることを再認識。
ノーベル賞を受賞される方は、遠い存在で、同じ空気を感じるところにはおられない、という勝手な想像。それは、根拠のない思い込みなのかもしれません。

でも、なんとなく、ハッとする、目を引くオーラ(私も、どこかで見た!と言うオーラを感じたには間違いないし)があることには間違いないです。

産科の分野でも、大きな発見、発明がなされることを日々願っています。

それが、すごく身近の方であるかも、と思うと、違う意味でもっと嬉しい。

なんだか、胸が高まる赤信号の一瞬でした。

eri.hosoda