細田クリニックのひとりごと

キッズコーナー

クリニックの端に2~3畳ほどのキッズコーナーがある。
言葉の通り、子供の集まるところ・・・・。
産婦人科には、第一子を連れた妊娠中のお母さんはもちろん、それに付き添うお父さんの姿は当たり前のように見受けられる。
もうすぐ、お兄ちゃん、お姉ちゃんとなる子供たちであるが、クリニックに連れてこられることの意味は全く理解していないであろう。
外出先なのに、デパートのおもちゃ売り場でもなく、お友達の家でもないところで、ままごとセットで遊べて、アンパンマンのDVDを見て・・・・。決していやなところではないらしい。
その子供たちと、数分でも過ごすのが、すごく心地よい。
今日のできごと。
妊婦さんに連れられてこられた(多分)3~4歳くらいの男の子との過ごした時間を思い出す。木で作られた野菜や果物、ケーキ、そして、お皿、包丁のキッチンセットを手に取り、
男の子・・「ねえ、今日は僕がご飯作って上げるね。何がいい?」
私・・・・・・「ん~、昨日ハンバーグ食べたから今日は、どんぶりがいいかな?」
男の子・・「ご飯じゃないよ~。おかずだよ。」
するどい指摘に、もっともだ!と真剣に納得した。
私・・・・・・「じゃあ、おでんにしてちょうだい。」
男の子・・「おでん?今日は無理。ケーキにします。」
まだまだ子供だ。
私・・・・・・「ケーキ大好きだからうれしいな。そっちの大きい方をちょうだいね。」
男の子・・「だめ。大きい方はお父さんのだから。」
この子は絶対すてきな両親に育てられてるのだろう。そして、いいお父さんになるだろうな。    


こんなひと時が大好きだ。無意識のうちに子供と同じになっている自分が照れくさくもあり、でも、心地よく疲れが吹っ飛ぶ。


そして、会計を終え戻ってこられたお母さん。
      「おまたせ、お姉ちゃんとあそんでもらってたの、よかったね。」
お姉ちゃん?久しぶりにお姉ちゃんって呼んでもらった。お母さんもいい人なんだ(笑)         


自分の靴を見つけて、帰り支度を始めた男の子と傍らでジャンパーを着せているお母さんにしばらく手を振った。すごく、いい母と子。そして、もうすぐ生まれてくる子はこんなに惚れてしまうお兄ちゃんがきょうだいでラッキーだよねえ、となんとなくまだ見ぬ赤ちゃんの顔が浮かび、感じた。

こんな、キッズコーナーが大好きだ。充分、大人の私も遊べるコーナーだ。