細田クリニックのひとりごと

1000人目

今日、クリニックがオープンして1000人目の赤ちゃんが生まれました。
本当に、素敵なお母さんとお父さんのもとに、生まれてきてくれました。
夜中の4時前に破水で、入院。
初めての出産で、まだ、破水だけで陣痛らしい陣痛はなく、まだまだ余裕のあるお母さん。
入院後、どんどん強くなってきた陣痛、あれよあれよというまに、分娩室へ。
陣痛が始まってほんの3時間30分後の、7時29分に元気な男の子を出産されました。
入院のとき、「このまま、お産になって、追い抜かされなかったら1000人めさんだよ」という、お話をさせてもらったら、「すごーい!!是非ブログに載せてくださいね!がんばろっ!!」とすごく喜んでくださいました。
でも、そのときは、まだ、「初産婦さんで破水だけだし、経産婦さんで入院してすぐお産の方がおられたら残念だけど1001人目になるよね」と笑ってたんですけど・・。
1回も弱音を吐かず、陣痛がきたらお手本のような呼吸法をされ、合間はご主人と笑顔で会話。頭が見えてきた頃、「早く出ておいで~、待ってるよ~」と赤ちゃんに声をかけられて・・。ご主人もいっしょに手を握って、お母さんの姿勢を上手に支えておられて・・。私たちは、本当にお手伝い。赤ちゃんの命をお母さんが上手に守っておられる、なんと理想的な素敵なお産だったことか・・。
そして、生まれてきてくれた赤ちゃんにお父さんとお母さんとも「上手に出てきてくれてありがとう。そして、先生、看護婦さん本当にありがとうございました」と微笑んでくださいました。
私たちには、何のありがとうもいりません。
すべて、お母さんの努力。
すべて、赤ちゃんのがんばり。
すべて、それを支えるお父さんのおかげ。
妊娠中、毎日かかさず数時間歩いておられたそうです。
体重も増やさずコントロールされていました。
そうです。お母さんがしっかり育んでくれた命。
大切な大切な重みが積み重なった1000番目サンです。
私たちの方こそ「ありがとう」を言わなければなりません。

昨日までは、実感なかった私も、さあ、生まれるよ!という数分前には、いろんなことが頭の中をよぎりました。
なぜか、5年前の1例目の方のお産の光景・・。
帝王切開になろうかというくらい大変なお産でしたが、元気に生まれてきてくれました。あれから、1000人の赤ちゃんが生まれてきてくれた・・。
一言では語りつくせぬ、1000人・・・。
いろんな家族の方々の中へ・・。
その一人ひとりが意味があってその家族に生まれてきてくれたからこそ、今、新たに1000人目さんの重さと喜びを感じるのです。そして、もうすでに、先に向かって新しい命を迎える時間が流れているのです。


それから、いろんな方のお産を思い出すとともに、それぞれのスタッフの顔も浮かんできました。
もう、今は退職しているスタッフ、そして、どんなときも細田クリニックの要になってくれている日々そばにいてくれる今のスタッフ・・。
そして、昨日999番目に生まれてきてくれた小ちゃなかわいい男の子。
小さかったけれど、すごく元気でよく飲んで・・。お母さんは、10ヶ月、必死で命を守ってくれました。本当に、お母さんの力です。

そんな今日の朝。
梅雨の合間のまぶしい朝日です。
そして、日々変わらない外来がまた同じ光景で始まっています。
病棟もスタッフ3人笑顔で、日常業務が行われています。
いつもの受付さん、セクレタリーさん、病棟、外来のスタッフさんの顔・・。
今日の朝のみんなの顔を見て、またこれからもがんばろっと思えました。
そうそう、今日も忙しい夜勤だったけどいっしょにお産を支えてくれたMちゃん、ありがとう。

こんな6月24日の朝でした。