細田クリニックのひとりごと

記憶力

よく街中で、今までにお産された方や、外来通院されている方とお会いすることがある。
どの方も、お顔ははっきり覚えているし、細田クリニックでお産された方、ということは、はっきりと覚えている。お名前もすぐに浮かんでくることが多いが、しばらくしてから「○○さんだ・・・」と思い出すこともある。
でも、去年までは、そうではなかった。どなたでも、すぐにお名前と何で外来にかかっておられるかわかったが、さすがに、外来患者様も増えてくると、買い物途中でお会いして、お話しをしても、お名前だけが浮かんでこなくって、考え込んでしまうことがある。お母さんは、入院中と違い、メークをされていたり、髪型を変えられたり、おしゃれをされたいるとわからないことが多く、
もちろん、赤ちゃんを見ても、すっかり大きくなっておられ新生児の頃の面影はない。案外、お父さんを見て、「○○さんだ」とわかることもよくあるくらいだ。
院長と私、二人で考えても浮かんでこないこともあり、買い物の帰りの車の中で、
・・・・ほら、お産はすごく楽だったよね。2年前の夏くらいかな。
・・・・上のお兄ちゃんが、かわいくって、いつも、気さくにそばに来て話してくれて。
・・・・ご主人が外来にいつも来られてて、背が高くて・・・
そうした会話の後、自宅につく頃、○○さんだ!と思い出すことがある。
(ごめんなさい)
それなのに、クリニック受付にすごい人がいる。
名前も顔も、カルテ番号もすぐに言える。
最近いつ受診されているか、すぐに言える。
受付前の自動ドアが開くか開かないか、というタイミングで、その入ってこられた方の名前がわかる。
私たちが、「1年前くらいのお産の人で、二人めさんで、上がお兄ちゃんで、お母さんはショートカットで、背は高くって・・・」
と言えば、
「きっと、○△さんでしょ。去年の夏頃にお産された・・・。赤ちゃんの名前は、※□ちゃんですよ。カルテは、×××番。」
と即答。それが、完璧に当たっている。一人二人ではない。カルテの数の9割以上の患者さまの把握を記憶している。
びっくりするのを通り越して、すごく尊敬してしまう。

街で買い物途中にお会いして、声をかけてくださるのは、すごく、うれしいし、こちらから声をかけることもよくある。大きくなられた赤ちゃんを見せてくださると、もっともっとうれしい。
でも、受付の彼女と違って、私も院長も記憶力が落ちてきている今日この頃・・・。患者さまの数が増えたせいだ、と思っているけれど、年齢のせいなのかもしれないが・・・・。
贅沢な希望であるが、もしよかったら、お名前を名乗っていただけたらなあ、と思う。
                           eri.hosoda