細田クリニックのひとりごと

生きていること

新年早々聞きたくない事件をいくつか聞く。
私は無宗教で、勝手のいい時だけ「神様お願いします」とか、盆正月だけ、仏様の前に座り、元気で過ごせますように、いいことがありますように、とお参りする。
数日前、火事で幼い子供たちが亡くなった記事を目にした。この冬の大雪で事故があり犠牲になられた方があると報道されている。
人間は生きているから、いつかは消えてなくなってしまう。でも、人の寿命がそんなに短いはずがない。自分の寿命を自分で断ち切る人は論外であるが、亡くなった子供たちは次の楽しみを絶対思い描いていただろう。宿題のことを気にしていただろう。お年玉を楽しみにしまっていただろう。なのに、なぜ亡くなってしまったのだろうか。なぜその子達なんだろうか。寿命だけでは片付けられない。
今まで数え切れないほどのお産に立ち会ってきて、産まれてきてよかったね~といつも思える。がんばって産まれてきたね~と声かける。そして、家族の思いを込めて、名前が決められ、育てられていく。その瞬間その子の寿命は決まってないはずである。
火事で亡くなった子供たち、雪で事故を起こして亡くなった人たちも無意識に生きていた中で亡くなられたのであろう。私も生きていく事を無意識に過ごしている。主人に文句をぶつけたり、子供たちを怒ったり、眠いと機嫌悪くなり、おいしいケーキ1つで上機嫌になったり。
でも、今思う。感謝して生きなきゃ、って。何気ない生活の中で亡くなった人たちはどんなに悔しくって、悲しくって、生きたくって仕方なかっただろうか。
生きてたら、辛い事やいやな事もたくさんあるけど、それ以上に、いろんな人と出会えただろうに、もっと楽しい事あっただろうに、もっともっといい事あっただろうに。
この思いは、おなかの中にいる赤ちゃんや今まさに生まれようとしている赤ちゃんに思いっきり伝えたい。ずっとず~っと、生きていくために産まれてきたんだから、誰よりも長く生きて、誰よりも幸せになるんだからね、と。
今、新生児連れ去り事件のニュースを見ながら、「無事でいるように・・」と心から念じながら・・・・・生きていることのありがたさを思ってみた。
                                Eri.Hosoda