細田クリニックのひとりごと

四季

毎日、雨の日が続き、まさに、「梅雨」である。
洗濯物が乾かない、外を歩くと足元が濡れる、などなど嫌なことばかり。
梅雨が過ぎたら、今度は体温並みの気温の毎日が容赦なく続く。
それでも、昔に比べたら、四季を感じなくなった。
春が短い。秋も短い。
私たちが子供の頃は、もっとはっきり季節の変化を感じた。
だから、衣替えも意識してしっかりあったし、夏は半袖、冬はセーターは当たり前であった。
今では、夏も長袖を着る人が増えている。紫外線防止だけでなく、冷房がどこに行ってもかかっているからである。
冬も、デパートの中では汗をかくほど暖房されているし、家やマンションの構造も機密性が充実している。
こんなに、人間の生活が変化していく中でも、お産そのもの、人が生まれるということは、何も変わっていない。
でもはっきりと言えることは、生命の誕生そのものは何も変わっていないが、生まれてきた瞬間の取り巻く環境は、昭和の頃と今の時代とは全く違う。
クリニックの中は、24時間エアコンがかかっているし、初めて迎える今年の暑い夏もエアコンの中で過ごすだろう。
こうして、四季を感じることを忘れてしまうのではないだろうか。
暑さを感じるために、エアコンをやめるわけにもいかないし、現実問題、きき過ぎのエアコンの中では、長袖を羽織りたくもなる。
でも、考えが古くさいかもしれないが、今生まれてきた子供たちにも、四季を感じて欲しい。それは、体感温度だけではない。「季節感」というものだ。
それは、生まれてきた赤ちゃんの家族の役目。家庭での会話。
教えて欲しいこと、伝えて欲しいことがたくさん山のようにありそうだ。
                eri.hosoda