細田クリニックのひとりごと

友人の出産

産科歴ん十年になった今、1000例を越すお産の介助をさせてもらい、
かつ、赤ちゃん係りや、分娩のその場面に居合わせることを含めば、数こそ数えてないけれど、2000例3000例は、命の誕生に立ち会っているように思う。
そんな中、先日、友人の出産があった。
20年以上の友人。お互い家族ぐるみで、結婚前から知り合う仲。
命に対する責任感はどの妊婦さんも同じだけれども、医療者と妊婦さんの関係だけでなく、それプラス友人という感情が入ってきてしまう。
だから、また違う緊張感と心境が新鮮にある。
彼女は、同業者だから、いいお産をしなくては・・と本能的に思っていたのかもしれないけれど、陣痛が強くなってきて生まれる寸前でも、すごく冷静で、丁寧で、おなかの子どもにいつも語りかけて、理想の出産をしてくれた。
三歳のお兄ちゃんも立派に立会い。ここで生まれたこと覚えているかな~なんて話ししながら。
パパも、ビデオとカメラと、そして、ママの手とお兄ちゃんをあやしながら、がんばってくれた。今、思えば、どうやってそれだけの仕事を巧みにこなしていたのか不思議ではあるけれど・・。
本当に ありがとう・・だ。

総合病院にいるときも、多くの知人に分娩介助を頼まれて勤務時間以外に分娩に立ち会ったことも何度もあった。
開業してからも、何人もの、知人・友人が妊娠・出産にやってきてくれる。
それそれ、鮮明に覚えているから不思議だ。
思い起こすと、仲がいい友人集まれば、その子どもたちみんな、生まれた瞬間から私の手に触れて生まれてきてくれたんだなぁ・・、おぎゃ~の第一声を家族といっしょに聞けたんだなぁ・・と思うと、かわいくて仕方ない。
信頼して、細田クリニックにきてくれるのはすごくありがたいことだし、友人の出産場面に居させてもらえることに、改めて感謝感謝だ。
そのちびっ子たちまでも、エリちゃんとか、エリコさんって普通に私のことを友達と思っているところも不思議・・。
友人だけでなく、外来から知り合っていく妊婦さんも何度も会ううちに、世間話をしたり。巷を歩けば、声をかけてくださり、家の前でジャージ姿で草引きをしていれば、「先生!」と声をかけてくださったり・・。町内会の会合へ行けば、知ってる方々ばかりだったり・・。

どんどん人の輪が広がっていっていることを実感する毎日です。
eri.hosoda