細田クリニックのひとりごと

今年の夏

台風以後、朝晩はしのぎやすく感じる最近です。
しかし、昼間は暑い!
節電を公にした政府。いや、私たちは、震災がある前から、思ってました。
過去のブログで、何度か私は触れていました。節電しなくては罰金!位言わないと、企業はしないだろう・・と。
国が何とかしないと、大変なことになるって。
そして、3月11日の震災で、原子力発電が破壊されてから、動き始めた永田町。
一般人の私たちの方が、先を読んでいた気がします。

さて、震災から、4ヶ月を過ぎました。
直接、被害を受けなかった私たちは、知らず知らずのうちに、過去になってしまいます。
東北の方は、まだまだ進行形。原子力発電所の後始末に関しては、1歩も進んでないような、反対に
被害拡大中のような気もします。どうしようもない政府にしか頼ることができないのか、と憤りも感じながら、
この関西で生活できることに感謝している日々です。
クリニックでできることは、節電、後は、震災地に里帰りされる方のご相談、くらいですが、
個人的には、人生観が変わった気がします。

ある、先輩ドクターの弟先生が4月に亡くなられました。
福島県のある病院の院長をされていて、震災では建物や物資などの物理的な被害はあったものの、命は助かったので、すごく復興にパワーを注がれていたそうです。
今から考えたら、100%以上の150%、それ以上の力が発揮されていたのでしょう。
4月の半ば、震災から1ヵ月後。
いつもどおりに仕事を終え、昼休みにトイレで倒れていたのを発見されたそうです。
心筋梗塞とのこと。50才だったようです。
一瞬だったでしょう。
倒れられた瞬間、何を思い何を考えられたのでしょうか。

本当に、衝撃的な報告でした。つい、最近知りました。
そう・・・・・・。
先に述べた、人生観が変わった、根拠。
震災そのもので感じたことは、全てそうですが、
人は、いつ存在が無くなるかわかりません。
今、こうして座っているその1分後はわかりません。
だから、今、できることは今しよう、
今、伝えたいことは今伝えよう、
今、感動しよう、
今、感激しよう、
今。
すべて、今、しようと思うようになりました。
最近、スタッフに冗談交えて話します。
「もし、私倒れたら、クリニックと患者さんよろしくね」と言うことがあります。
(「そんなこと言わないで下さいよ!」「そう言いつつ、100歳迎えてたりして・・」と、返されますけれど。)
今、命が終わったら、私には後悔いっぱいです。
主人にも子供にも、まだまだ、言い足りないことだらけです。
クリニックの若いスタッフと、もっともっと話し、楽しみたいです。
同世代のスタッフと、もっともっとお茶してしゃべりたいです。
旅行もしたい、遊びたい、食べたい、したいこといっぱい。
でも、病気や天災で、また、先日の中国の新幹線事故のように、一瞬先はわかりません。
だから、「今」を大切にしよう、と、強く深く感じるのです。
一昨日の母親教室でも話しました。
いろんなことのスタート、原点は、オギャーと生まれたその瞬間。
お産は、その赤ちゃんの生きていくスタートですよ、大切に大切にしましょう・・と。
お話する中での、みなさんの涙は、決心だったと思います。
もちろん、いいお産をしようとする母親としての決心、そして、命の大切さを感じてもらえたこと・・そんな決心だったかなと思います。

たらたらと書いてしまいました。
今でも、テレビから震災の映像を見ていると、怖さが伝わってきます。
そして、知らない間に、感激や感動を無くしてしまっているような錯覚になりました。
年のせいで、怒りっぽくなっただけではないと思います。
この震災は大なり小なり、人生観が変わるほどの出来事です。私だけではないはず。
そのこととかぶり、福島の先生の死を知り、考えさせられことを書き記しておきたかったのです。
eri.hosoda