細田クリニックのひとりごと

京都マラソン

3月11日、日曜日、京都マラソンが行われます。
東京マラソンや、大阪マラソンは、実施されていましたが、京都は初の試み。
クリニックの前にある西京極運動公園から、15000人のランナーが京都路を目指し、スタートです。
ぜひとも、成功してほしいし、芸能人も参加する!という話題もあるし、楽しみです。

しかし・・・

駅伝とは違って、150000人のランナーが集団でスタートするわけであって・・。
想定するに、クリニックの前も、1時間~1時間半は通行規制がかかるはず。
しかも、西京極運動公園~葛野大路を上り、さらに四条~梅津・・と、横断することができません。
その1時間半、八方ふさがり状態です。
院長はじめ、私もスタッフも、その時間帯に何かあったらどうするの??
横断禁止なら、その時間帯にその向こうに住んでおられる患者さん、妊婦さんに何かあったらどうして、クリニックに来てもらうの??
と、疑問、不安が生じました。
陣痛がきて、1時間でお産になる方もいらっしゃいます。
出血がとまらない!という症状が起こるかもしれません。
そこで、京都市のマラソン実行委員会の方に聞きました。
「いや・・その時間帯だけは避けてください。待ってもらうか、早めに来てもらうか・・。そのときに来る患者さん、何人くらいいらっしゃいますか?」
これが、1番最初の答えでした。
驚きです。軽い答えで、泣きそうでした。
「その1時間に誰が、どんな症状で来られるか、わかっていれば、私たちも対処はできます。不安も困ることもありません。極端な話し、細田に来られている患者さん全員がその1時間に何が起こるかわかりません。その1時間どういう対応をしたらいいのか、教えてください。」
そう、問いただしたのが、去年の夏です。
それから、半年。
京都市に聞いても聞いても、命優先の対応の答えが返ってきませんでした。
やっと、今日、二人の京都市の方が来られました。
内容は、迂回路の説明です。
(注*迂回路を知りたい方は、外来に張り出しておきます。)
それ以上の発展、名案は、ありませんでした。
「もし、普段なら10分で来院できるところに住んでいるのに、迂回し、30分、時間がかかった。
それで、重篤になった・・というときには、京都市として対応していただけますか?」
というこちらの質問に「対応します」と言っていただけました。
それでも、命がかかっていること。対応してもらえればそれで済む問題でもないし、もっと、いい最善策がほしかったのは本音です。
おそらく、その通行止めの1時間半ほどの間に、一刻を争うことが起こる確率は、ごくごくわずかだと思います。
過去の事例から考えても、ほとんどの方は、迂回路で間に合うし、「1時間後に落ち着いてから、診察しましょう・・」で、可能な方です。
しかし、一刻を争う!という方が、ゼロではない。
ゼロでない以上、患者さんも私たちも、不安になる・・。
この気持ち、実行委員の方に、どこまでわかってもらえたのか・・と思うとともに、3月11日当日朝の7時55分から9時25分の間に、一刻を争うことが起こりませんように・・と祈るのみです。
話し合いの中で
「もし、ご家族がクリニックの目の前、5分でクリニックに来られるところに住んでいながら、ちょうどマラソンスタートのときに、迂回して30分かけてクリニックに来られて、そして、結果、車でお産になった、死産になった、重篤になった。そしたら、どうします?」
と聞きました。
「・・・・・・・・・」
京都市の方は、無言でした。
なら、対策をもっと早くに考えて、あらゆる決まりを想定して、それから、マラソン大会の告示をしてほしかったです。
市役所に帰って、「細田クリニック、うるさいおばさん(←私のこと)やった・・」と思っておられるかもしれません。
実際、こんな質問疑問をこちらから聞いたのは、細田クリニックの私だけだそうです。私が質問したそのあと、京都市の方から、病院回りをされて、そこで、言われたことはある、とのことでした。
でも、私の中で、必死に、問うても、「もう安心!」という言葉が、よぎってこないのです。
もちろん、一生懸命対応してくださっていることも承知しているし、マラソン大会も成功して欲しいのは、強く願っています。それは、言うまでもありません。
しかし、先にも書いたように、「無事にその時間が過ぎますように・・。」
今は、それしかできないことに、不安が残っています。
eri.hosoda