細田クリニックのひとりごと

二人四脚

今日は日曜日。
朝から、晴天で自転車でどこかに行きたい気分になる日だった。
日曜日の朝も、主人は院長である。入院患者様がおられたら朝にクリニックへ顔を出す。
私は、仕事でなかったら、日曜の朝だけはゆっくり布団で過ごす。子供たちも公認で、朝から用事があっても、日曜日の朝だけは私を起こすことなく寝かせてくれる。
いつも主人がお昼前に帰って来るから、今日も帰ってくる前に掃除や家事をやっておこうとがんばっていた。最近、掃除も適当だったし、布団も干してないし・・・。
昼からは、大きいものをまとめ買いをするため主人と出かけようと家のドアを1歩出たところにクリニックからの呼び出しコール。
二人でクリニックへ。
そして、緊急の帝王切開で、元気な赤ちゃんの誕生。
その後、2つの緊急処置。
気づけば、日も暮れて、時計は8時になっていた。
夕飯を済ませて、また、主人はクリニックへ。
私は、明日のお弁当の用意、洗濯物の片付け、昼間に散らかったリビングの掃除、そこまで主婦。そして、スタッフのみんなのお給料や諸手続きの事務作業、そこからは家でできるクリニックの仕事。
本当に慌ただしい。今、気づいた。今日は化粧もしてなかったって。
でも、どんなに忙しくても、「嫌だな」と思わない。
もちろん、人間の体だから、疲れてきたら、「あ~疲れた・・」とは口にはする。
疲れたと、嫌だ、とは違う。
忙しいのは、わかっていて開業したことだし、開業したからには、元気な赤ちゃんが生まれてくれることが一番の願いだ。24時間365日産婦人科だ。
他の処置も、無事に終わって欲しい。
今日、主人にポロッと聞いてみた。
「私が助産師じゃなかったら、こんなに忙しくても今日は私は家にいたやろね。」
と。そしたら、
「普通の主婦やったら、新規開業してなかったやろな。」
と、言った。
そうか・・・・。開業することは夫婦二人三脚であることは、どこの開業医さんもいっしょであろうが、うちは、産婦人科医と助産師、男の見方と女の見方ができる。つまり、二人四脚でフル活動できるんだと思った。
二人で片足ずつ結んでいたら、3本足。手だけつないで、4本足でがんばったら、足をくくって走るより、早く走れる。幅広く走れる。
二人三脚だったら、一人こけたら、二人ともこける。手だけつないで、4本足でがんばったら、一人こけてももう一人が起こしてあげることができる。(うちは、私ばかりがずっこけて、もっぱら主人が起こし役だが)
二人四脚、その方が、長くがんばれるし、楽しいと思う。
それが、細田クリニックの院長と私だ。
                            eri.hosoda