月別アーカイブ: 2007年6月

家族

いつものようにお産の始まる光景。
二人目さんであり、陣痛が来たら早いかな?という予測通り、本格的な陣痛到来後、30分ほどで分娩室へ入室。
一人目さんが1日以上かかったため今回のスピードはご主人はもちろん、お母さん本人も私たちもびっくり。
あっという間に、お嬢ちゃん誕生。生まれてきて、まだ臍の緒を切ってないくらい直後に・・、おめでとう!とその言葉とともに・・、私は迷いもなく思った。
「ダウンちゃんだ」って。
クリニック始まって初めての境遇。そのときのスタッフ&院長の判断で
お父さんにはお産直後に、ダウン症である確立が高いことを告げた。
本当に立派なお父さんで、しっかり現実を一人で受け止めてくださった。
お母さんにはのちに告げた。大きなショックである中、
やはり母の感、生まれてきて間もない我が子の顔を見てなんとなく感じていたと言われた。
入院中に映ったこの家族、この赤ちゃんの居場所はこの家族にしかない、と思うくらい暖かく、やさしく素敵な家族であった。
もちろん、夫婦の間には私たちには計り知れない葛藤や悲しみもたくさんあったと思う。これから先、どんなことと向かい合わなくてはいけないのか、考えても答えはない悩みもたくさんあると思う。
そんな環境の中での家族。接するだけで、私はもちろん、スタッフみんなが、感動と多くの教えをもらった。
こんな前向きな父と母・・。
こんなに助け合える父と母・・。
がんばって普通に大切に育てていくと堂々と言える父と母・・。
ダウン症であることをすぐに教えてもらえてうれしかったとすぐに言える父と母・・。
この子を細田クリニックで生んでよかったと気配りをしてくださる父と母・・。
私たちの家族を選んで生まれてきてくれた、と喜びとして言える父と母・・。
そして、
「これからお産される人の中には、私たちのようにダウン症の赤ちゃんを迎えるかもしれない家族もあるだろうから、是非ブログに載せてください、主人とそう話していたんです。私たちが誰かわかってもいいので・・」と話してくださったお母さん。
そんなこと言えるお母さんは女神のようだと思う。
生まれてきた赤ちゃんは世界一幸せな家族を選んで生まれてきたんだろう。
こんな素敵なお父さん、お母さん、お兄ちゃん、そして、おじいちゃん、おばあちゃんの元だから、幸せの保障つきで生まれてきたのだろう。

退院の後、お母さんさんが、「激動と感動の毎日でした」と、言ってくれた。
「激動」はそりゃそうであろうと、思えるが、「感動」の毎日と表現できるなんて・・。心から思う。この夫婦、お兄ちゃん、そして、生まれてきた赤ちゃんに出会えたこと、たくさんの感動をもらい、教えられたことに、本当に、本当にありがとう。
                      eri.hosoda




ブログを書く

前回のブログから1ヵ月近く経つ。
この間、何度か書こうとしていた。
書きかけたら携帯が鳴って「お産の方がきはります。」というコール。
書きかけたら睡魔が襲って、2行ほど書いて知らない間に寝てしまったこと。
書きかけたらやはり違うことを書きたくて書き直し、また違うことを書きたくなって、結局その日は止めてしまったこと。
でも、毎日何十人という方が、このブログを開けてくださっている。
その事実は毎日わかっているのだが・・。
すごく楽しみにしてくださっている方もいてくださる。
「うどんとお産」のブログを読んで、お父さんが「記念になりました」と1ヵ月健診のときお礼を言ってくださったり。
去年の4月16日のブログの題が二人四脚で、それが本の題になっていて、自分の出産した日と同じだったので感動しました、とお礼の手紙をいただいたり。
ブログを書くことで、クリニックを知ってほしい、スタッフのいいところをアピールしたい、クリニックの本音を伝えたいなどなどいろんなクリニックの一面を知ってもらう反面、本来のブログ=日記という意味で、私自身を見つめなおして反省や自分への奮い立たせの役目にしたり。
実際、経理や事務的なこと、人事やお給料のこと、そして助産業務、夜の待機、家のこと、子どものこと、などなど、必死で前しか見えず突進していると、フッとブログを書くことで我に返ることがある。もちろん、ブログだけでなく、スタッフにフォローしてもらったり時には喋りこんでストレス発散させてもらったり、友達と全く医療から離れて話したり、いろんなことで私を救ってもらっているのだが・・。
院長の妻として経理はしません、人事もしません、とか、助産業務だけやってたらいいのです、なんて言ってしまったらおしまいかな、と思っている毎日。
院長の妻であり、経営者であり、かつスタッフであり、助産師であり、ちょこっとだけ母をやり、そして、気が利かない仕事のできない私を支えてくれるスタッフや院長、家族がいてくれる限り、体力の続く限り、今の生活をやっていこうと思う。
そしてブログも発信し続けようと思う。
                   eri.hosoda